電氣學會雜誌
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46 巻, 457 号
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  • 江副 孫右衞門
    1926 年 46 巻 457 号 p. 827-852
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    送電線用特別高壓碍子につき其發達の經過より劣化の諸原因と其改良策の大要を述べ同時に磁器の特性と碍子試驗法につき述べたるものなり。
  • 西 健, 池田 敬三
    1926 年 46 巻 457 号 p. 853-871
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    交番電界に於ける沿面放電現象は、誘電膿表面の電荷蓄積を伴ふものて交番電壓の半周期毎に電荷の中和及蓄積が繰返されう、蓄積した電荷が次の半周期まで殘留して電荷の中和の行はれる際に減幅電氣振動を發生す。此状況を等価回路で代表すればよく了解ができる。此減幅振動の周波數は無線周波數の範圍で所謂短波長の程度らしい、從つて普通のオツシログラフは此現象の研究には不適當で各種の方法を試みて研究した結果此減幅振動は電極間の静電容量を含む極部回路にも又變壓器捲線にも起りその電流最大値は以外に大いが減幅も大きいので實效値は小さい事がわかつた。その特徴は單方向を有することで之は沿面コロナを發生する電極が(一)なる半周波間に於てのみ振動が發生されることに歸する。
    高壓絶縁試驗で回路の何處かに沿面放電が發生しそれに依つて高周波振動が起り交番電壓に重疊する結果、電氣機器、電纜等の耐壓試驗、絶縁材料の絶縁耐力試驗等に於ては絶縁物は所期以上の電氣的ストレフスを受ける虞がある。又電壓測定用の球状火花間隙は沿面放電無き場合に比し外見上低き電計の指示で放電する。高壓碍子絶縁套管等の閃絡試驗に於ては沿面コロナに伴ふ高周波振動の強弱によりて閃絡電壓の値が異つて來る虞がある。
    之を要するに高壓縁縁試驗に於ては沿面コロナの影響を愼重に考慮する必要がある。
  • 押田 三郎
    1926 年 46 巻 457 号 p. 872-884
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    1876年に電話が發明せられて今年は丁度五十年である。長距離電話の技術も其間に進歩したのであるが、特に最近十年間に異常なる發明をなし、今や各國に於て競ふて長距離ケーブルを建設して居る。
    斯の如き發きの基は實に電話中繼器の完成によるりである。通話距離が長くなり通話電力が大となると色々の點に意しなければならぬ。回路内の不平衝に對する制限、負荷の方法及程度、中繼器の型式、波形の歪、温度變化の影響、反響、過度現象、漏話及ケーブル工法等技術上の問題が多々ある。
    我國では東京岡山間のケーブルを下工事中であつて大正十八年には完成する豫定である。
    又單線式電氣鐵道による電饋問題及特高電力線による誘導問題等電力に從事せらるゝ工技術者の協力に挨たなければならぬ事もあるが之は別の機會に譲る。
  • 岡本 赳
    1926 年 46 巻 457 号 p. 885-898
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    論文に於ては主として軟鋼の衝頭熔接に關し實驗によりて得た結果より實際作業に當り注意すべき點及良結果を得る爲めに必要なる條件等を記述せるものである。先づ電流並に接合面の兩側間及びクランブと棒との間の電壓のオシログラムを撮り、其振幅により接合面に現はれる電壓は他の電壓に比して比較的に小であつて、接合面が熔融するに從ひかなり急速に減少するものであることを知る。之に反しクランブと棒との間の電壓は其値大にして殆ど不變である、そして此電壓の値は棒の表面の状態によること大にして錆の附着せる程度により大に異るものであるから、熔接に當りては錆のなるぺく附着せぬ樣注意すべきである。接合面に現はれる電壓は想像以上に小で普通1ポルト以下でそれも直に減小するものであるから、電力即發生熱力も比較的小で、熔接部の温度を上昇し熔融せしむるに必要な熱量は寧ろ接合面に生ずるにあらずして、金屬其物の抵抗が増加し、抵抗の増加による熱の發生は温度上昇せしめ、之が又更に抵抗を増加し、斯の如き抵抗の増加は加速度的に温度の上昇を伴ひ之によりて熔接の目的を達するものであつて、從つて抵抗率並に温度係數の小なる銅等は自然熔接困難となる。次に種々の徑の軟銅棒を種々の時間に熔接し、之によりて熔接時間と所要電力との關係を種々の徑の棒に就いて求め、夫々曲線を以て表はした。電力を減ずれば時間を多く要するのみならず又エネルギーを用することも多く何れにしても不經濟である。