教育や研究に対して,学際領域,異分野連係,文理融合などの重要性が言われて久しい。もちろん,専門分野を極め,より深く,より高く進めていく,ということは必要であり,専門性,独自性というものは重要であると考えている。一方,例えば,SDGsの各目標の達成や持続的な社会
1.はじめに
高効率な電力変換を実現するパワーエレクトロニクス機器が幅広い分野で用いられている。2030年代に予定されているハイブリッド車・電気自動車への転換や高出力のドローン機の導入に際して,その利用はますます増加すると考えられる。パワーエレクトロニクス技術は,電圧,電流
1.はじめに
電力変換装置は,スマートフォン充電器・エアコン等の家電機器,ハイブリッド自動車や電気鉄道等の交通インフラから,鉱山で使われるコンベヤや粉砕機等の大規模システムに至るまで,種々の用途に適用されている。
しかし,電力変換装置の普及が進む1990年代前半頃ま
1.はじめに
本稿では電力変換装置における高周波帯域のEMC対策技術として,アプリケーション別に特徴と対策技術を示す。2章では電力変換装置全般における対策技術に関し,理論解析技術と製品適用済みの対策技術を示す。3章から5章では,空調機,鉄道,半導体IPM(Intelligent Power
1.はじめに
従来,製品開発ではEMC規格適合のために設計後の事後対策が広く行われてきた。ところが一般的には開発後期になるほど適用可能な技術が少なくなる上に対策コストが必要となる。そのため開発初期段階でノイズ性能をつくりこむ「フロントローディング設計」の重要性が謳われて久
1.はじめに
電力変換装置における伝導ノイズのモデリングとシミュレーションは,その経路や低減方法等を検討する上で非常に有効な手段である。そこで本稿では,2章で半導体パワーデバイスのモデリング手法,3章ではノイズ経路のインピーダンス特性を用いたモデリング,4章では漏れ電流
1.はじめに
次世代パワーデバイスの本格的な実用に向け,SiC/GaNは,普及拡大に向けた動きが加速している。
その過程で,高速スイッチングおよび高周波駆動を特徴とするゆえ,これを搭載する電力変換装置のEMIノイズ課題が顕在化している。このため,業界でさまざまな取り
1.はじめに─国内における洋上風力の展望─
洋上風力エネルギーは国産エネルギーであり,エネルギー安全保障にも寄与することが期待される一方で,エネルギー供給の安定性,技術的成立性,コストの課題があり本格的に開発に取り組むまで時間がかかった。2000年頃には,石油・天然ガスの生産が減り始める2030年頃に利
1.はじめに
中山間地などの集落において地震等の災害が発生した場合に孤立化する可能性がある集落は,全国で1万7千か所あるとされている(1)。そのような道路が寸断されている孤立集落に支援物資の運搬をすることは,困難となる。そこで力を発揮するのがヘリコプターやドローンなどによる配
1.はじめに
近年,自動車を取り巻く環境は急激な変革期を迎えており,“CASE”をキーワードに新たな時代へと変貌が進む。“CASE”とは,今後変革が進むといわれているConnected(コネクテッド),Autonomous(自動化),Shared(シェア),Electric(電動化)の4領域からそれぞれ頭文字を
1.はじめに
高電圧試験標準特別委員会では,従来からの測定方法(低周波領域の測定)を基本とした,部分放電測定に関するJEC-0401規格を改定したので,その概要を紹介する。
2.趣旨
今回の改正においては,アナログ測定技術を含めたディジタル測定・評価技術の適用を視野に入れ,最新IEC規