これからの社会を背負う人材の育成において「知的好奇心と探求心の喚起」は重要な教育の一つだ。芽生えた興味や意欲を適切なタイミングで後押しすることは,主体性喚起のために特に重要である。これまでの教育活動の経験の中で,大学生のいまはもとより,幼い頃からこそ型に嵌め
1.はじめに
このたび,会員の皆様のご推挙により,伝統ある電気学会の第108代会長を務めることになりました。これから1年間,会員の皆様とともに学会の発展のために尽くしていく所存ですので,どうぞよろしくお願い申し上げます。
電気学会は,130年を越える歴史を有する学会ですが,
1.はじめに─美術作品の自意識
1990年代に,当時のニューメディア,すなわちコンピュータによる計算とアルゴリズムの文化が,広く映像音響の芸術文化と交錯することから生まれた「メディアアート」も,今では,さまざまなところで,日常的に見聞きするようになった。しかし,改めて考えてみれば,メディア
1.はじめに
学生のころ数学とコンピュータサイエンスを専攻され,アメリカ,マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教などを経て,テクノロジーとアートを融合させた独創的な作品を次々と発表されているスプツニ子!さん。その作品には未来への問題提起が込められている。その発
1.はじめに
2009年,(株)明和電機は「音符型電子楽器オタマトーン」を発売した。オタマトーンの構造は,尾部の「リボンコントローラー」による発振回路の変調と,頭部の口を開閉することで音声の響きを変える「フォルマント」から成る。このフィジカルな演奏方法とかわいらしい形状が受
1.はじめに
新型コロナウィルス(COVID-19)の流行で,2020年以降この原稿を書く現在に至るまで,多くのメディアアート領域のイベントや展覧会が中止・延期を含めた影響を受けている。特に,空間的・身体的な要素を含むインタラクティブ作品は,本来現地(オンサイト)での接触等を含む物理的
1.はじめに
鉄道運行には安全性・安定性が求められ,それを支える技術が列車制御システムである。この列車制御システムの基本的な仕組みは100年以上変化がなかったが,近年のICT技術の向上により,無線による情報通信技術を活用した,シンプルで信頼性が高い列車制御システムの開発・
「コーヒーブレイク」欄に執筆しろとのことで,世間話を書けばよいのではないかと簡単に引き受けてしまった。その後,今までの例を示して貰った。そこには,学術的なことが多く書かれていた。簡単に引き受けたことを後悔している。しかし,変更もままならないので,世間話を書く
1.はじめに
広島県東広島市の郊外に目を引く巨大な工場がある。マイクロンの広島工場(図1)である。マイクロンはアメリカ アイダホ州ボイシに本社を置き,世界中でさまざまなメモリの生産を行っている世界有数の半導体メーカである(図2)(1)。特に広島工場はDRAM(Dynamic Random