此等の種々の時間にて熔接せるものを試驗機にて切斷して見るに徑の大小により多少其趣を異にするも大體に就て時間の長き方が抗張力小にして其結果が又不揃である。此點により考察するも熔接時間は短きを可とす。次にスプリングの機械的壓力が熔接時間及抗張力に及す影響を見る爲め、電力を一定に保ち、壓力を色々に變へて熔接せるに、時間は殆ど變らず、抗張力に於ては壓力大なるものが成績良好なることを見出せり。又此等の切斷せし其面の周邊に浴ふて酸化せることを見出す、そして此酸化の程度は熔接時間長く其上スプリングの壓力の小なる場合に大であつて、斯の如き熔接は不完全なることが分る。一般に熔接に於て熔接部の諸性質を研究する爲には各部の最高温度並に其温度の變化する模樣を知る必要があるので、實際の測定によつて之を求むることは困難であるにより,計算により之を算出し曲線を以つて表はして置いた。
  • 安藤 博
    1926 年 46 巻 457 号 p. 899-907
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    五十メートル以下の如き極短波長に於ては、之を眞空球増幅裝置に依て増幅し感度極めて鋭敏なる受信裝置を得んとするも、眞空球電極間の電氣容量が重大なる惡影響を及ぼすに至り、該眞空球は著しき自勵發振の傾向を生じ、而も増幅能が漸減するのみならず、其他種々の困難のために、從來斯かる極短波長の有効なる増幅は不可能として殆んど顧みられず、唯一の増幅法としては再生式増幅、即ち檢波用眞空球に再生結合を施したるもの及其の種々の改良形例へば超再生式等が使用せられたのであつた。
    筆者は數年前から眞空球を利用する短波長に於ける同調型高周波増幅方式の研究に從事し、現今放送無線電話受信機に使用されて珍重せられてゐる一種の方式即ち眞空球電極間の靜電聯結防止方式を考案したが、今や更に右考案を擴張、改良して100-300米程度の普通短波長に用ひても、單なる所謂ニユートロダイン方式よりも能率よく、更に極短波畏に於ては最もよく其の特長を發輝し、極めて安定にして増幅能大なる同調型高周波増幅器を考案し之を實驗したので、其の概要を報告してある。
    本裝置は之を一言にして言へば、高周波勢力を中繼する眞空球の電極間の電氣容量が、入力回路と出力回路との間に二個以上の複數に於て電氣的に直列に配置せられ、その直列に配置されたる數に反比例して電極間の靜電聯結が減少せらるる方式に於て上記眞空球に接續又は聯結せられたる各回路中の高周波勢力の位相關係を利用し、眞空球電極間の靜電聯結に關連して中繼せられたる電氣勢力の入力回路に轉位を生ずる傾向な此の轉移に對し之と同一量又は近似量にして、且つ反對之は之に近き位相に於ける高周波勢力轉移を行はしめ若くは行はるる如く構成し、上記の限度以上に一屬聯結を小又は零ならしむる如き眞空球電極間靜電聯結減少又は防止方式及之を利用する無線電信電話極短波長用同調型増幅器である。
    本研究の詳細なる點の未だ研究の途にあるもの多く茲に發表を許されざるものあるを遺憾とする。
  • 石山 龍雄
    1926 年 46 巻 457 号 p. 908-935
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    直流發電機、回轉變流機並に水銀整流器の直流電壓及電流波形に存する、振幅の不整が通信回路に接續せられてゐる、音響に關する器具に障害を與ふることは屡々耳にすることである。此の振幅不整の顯著なるものは、(i) 直流發電機、回轉變流機の溝高調波及整流子高周波(ii) 回轉變流機の供給交流電源の周波數の六倍の高調波(iii) 水銀整流器にありては、供給交流電源の周波數のn,2n,3n倍の高調波(但しnは正極の數)である。斯くの如き振幅不整を平滑にし、高周波を吸收する爲め、靜電容量と塞流線輸とを直列にして、機器の直流端末に接續する、所謂、共振分路濾波器の應用は古くより論ぜられた。此の共振分路は通信回路中の誘導的干渉を阻止するには充分であるけれども、近時異常に發達せる無線通信に使用する、眞空管のブレート回路又は殊に纎條同路に直接に接續する直流發電機並びに自働式又は共電式電話交換の電源に使用する直流發電機の場合の如く、直流電壓波形の振幅不整に由る直接障害を防ぐには不充分である。著者は本篇に於て種々の濾波器の性質を解析的に調査し、特に接障害を防ぐに有効なる濾波器の設計方法を研究した。其の結果斯くの如き濾波器の分路蓄電器としてAluminium Cellの靜電容量を利用するの適當なことを知つた。尚此の濾波器の設計を豫め爲すに便利なる簡易公式を見出し、之に由りて作れる濾波器の實驗の結果をオツシログラムに依りて説明してある。
  • 望月 重雄
    1926 年 46 巻 457 号 p. 936-944
