職業としての研究は,最終的に何らかの価値を生み出すものでなくてはならない。よく使われる論理は,社会にはさまざまな形でニーズや課題があり,それを解決することで価値を生み出すことができるとするものである。この考え方はきわめて重要であり,これまで数々の成果を上げて
1.はじめに
我が国では,第6次エネルギー基本計画(2021年10月)において2050年カーボンニュートラルの目標が示され,再生可能エネルギー(再エネ)の主力電源化がその柱の一つに掲げられた。また,産・学・官が一体となって化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネル
1.はじめに
再エネ主力電源化については,各種技術的な課題はあるものの,日本のエネルギー供給の一翼を担う長期安定的な主力電源として持続可能なものとなるよう,円滑な大量導入に向けた取り組みが積極的に進められている。このなかでも,太陽光や風力などの自然変動電源を取り扱うことか
1.はじめに
太陽光発電(以下,PV)が大量に導入された電力系統において,電力会社は翌日から数日先の予測結果から当日の発電計画を作成し,火力発電や揚水発電などを計画的に運用することで,PVの出力変動と電力需要に対応してきた。しかしながら,天気予報と同様に予測が外れる場合が
1.はじめに
今日では,天気予報の基となる未来の大気の状態の予測には,数値予報モデルが用いられている。その原型は,今からほぼ100年前に,リチャードソンがその手法を提示した上で実際に手計算により解を求めた数値計算にまで遡ることができる(1)。当時は,まだコンピュータが無かった
1.はじめに
我が国では2050年までのカーボンニュートラルの達成に向け,太陽光発電(PV)や風力発電などの再生可能エネルギー(再エネ)の主力電源化が進められている。再エネは天候の変化により,その出力が変動する性質を持つ。電力の需要と供給のバランスを取るためには,この出力変
1.はじめに
電力系統の動揺不安定性は,連系する同期発電機が電力機器や送電線の予期せぬ擾乱により同期運転を喪失する現象である(1)。この現象は,2003年のイタリア大停電などの広域停電の発生メカニズムの一端と見なされる(2)。この現象の解析は多く研究されているが,薄ら(3)は,ある3
1.はじめに
放送や無線通信などの無線アプリケーションの発展とともに,それを妨害し受信障害を発生させる電磁ノイズ(Electro Magnetic Interference:EMI)を対策するための測定手法も発展を遂げている。また,近年さらに進んでいる電子機器の複雑化・低消費電力化や,パワーデバイス
1.電力供給の現実と新たな取組み
現在,エネルギーを取り巻く環境が世界規模で変化し,再生可能エネルギーに注目が集まっている。さらに,日本のエネルギー自給率は12.1%と低く,海外からの輸入資源に頼っている現実がある(1)。安定した電力供給を実現するためには,我が国もエネルギー自給率を向上させること