以上本稿をまとめると次のように要約できる。
(1) 分業化が,物および情報の停滞と分離という欠点をもたらした。
(2) そのうちの「物の停滞」や「物と物の分離」に対する対策はフォードシステムなどによってかなり行われてきた。
(3) しかし「情報の停滞」や「情報の分離」,「物と情報の分離」に対する対策はまだまだ不十分である。
(4) 多品種化が進んでいくと物はいつも同じ形式で流れてはいかない。そこで情報と物の一致化が難しくなる。このような場合,情報ネットワークが有効となる。
(5) 流れている情報は,つなぎ方とか送受信の手間,送受信の時間についての対策を考えていけばよい。
(6) 物は淀みなく流すようにしていった方がいい。しかし情報には保管や蓄積をしなければならないものがある。
(7) 保管や蓄積された情報を再度情報の流れへ,スムーズに乗せる方法を工夫していかなければならない。
(8) (7)を行う上では意思決定時間の短縮化が重要であろう。
(9) トータルFA工場化は管理の集中化ということに通ずる。
(10) トータルFA工場化によって,ガラス張り化やズーミング的な効果などをもたらし,独創的な経営戦略を創出するヒントを与え,かつその実行を可能にしてくれることも期待できる。
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