これまで「五冠」と尊称されていた青年棋士・藤井聡太九段は去る3月半ば,さらなる偉業を達成して20歳という若さで「藤井六冠」になった。栃木県日光市で戦った第48期「棋王戦」五番勝負の第4局で,渡辺
1.はじめに
日本では戦後の急速な経済発展に伴い,インフラ整備が一気に進んだ。また,アメリカではそれよりも早く世界恐慌後の経済発展に伴いインフラ整備が急速に進んだ。そのため,日本より早くからインフラ設備の老朽化による事故が多く発生してきた。日本でも近年ではインフラの老朽化
1.はじめに
高度成長時に多くの道路,橋梁,港湾施設などが建設されたが,すでに半世紀を過ぎているものが多く,これらの社会インフラの老朽化が大きな社会問題となっている。このため,近年インフラ構造物の維持管理・更新の重要性の意識が高まってきている。構造物としての多くは,コン
1.はじめに
低炭素社会の実現に向けた取り組みとして,再生可能エネルギーの一つである地熱発電が注目されている(1)。一方,地熱発電に使用される温泉水には二酸化ケイ素などの鉱物が含まれており,これらの成分は固形として鋼管内部に付着する。この固形物は「温泉スケール」と呼ばれる。
1.はじめに
海底送水管は離島への生活用水の給水手段として重要な役割を担っている。海底送水管の新設,更新のための埋設技術は安全性を常に確保する必要がある。海底送水管の寿命は長いもので100年以上使用可能な設計になっている。しかし,現在では海中環境による腐食,損傷などが原因で
1.はじめに
現在,再生可能エネルギーの導入量拡大に伴う電力需給バランス維持のため,火力発電による調整力の一層の確保と信頼性・運用性向上が求められている。このような背景から,2020年度より,中国電力(株)を中心に2企業4大学が参画し,NEDO((国研)新エネルギー・産業技術総合
1.概要
石油タンク底板には,主にガラスフレーク含有樹脂系塗膜が施工されているが,膜厚1,000 μm程度と厚く経年的な劣化進行や防食性能を定量的に把握することは難しい。電気化学インピーダンス法は,従来,比較的薄膜の塗膜下腐食や膨れの発生等の評価(1)~(3)に用いられているが,塗
1.はじめに
電磁波は媒質の比誘電率によって媒質中の伝搬速度が定まる。媒質中の電磁波の速度は,真空中の光の速度を媒質の比誘電率の平方根で割ったものとなる。すなわち伝搬時間を利用すれば媒質の平均的比誘電率の値を求めることができる。また,電磁波は異なる電気定数(比誘電率,比透
1.はじめに
近年,再生可能エネルギーの活用や電気エネルギーを動力としたハイブリッド電気自動車の拡大など,市場における電気機器の用途は増加している。使用される電気機器には,高効率化,小型化が求められており,構成部材に対しても高効率化,小型化を実現するためのパフォーマンスが
1.はじめに
持続可能な社会の実現に向けてカーボンニュートラル化を推進するための取り組みが各国で進められている。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー(Renewable Energy:RE)や電気自動車(Electric Vehicle:EV)は,今後さらに普及すると予想されている(1)。REは発電が不
1.はじめに
「2年間,南フランスのモンペリエで研究していました。綺麗なところでした。ご飯も美味しかったです。」フランス留学について問われると大抵はこのような表面的な話で終わるが,私にとってフランスで過ごした2年間は人生の転機であり,とても本稿で語り尽くすことはできない。学部4
1.はじめに
高電圧試験標準特別委員会では,高電圧試験に関する基本規格を再編しJEC-0203及びJEC-0204を制定したのでその概要を紹介する。
2.改正の趣旨と経緯
高電圧試験に関する基本規格として,従来はJEC-0201-1988(交流電圧絶縁試験),JEC-0202-1994(インパル