自分は大正九年三月より大正十一年三月に至る二ヶ年間歐米諸國に滯在し其間視察見聞したる重なる事項な以下簡單に記述するつもりである。世界に於ける無線電信電話は最近數年間に著しき進歩な遂げ、送信に於けろ持續電波の使用と受倍に於ける眞空管の應用とは相伴つて其通信距離を著しく擴大し今や歐米各國相爭ふて世界各地と直接通信すべき無線電信中央局の建設な企圖しつゝある状態であり、又一方、無線通信特に無線電話は近來極めて急激に民衆化せられ、北米合衆國に於けるAmateur Radioは實に盛大になつてゐるのであろ。
以下、下記の事項に就いて述べる。
(1) 英國に於けるImperial Wireless Tclegraphy Committeeに就いて
(2) 巴里無線電信中央局
(3) 佛國に於ける其他の大動力局
(4) 獨國Nauen局及びKoenigswusterhacscn局
(5) 紐育無線電信中央局
(6) 米國に於けるAmateur Radio
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