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    交流及び減衰振動放電による、沿面放電の時間的經過を究めんとして、筆者は、廻轉電極上に捲かれたる、コダツク•フイルム上に放電せしめ、そのLichtenberg's figureに就いて、實驗的考察を試みて居る。
    減衰振動放電による沿面プラツシユは、その最初の半波に於て生じたるチヤージが、次の半波に於て起る放電形に、多大の影響を與へる事を、實驗的に看察して居る。
    猶ほ、かかる装置により得たる沿面ブラツシユは、それに加ふる電源の、簡單なる一つのオツシログラムと見做さるる事を、提言せんとするものである。
    最後に、此の實驗に用ひたる減衰振動放電の周波數は、廻轉鏡による測定の結果、その最小値が約1.1×105サイクル/秒なることを示してゐる。
  • 山本 勇, 森田 清
    1926 年 46 巻 457 号 p. 945-959
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    ブラウン管波形圖を時間に關する直交軸にて描かしむるには時間軸として正しく鋸齒状に變化する電壓を使用しなければならぬ。換言すれば時間軸として用ふべき電壓は時間に對して直線的に變化することを要する。筆者等は二個のケノトロンを使用する全波整流回路の一部に挿入せられたる變壓器の二次側に誘發する電壓を上述の時間軸としてブラウン管の一對の偏向電極間に加べ、他の一對の電亞間に時間軸電壓の偶數倍の基本周波數を有する任意波形の電壓を加ふることにより其波形を大豊に於て直交軸を以て表はし得つることを確めた。
    理想的の時間軸電壓を得るには、變壓器一次側に流るる脈互電流は抛物線的に變化し且つ變壓器は理論的の特性を有する必要あるも、實際に於ては以上の條件は正しく滿足せられざるにより、鋸齒状に變化する二次電壓を得ることが出來ない。併し乍ら、波形を觀察すべき電壓の基本周波數と時間軸電壓の周波數との比が適當に大である場合には、時間軸電壓の直線傾斜部分に來る。重疊波を觀察することにより大體吾人の目的を達することが出來る。
    本論文に於ては先づ二次鋸齒状電壓の波形が回路定數のために如何に影響せらるるかを普通のブラウン管波 圖によりて觀察し(Fig. P-1よりFig. P-16)、次に斯くの如き鋸齒状電壓を時間軸として使用し、Microphone Hammer, Molti-Vibrateur三極眞空管回路に於ける減衰振動電流の波形等の直交軸圖形をブラウン管によりて描かしむることを試みた(Fig. 8, Fig. 9及びFig. 17-a&b)。
    論文の記述は下記の順序による。
    (1) 緒言
    (2) 一般的考察
    (3) 實驗結果
  • 抜山 平一, 小林 勝一郎
    1926 年 46 巻 457 号 p. 960-978
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    或る彈性媒質を、獨立なる變位をなし得る二つの面で閉ざされたものを音響變成器と名づけ、任意の二つの系統が、音響變成器に依り聯結せらるる場合の與論及一測に於ける全機械インピーダンスを導き、併せて可動線論型受話器の與諭を示し、これが響變成器によりてorificeと聯結さるる場合について實驗し、受話器の運動インピーダンスの測定から、全機械インピーダンスを求め、これによつて音響變成器の定数を決定し、以上の理論が、相當廣き負荷の範圍に於て適用さるベきこきとを確めた。
  • K. KUROKAWA
    1926 年 46 巻 457 号 p. 979-997
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    強制減衰交流に對する簡單なる直列回路のイムピーダンスの軌跡に就て
    強制減衰交流に對する二つ或は三つの要素より成る直列回路の電流並にデイスプレースメント、イムピーダンス及びアドミツタンスが、複素數にて示せる双曲角速度の一方が變化するに從つて如何なる軌跡を辿るかを示せり。直線、圓、抛物線、逆抛物線、圓三次曲線及び逆圓三次曲線等が所要の軌跡として現はる。尚自然減衰及び振動の角速度に就て、是等の軌跡圖上に論せり。
    斯くの如き軌跡曲線の應用の一つとして、減衰交流のオシログラムの更正に就て説明し、尚又L-R回路に漸次に振幅の増加する電壓を加えたる場合の過渡現象をも附加す。
  • 岡部 金治郎
    1926 年 46 巻 457 号 p. 998-1000
    発行日: 1926年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
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