先の大戦後に作成された1947年の生命表では,日本人男性の〈平均寿命〉は50歳,女性は54歳であった。まさに「人生50年」ぽっきりで,世界の先進工業国の中で最低レベルをさまよっていた。ところがその
1.特集にあたって
電気エネルギーは人類が発見し,創り得た最高のエネルギーである。電気エネルギーをうまく使えなければ人類の将来はない。電気エネルギーの利用は下記を考慮し,カーボンニュートラルと電力安定供給を両立せねばならない。
①再生可能エネルギーによる電気エネルギーの低炭素化。
1.はじめに
我が国では,東日本大震災(2011年3月)を契機に電力の供給構造が大きく変化し,2013年4月に「電力システムに関する改革方針」が閣議決定(1)された。この電力システムの改革方針により,「安定供給の確保」「電気料金の抑制」「需要家の選択肢や事業機会の拡大」と「S+3E」
1.カーボンニュートラルに向けた国内外の状況
国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)は第6次報告書(1)に産業革命以後の化石燃料を使用した工業,農業などの人間活動による二酸化炭素(Carbon dioxide:CO2)を主とする温室効果ガス(Green House Gas:GHG)排出が地球温
1.はじめに
電気学会「スマートグリッドの電気事業者・需要家間エネルギーサービス技術調査専門委員会(Smart Grid Technique for Energy Customers:SGTEC)」では,需要家電力資源の需要の調整能力である柔軟性を創出し,電力需給調整のための調整力,供給力として取引を行う電力エネル
1.はじめに
地球環境保全のためのカーボンニュートラルの施策が推進されている。このための太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの大量導入や不測の事故に対する系統の不安定性を解消するための調整力が従来以上に必要とされている。アグリゲータによる需要家電力資源の集約による
1.はじめに
2018年,内閣府は第5期科学技術基本計画において「超スマート社会」“Society 5.0”を提唱した(1)。ここではサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより,経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会の実現がうたわれてい
1.はじめに
1.1 日本の水害
日本は,地理的な要因,例えば位置・地形・気象など自然的条件から,大雨や台風をはじめとした災害が発生しやすく,過去10年間に全国の市町村の約97%で1回以上の水害・土砂被害が発生している。近年,ますます全国各地で集中豪雨による水害が多発しており,2019年の水害被
1.はじめに
通信システムのターミナルをなす単独の電話機が生活環境から退場し,スマホと俗称される超小型パーソナルコンピュータの機能の一部となって久しい。しかし,1990年頃より以前の約100年間は,単独の有線電話機が社会の重要な通信手段となっていた。
平成末期から令和にかけて,将棋AIは人間よりも強い将棋プレイヤーとして幅広く認知されるようになった。プロ棋士の半数以上がAIが人間を超える日など訪れないと思っていた1996年にタイムスリップして「今では名人や竜王の指し手がどれだけAIと一致したかで彼らの強さを
1.はじめに
新型コロナウイルス感染症(以下,コロナ)の蔓延により学会等がオンライン開催となり,他大学の学生との交流機会が失われている。そこで,本稿では編修専門第4部会の学生委員が実際に他の大学や研究室に訪問し,先生や学生さんからいろいろな話を伺い,それぞれの大学や研究室