A. J. Wurtz氏によつて發見せられた無焔金屬なるものが果して存在するか、若し眞に存在すうならば其れば如何なる性質に因つて無焔性を呈するのか、こいふ疑問を解決せんこして、東北大學で行はれた研究の第一報告である。
中島昌夫、中島初敏、而學士は空氣中及び石炭面斯中で交流金屬弧光を點じて、ヴオルトアンペア曲線な取つた、而して小電流の時に銅こ亞鉛こが或ろ程度の性質の差異を示すけれごも、大電流では亞鉛が銅に比して特別に無焔生であろこ云ふ程の差を示さぬここを認めた、Wurtz氏の無焔金屬に實は弧光を作り難者金屬に非ずして、反つて弧光を生じ易い金屬で、stable arcing metalsのここであろらしい。
著者等は更らに進んで瞬時的現象の觀察を爲さんこし、オスシログラフに依る研究を行つた、そうして金屬弧光には放電に二種の異る「相」が現にれろ事、及び銅では最も現はれ易く、亞鉛に比してその程度に大差あるここを見こゞけた。
以上の諸結果は何れも無焔金屬の疑間を氷解すゐに足るものではなかつた、依つて此の上は更に別の方面から研究する事が必要であろこ述べて,無焔性に關係して考慮せらるべき多くの事項を列擧してある。
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