ひと昔半ばかり前,理工系の学部や専門学校の教員たちは嘆き合っていたものだ。
──〈基礎学力〉に欠けた新入生が増えてきて,授業がなかなか進まない──
たまたま同時期(2007年)に文部科学省
我が国では,2020年10月に菅義偉首相(当時)が,2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。これを受けて,2021年6月に改正された地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律において,2050年カーボンニュートラルの基本理念が法定化さ
1.はじめに
2020年10月に菅首相(当時)は,2050年までにカーボンニュートラル(以下,CN)を目指すと宣言した。これは1.5℃未満の気温上昇に抑制するシナリオと整合性があるとされる目標である。2021年10月には,エネルギー基本計画,地球温暖化対策計画,パリ協定に基づく成長戦略
1.はじめに
IEEJ-NEモデルは高時間解像度を特徴とする線形計画法によるエネルギーシステムモデルである。東京大学藤井・小宮山研究室のモデルをベースとし,(一財)日本エネルギー経済研究所客員研究員である横浜国立大学・大槻貴司准教授ほか,同研究所の研究員らが構築を行っている。
1.はじめに
アジア太平洋統合評価モデル(Asia-Pacific Integrated Model,AIMモデル)は,1990年より(国研)国立環境研究所(以下,NIES)が,京都大学,みずほリサーチ&テクノロジーズ(株)など共同研究機関とともに開発してきた統合評価モデルである。『AIMモデル』と称しているが単
1.はじめに
将来の再生可能エネルギー(再エネ)主力電源化に向けて,再エネの導入量,その他の電源の構成についての議論が進んでいる。2020年までは温暖化効果ガス排出量の80%削減の議論がなされていた(1)~(4)が,特に2020年10月に菅義偉首相(当時)の所信表明演説にてカーボンニュー
1.はじめに
2050年カーボンニュートラルの検討のためには,一次エネルギー,エネルギー変換,エネルギー利用を含むエネルギーシステムの検討が必要になる。さらに,変動性再生可能エネルギーの大量導入および地方偏在が想定されるため,時間単位の電力需給の考慮やエネルギー輸送の検討な
1.はじめに
大気中のCO2濃度は,産業革命前に比べて1.5倍にまで増えつつある。この急激なCO2の増加は,気温上昇だけではなく,海水温の上昇など,全地球システムに影響を与えている。地球システムは複雑なバランスの上で釣り合っているが,近年の急激なCO2の増加は,この地球上
1.はじめに
CO2を含む混合ガスからのCO2除去は,古くから天然ガス産業等で実施されており,CO2を多く含む天然ガスは,パイプラインへ導入するためにCO2が除去されている。一方,化学プロセスを使用して直接空気からCO2を分離回収するDACシステムは,現状技術では極めて高コ
1.はじめに
本誌の2022年9月号学生のページ(1)にて,『Power Grid:Recharged(和名:電力会社 充電完了!)』(以下,『Power Grid』)というボードゲーム(2)を取り上げた。このボードゲームは電力システム黎明期の電力網の陣取り競争を舞台としたゲームであり,プレイヤーは発電所の選定
1.はじめに
持続可能な社会の実現のため,今を生きる我々は地球環境を維持し,次の世代に引き継ぐ責務がある。しかし,かけがえの無い地球環境は,産業革命以後の化石燃料を使用した人間の社会活動による二酸化炭素(CO2:Carbon dioxide)を主とする温室効果ガス(GHG:Green House