『1年の計は元旦にあり』…由来は平賀源内? アスリートらの大活躍や,自然災害および政治・経済の混迷など,さまざまな出来事に明け暮れた2024年も終わり,新しい年の幕が開けた。昔から「1年の計は元旦にあり」というが,これは「何事も始めが肝心」という戒めである。
1.75年ぶりの新線開業
芳賀・宇都宮LRT「ライトライン」が2023年8月26日に開業した。新設の路面電車(公道上を併用軌道で走行する電車)は1948年開業の旧富山地方鉄道伏木線(のちの旧加越能
1.背景
地球温暖化対策技術は普及することが必要であり,普及には経済性が求められる。脱炭素電源の再生可能エネルギー(以下,再エネ)の主力電源化も経済性が求められる。しかし,主力の太陽光発電(以下,PV)や風力発電といった再エネは需要に合わせた発電が難しく,主力電源
1.はじめに
近年,電力系統では,変動性再生可能エネルギー(以下,再エネ)由来電力の導入拡大に伴う日中の天候変化による急激な出力変動や,再エネ由来余剰電力の出力制御の克服・解決が喫緊の課題となっている。また,インバータ電源である再エネが日中の電力供給の大半を占めることに
1.はじめに
カーボンニュートラル社会の実現に向け,天候に左右されやすい再生可能エネルギーの需給調整用として「蓄エネルギー技術の開発・社会実装」が課題となっている。今後,日本の年間電力量約10億MWhの大半が再生可能エネルギー由来となると,蓄電池などの小規模設備のみでは
1.はじめに
地球規模での気候変動が顕在化するなか,エネルギー供給と消費の在り方は大きな転換期を迎えている。多くの国々が温室効果ガス排出の削減を目指し,再生可能エネルギーの普及を推進している。特に先進国を中心に再生可能エネルギーによる発電量は急増しており,日本国内でも固
1.化学蓄熱の研究動向
カーボンニュートラルの実現には再生可能エネルギーの大規模導入が必要不可欠である。太陽光や風力発電は日射量,風況に発電量が左右される不安定な出力特性を有し,夜間に発電ができず,逆に日中は余剰電力が生まれるといった需要と供給のミスマッチが発生する。従って,大規
1.はじめに
蓄熱発電(カルノーバッテリー)は,再生可能エネルギー(再エネ)由来の電力の余剰あるいは変動が大きく使用困難な部分を熱に変換,蓄熱システムに貯蔵し,電力需要の大きい時間帯に貯蔵した熱を熱源として熱機関を使って発電する“Power-Heat-Power”の蓄エネルギー技術
1.はじめに
近年,再生可能エネルギーの利用が進み,脱炭素社会実現に向けた動きが加速している。太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを活用する発電の場合,常に一定のエネルギーが得られるわけではなく,余剰電力が発生している時間帯がある。そこで,エネルギーを何らかの形で蓄え
1.はじめに
サーキュラーエコノミー(以下,CE)とは,製品やサービスのライフサイクル全体において資源を可能な限り循環させ,新たな資源の投入と廃棄を抑制する経済モデルである。これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした線形経済は,資源・環境両面に対して負荷が大きく,い
1.はじめに
量子ビット制御回路は量子ビットが格納される冷凍機の内部で動作し,その温度は4 K(-269.15℃)の極低温である。量子ビット制御のための精度の高い回路設計には,極低温での動作特性を再現するトランジスタ・モデルが必要となる。室温以下の温度領域でのトランジスタ特性はこ
筆者は,私事旅行で2023年10月にシカゴを訪ねたことを機に,シカゴが電気事業の黎明・変遷に深く関わったことを記事としてまとめ,電気学会社会連携委員会のウェブサイト(1)に投稿した。そこでは,シカゴが電気事業において,常に時代の先頭を走ってきていること,シカゴ市と姉
1.はじめに
2015年9月の国際連合総会で満場一致にて採択された持続可能な開発のための2030アジェンダには,「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」と呼ばれる17種類のゴールが明記されている。SDGsは2001年策定の「ミレニアム開発目標(Millennium Devel