私の大学時代の専門は機械工学だった。学生時代,電磁気学は抽象的で実感を持ちにくい学問だと感じていた。対照的に,目に見える機械の構造を研究することに魅力を感じて機械工学を選んだのだが,まさかその私が電気学会誌に寄稿させていただくことになるとは想像もしなかった。
1.はじめに
低炭素社会実現に向け,電気自動車が普及拡大している(1)。電気自動車は,ロータ内部に永久磁石を備えた磁石埋込式同期モータが広く用いられ(2),永久磁石の磁束を生かした高いトルク密度が特徴である。一方,広い速度範囲で用いられる電気自動車用モータでは,永久磁石の固定磁
1.はじめに
自動車駆動用モータでは,高効率・高出力密度化の観点から永久磁石同期モータ(Permanent Magnet Synchronous Motor:PMSM)が広く用いられている。永久磁石モータでは最大効率は他のモータ方式に比べて高いが,一方で磁石磁束が一定であるために低負荷域や高速領域では
1.はじめに
電気自動車には,ロータ内部に永久磁石を備えた磁石埋込型同期モータが広く用いられてきた(1)(2)。永久磁石の磁束を活用することで,高いトルク密度を実現できる。一方,永久磁石が作る固定の磁束は,高速域で多くの弱め電流を要し,高速運転時に効率が低下する課題があった。そ
1.はじめに
電気自動車(EV)などの駆動源として用いられる永久磁石同期モータ(Permanent Magnet Synchronous Motor:PMSM)は,高トルク密度と高効率を兼ね備えたモータとして広く利用されている。EV 用途では,発進・登坂における低速高トルク運転領域から,高速走行時の高速低
1.はじめに
永久磁石(Permanent Magnet:PM)モータは,高トルク・高出力を要求される用途に幅広く使われている。一方,PMの磁束は一定であるため,高速回転時において,電圧飽和による運転範囲の制約や,鉄損の増加,弱め電流による銅損のため,効率悪化が懸念される。そこで,広範
1.はじめに
巻線界磁フラックススイッチングモータ(Wound Field Flux Switching Motor:WFFSM)(1)〜(3)は,界磁巻線を固定子側に配置するためスリップリングやブラシが不要であり,同様の構造を持つスイッチトリラクタンスモータ(Switched Reluctance Motor:SRM)と異なり電機子電
1.はじめに
リニアモータは運動変換機構を用いることなく直線運動を直接得ることができるため,ダイレクトドライブによる直動システムにおいて,高速運転,高加減速運転,高精度位置決めを可能とする。さらに,信頼性やレイアウトの自由度が高い,メンテナンスフリーなどといった特長も有し
1.はじめに
昨今,半導体技術の進展による低消費電力マイコン・各種センサの登場により,さまざまな箇所で産業用センサモニタリング(Industrial Internet of Things:IIoT)の普及が進んでいる。それらの用途においては,従来から各種電池を用いた電源供給によって駆動するものが多く用いられ
1.はじめに
我が国の平均寿命は, 男性81.09歳,女性87.14歳(2023年)と年々延びており,男女ともに世界最高水準に達している(1)。2040年には100歳以上の人口が26万人を超えると予想され,人生100年時代の到来が世界に先駆けて間近に迫っている(2)。少子高齢化を迎えた現在,健康寿
1.はじめに
現代社会において電力は,鉄道,通信,医療など,あらゆる分野において人々の生活や経済活動を支える基盤である。私たちの暮らしは日常的に意識することなく電力の恩恵を受けており,その安定供給がなければ社会インフラの多くが機能不全に陥ることは明白である。日本では発電に