新しい時代を感じさせる2020年を迎えた早々今回の騒ぎが始まった。1月9日に中国国営テレビが新型コロナウイルスを分離したと報じたときは,ここまでの事態に発展するとは誰も予想していなかった。その2日後,新型コロナウイルスゲノムが検出された感染者の死亡が報じ
1.はじめに
我々は,各種物理変数に関するスケーリングについて学び,ナノ・マイクロスケールの物理現象を解析することで,MEMSがいかに微細化の利点を活用した素晴らしいシステムであるかを理解してきた。例えば,櫛歯型アクチュエータでは,静電引力により機械的な変位を得ることができ
1.はじめに
DNAはナノスケールの正確な構造体を作製できる優れた材料である。近年ではDNAオリガミ法が開発され,自由な2次元・3次元ナノ構造体の作製が可能となり,機能化の面からも活発に研究が行われている(1)(2)。本稿では,DNAオリガミ構造体に運動機能を持たせた「分子ナノマ
1.はじめに
細胞は,機能を持った分子や超分子で構成された天然の分子システムである。そのようなシステムを人工的に作るアプローチの一つとして,細胞型分子ロボット(1)の構築に注目が集まっている。細胞型分子ロボットは,機能性分子デバイスをシステムとして組み上げたものである。分子レ
1.はじめに
ナノ・マイクロバイオマシンの構成を考えると,生体材料のみを用いてボトムアップで構成する場合と,MEMSアクチュエータの駆動機構のみを生体材料に置き換え,トップダウンとボトムアップを融合する場合がある。本稿では,後者のうちMEMS技術では実現できないサイズの
1.はじめに
折り紙というと鶴,朝顔や船などの簡単な折り紙を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。最近では,折り紙の山折り・谷折りの折りパターンを工夫することで,複雑な形状の作品を1枚の紙から作製できるようになってきている。複雑な形状は,伝統的な折り紙の折りの技術と折り
1.はじめに
省スペース・省エネルギーかつクリーンな機械システムの開発は現代の科学技術や産業・医療等のあらゆる分野において喫緊の課題となっている。例えば,体内埋め込み型の装置や環境発電などの最先端研究分野においては,小型化に加え,外部からの電力供給に依存せず,材料自体もす
1.はじめに
筋肉は,従来の人工アクチュエータと比べ,頑健性や単面積当たりの発生力においては劣るものの,40%以上のひずみ率,35%以上のエネルギー変換効率を持つだけでなく,109回以上の駆動寿命を持つなど基本性能において優れている(1)。その上,グルコースなどの化学エネルギーの
1.はじめに
マイクロメカニズムの駆動については,モータをはじめとするアクチュエータとエネルギー供給源の寸法効果による影響がマイナス要因として大きく作用し,実用的には電池を背負って短時間動く豆粒大のメカが関の山といったところであろう。またエネルギーを外部から供給するにして
1.細胞の発熱を測ることの意義
“発熱”と聞いて何を思い浮かべるかと問えば,大半の人々は風邪やインフルエンザ等の疾病による体調不調と答えるだろう。体内に入り込んだ異物への免疫反応として上昇する体温は,体調の良不良の目安として最も一般的である。免疫反応に限らず,生体は自身の恒常性や機能を維持
1.はじめに
植物は,水,化学物質,塩,温度,微生物など,多くの外部環境要因に晒され,これらのストレスに応答して生育を変化させる。インド,オーストラリア,中国,アメリカ,南アメリカ,中央アジア,アフリカなどのいくつかの主要な食糧生産国や地域地域では,上述した環境ストレス
1.編修専門第4部会と学生委員の関わり
今月号の「学生のページ」は,従来の記事と少し趣を変え,「学生のページ」を作っている電気学会編修専門第4部会の紹介と,今年度で2年目となる学生委員と委員OBの編修専門第4部会に関するコメントを掲載して,新たな学生委員を募集する記事としたいと思います。
2019年12月にアメリカカリフォルニア州サンフランシスコで開催された半導体のデバイス技術とプロセス技術に関する世界最大の国際学会2019 IEEE International Electron