AI技術が牽引するデータ駆動型社会の到来や,未だ混沌とするグローバル化など,明らかに社会は質的変化を遂げようとしている。社会の発展に貢献することを前提とするエンジニアリングのあり方に対しても,変化の要請が起こることは自明であろう。となれば,それを支えるエンジ
1.研究開発の背景
(国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトである「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」が,2014年度から2018年度の5年度にわたり実施された。このプロジェクトの中で,「道路インフラ状態モニタリング用センサシス
1.はじめに
国内インフラ構造物は昭和30年代にはじまる高度経済成長期に多くが建設された。なかでも橋梁は,建設後50年を経過したものの割合が,現在は約27%であるのに対し,10年後には約52%に急増する(1)。また,2012年12月の笹子トンネル天井板崩落事故をきっかけに,道路法施
1.はじめに
近年の車両の大型化,過積載車両の走行に伴い,鋼橋において疲労亀裂の発生が見られるようになっている。疲労亀裂の応急処置としては円孔を空けて亀裂の進展を止めるストップホールが代表的であるが,そこから亀裂が進展する事例が報告されている(1)。一度応急処置してから,次の
1.はじめに
高速道路には,安全・円滑な交通を確保するために道路情報板や照明設備などさまざまな道路付帯設備が設置されている。これらの付帯設備は道路管理者により目視を主流とした点検が実施されている。この目視点検は経験等により個人差があり,また定量化が難しいという課題がある。
1.はじめに
自然斜面・法面(人工的に造成された斜面)において,集中豪雨・積雪等を原因とした地すべりによる災害は国内で年間千件程度が発生しており(1),地すべり危険箇所は1万箇所程度がある(2)。地すべりによる斜面崩壊の前兆としてミリメートルオーダーの変位が発生することが知られて
1.はじめに
道路インフラの老朽化や橋梁における定期点検要領の更新などの対策として道路インフラに多種多様なセンサが設置されるに伴い,センサデータを処理する通信基盤の重複による非効率が懸念されている。
道路インフラには,床板や橋脚など道路そのものを構成
1.はじめに
橋梁,道路付帯物,法面など道路インフラ施設の健全性をモニタリングするセンサネットワークシステムでは,センサ端末を長期にわたり安定稼働させるために,その構成部品の実装には耐久性の高いパッケージが必要となる。そこで,耐候性に優れたLow Temperature Co-fired Ce-
1.はじめに
近頃生活の中で「マイクロプラスチック」という言葉を耳にする機会が増えている。一般的にマイクロプラスチックとは何らかの要因で5 mm以下となったプラスチックを指す。マイクロプラスチックの起源は一次マイクロプラスチックと二次マイクロプラスチックに大別される。一次
1.はじめに
国際連合が2015年を国際光年とすることを宣言して,光を知り,楽しみ,祝う活動が1年間行われた。レーザは1960年に誕生して,2020年は還暦を迎える。直近の過去5年間を振り返れば,レーザを適用した応用製品が多種生み出され,活況を呈してきている。今後も自動車産業のみ
1.はじめに
近年,私たちの身の回りの生活は,科学技術の発展に伴い快適なものになっている。その中でも電気は,生活に欠かせないものの一つとなっている。家庭で用いる電気については,電気メータを用いて,電力会社と電気の使用量に応じた取引を行っている。このような電気メータは,標準
このたび,第13回「でんきの礎」として全5件の顕彰が決定しましたので,その概要をご紹介いたします。
「でんきの礎」(One Step on Electro-Technology)は,歴史的にみて,社会生活に大きな貢献を果たした電気技術の功績を称え,世の中に広く周知することで,多くの方々