電力システムの構成•運用状況の時代的推移とともに系統安定度の劣化を懸念させる新しい系統現象の予見,現象メカニズムの解明,安定度劣化に及ぼす現象の影響力など,解明の待たれる課題は多々あるが,いずれも極めて難問であり,特に安定度向上対策については,従来とは異なる発想が待望される所以である。安定度問題の核心に迫る模索の有様を図7に示した。このように,物理,数学,確率統計,ハードウェア分進歩,さては発見的アプローチを師と仰ぐェキスパートシステム指向のアプローチも将来の一つの行き方であろう。
更に,超電導技術や多重高速演算技術を積極的に導入した新しい安定度向上対策については,これまでのような先進諸外国にも例が少なく,日本のこの分野の総力をあげて,その適用性の正しい評価とこれに基づく研究開発を進めることが重要となる。
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