内容硬概と共に本講演の結論を述べる。
本講演は研究したる結果の發表ではなく、送電問題に關し歐米旅行中視察して感じたことを紹介するのみである。
米國のことは巳に度々詳しい報告があつたから只最近の注目すべきな送電問題の例として超電力帶の大要を説明する、然し之は只計畫せられたのみで實行の緒にも就て居らぬ、(第一圖)来國では十五萬ヴオルト迄の相當長い經驗を有つて居る。
佛國、佛國の送電問題は鐵道電化と戰時荒廢地方恢復の爲めとの二つ目的から起つた、電力線圖は第二圖に示すが如きものであるが未だ十萬ヴオルト以上のものは實際に送電せられて居らぬ只計畫のみである。
瑞典、第三圖の如き十三萬ヴオルトの送電線が計畫せられ中部と南部との水力の連絡が企てられてあるが未だ十萬ヴオルト以上の實例はない。
獨逸國、伯林近傍(第五圖)に十一萬ヴオルトの送電綱があり、バイエルン地方(第四圖)には同じ電壓の大きな計畫があつて相當に經驗がある。
瑞西國には第六圖の如き十二萬ヴオルトの送電網が計畫せられてゐるが未だ十萬ヴオルト以上の經驗はない。
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