1.はじめに
このたび,会員の皆様のご推挙により,電気学会の第112代会長を拝命しました。これより,1年間,会員の皆様とともに電気学会のますますの発展のため尽力する所存ですので,会員の皆様にはご支援,ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
1.はじめに
東日本大震災を契機に,一般的に日本の基準周波数は東日本(東地域)が50 Hz,西日本(中西地域)が60 Hzと認識されるようになったものの(1),実は50 Hz地域のなかに60 Hzの地域があったり,その逆の地域もあること,また,50 Hz,60 Hz両方の電力を供給する発電所が民間
1.はじめに
特集1にて日本国内における電流戦争,50 Hz,60 Hzの基準周波数の由来について述べた。本稿では北海道地区における基準周波数の由来について説明する。現在の北海道地区の基準周波数は周知の通り50 Hzであるものの,一部の地域では60 Hzの基準周波数となっている。この
1.はじめに
1964年10月に開業した東海道新幹線は,東京~新大阪間を営業区間としている。東海道新幹線では,交流25 kVの標準電圧で列車に単相の電力を供給する交流き電システムを採用しており,一般送配電系統から受電した三相電力を二組の単相電力に変換するスコット結線変圧器を使用し
1.50 Hz,60 Hzが混在する「青海工場」
デンカ(株)(以下,デンカ)の青海工場(図1)は,新潟県の西端,糸魚川市に位置する(図2)。その創設は,1921年に遡り,黒姫山から採掘される石灰石と自家用発電所の電力など豊富な自社資源を生かしたカーバイド・石灰窒素の製造からスタートした。その後も独自のカーバ
1.二つの系統周波数の併存と需要側対応のまとめ
ここまでの特集記事では,日本において二つの周波数帯が併存することとなった歴史的経緯についてIEEJプロフェッショナルの石田隆張氏に解説いただき,2件目の記事では,同じく石田氏に北海道内の周波数統合の経緯と,最後に残った60 Hz系統を持つ王子製紙(株)の事例を解
1.はじめに
電力インフラ設備を取り巻く環境は,激甚化する自然災害等への対応(レジリエンスの向上)や新しい託送料金制度の導入(レベニューキャップ制度),気候変動問題の解決(カーボンニュートラル)など,間断なく変化している。このような状況のなか,電力インフラ事業者は,安定
2024年9月4日に大阪公立大学I-siteなんばで開催されたB部門とC部門のコラボシンポジウム「AIが変えるでんきの世界!?」にパネリストとして参加し,フロアから「電気のようにAIが当たり前になる未来が来るか?」や「AIに電気の研究者の仕事が奪われたりはしないか?」な
1.はじめに
2024年1月20日,(国研)宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型月着陸実証機「SLIM」が日本初の月面着陸に成功した。SLIMという名称は「Smart Lander for Investigating Moon」を意味しており(1),小型の探査機による月への高精度着陸技術の実証と,従来よりも軽量な月惑星探査