電氣學會雜誌
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47 巻 , 473 号
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  • 澁澤 元治, 柴田 桂太
    1927 年 47 巻 473 号 p. 1259-1300
    発行日: 1927年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    本研究報告は植物の生長に對し電氣-高壓交流、高壓直流、高壓高周波電流の三種-の影響に關し大正十年以來東京帝國大學植物園に於て行つた實驗結果を記述したるものである。
    電氣栽培の野外圃場試驗の成績は或は其收獲に著しき増收を見たと發表し、或は何等の効果がなかつたと報告し、定まったる結果が得られて居らない。故に本研究は温室内で行ひ、供試並に對照植物に對し、外界の條件を出來得る限り均一に保たしむることゝした。
    電壓は植物の上方15乃至30糎の一定の距離に吊つた細銅線綱に加へ、以て植物體内にイオン又は誘導作用で微弱な電流を通ぜしめた。
    實驗結果の判定は温室内で出來得る限り生長せしめた場合の供試並に對照植物の莖、葉全體の乾燥重量を比較して其結果を判定することゝした。
    豫備實驗-高壓交流實驗、電源は交流50サイクル21,000ヴオルトを用ゐ種々の植物に就て試みた。結果は多くは電氣は生長を助くることを示し、例せば最近ソバに對する二つの例に於ては各9.8%及び8.03%の増長を示した。
    高周波實驗-瞬滅火花間隙で高周渡電氣(基本波周波数130,000サイクル)電壓最高約13,000ヴオルト(火花間隙で測定し約1.5-1.6糎)で試みた。當初の結果は區々であつたが最近のソバに對する一例は12.55%の増長を示した。
    高壓直流實驗-ケノトロンを以て交流を整流して高壓直流を發生せしめ、空中の細銅線綱を(-)極に、植物を(+)極に保ち、或は電壓を一定に保ち、或は植物内の電流を一定に保つ爲め電壓を交流側にて測り實効値で10,000-15,000ヴオルトに變化して試みた。當初の結果は特に増長を認めなかつたが、最近烟草に對するものは顯著であつて其一例は21.7%の増長を示した。
    定温暗箱實驗 以上の栽培試驗の外、更に電氣の効果を確むる爲め、定温暗箱内で燕麥の甲柝(芽生へ)の電氣に因る伸長度の變化を測定した。暗箱内の温度は±0.01°Cの範圍内に保ち、電極には白金線の突針を甲拆の垂直上部に30粍の距離に吊り、伸長度は毎五分時に80倍の水平顯微鏡て測定した。其結果は第六圖Curve 1-32に示してある。其要領は次の如し。
    1. 放電せざる場合の伸長度は一定である(第六圖Curve 1)
    2. 放電當初に於ては概して一且少しく伸長速度を減ずるも、十數分の後伸長速度を増し、通例三•四十分以内に最大に達し、一、二時間の後常態に復す。即ち放電の結果特異なる波状の伸長速度變化、之を"電氣伸長反應"とも稱すべき現象を惹起する。
    3. 放電に因る伸長度は或る距離にあつては適度の電壓に於て最大となる。
    4. 伸長度の増加は全く放電の現象に起因し、尖端放電に伴ふ他の理化學的現象は殆んど伸長に影響を與へぬ。
    伸長増加の原因が電氣に因ることは明かであるが、其イオン作用によるものか、或は又單に電流に因るものかは未だ明らかでない。
    著者等は以上の外尚電氣の冬芽開展の促進作用(第七圖)及びオヂギサウの葉柄の屈垂作用(第八圖)等の實驗を試みた。何れも電氣が植物に對し特殊の影響を與ふることを示してゐる。
  • 千葉 茂太郎
    1927 年 47 巻 473 号 p. 1301-1313
    発行日: 1927年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    交流を以て供給されるホヰートストン橋の一つのアームの抵抗が其處を通る電流に依つて變化するのと、橋の供給電流を加減して常に其抵抗値を一定にならしむる爲に橋の不平衡電壓にてコントロルさるゝ交流成極繼電装置を記載した。其目的の爲の各種の方法が擧げられてゐる。最後に採用した方法では、橋の檢電器回路に現はれる不平衡電壓を増幅した後、プレートに電源より導かれた電壓で變調した檢波管に入れて檢波電流を得る。期の如き檢波管二個をプツシュプルにつないで其出力側に直流成極繼電器を入れ、其に依つて橋へ供給する電流を加減ずる樣にした。
  • 早川 富正
    1927 年 47 巻 473 号 p. 1314-1345
    発行日: 1927年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    本論文は電界の測定にSchwaiger教授の創案したるElectroscope法の實驗的應用の一つとして三相電纜の模型に之を應用したる實驗結果を説きたるものにして此の方法が同樣の電界測定の目的に極めて實用的に且精密に應用し得らるゝ事を明にし且三相ケーブルに於ける電界の状態を測定により明にし其の量大電氣的stresの値を探究し特に紙ケーブルの絶縁層に加はる最大切線的stressの値を知らん事を企てたり。
    本實驗結果にて得たる主要なる結果次の如し。
    1. 斯の種の電界特に之を計算により知り難き複雜なる電界を實驗的測定によりて知らんには、Schwaiger教授のElectroscope法は實驗方法簡單容易にして且精密なる結果を豫期し得可し。(其の實驗的誤差は1%以下を豫期し得)
    2. 三相紙電纜に於けるdielectric stressの最大値は導體の中心を頂點とする三角形状の區域内に存在す。然して斯の如き最大stressの生ずる瞬時に於ては此の區域内の力線分布は近似的に一の導體と共心なる一群の直圓〓表面が等電位面なる如きものにして、此の三角形の重心を過ぎる共心圓〓面が零電位なる如き場合に略一致す。
    3. 其の最大stressは次式を以て計算し得。絶縁層に直角なる最大stressは
    Emax=Vmax/r 1/lgn2(1+2m)/√3……(A)
    絶縁層に切線の方向の最大stressは
    Etmax=2/3 Vmax(1+2m)r 1/lgn2(1+2m) √3……(B)
    即兩者の比は次の如き簡單なるにて示さる。
    k=Etmax/Emax=2/3 1/1+2m……(C)
    茲にVmax=導體が大地に對する最大電位
    r=導體の半徑
    m=紹縁層の厚さ/導體の直徑
    即導體の周りの絶縁層の厚さが導體の直徑に對する比が小となる程Emaxに對しEtmaxの割合は大となる。又紙ケーブルに於ては切線の方向の絶縁耐力は法線方向の絶縁耐力に比し著く小なるが故に上記kの値は常に考慮せらるベきものなり。
  • 沼倉 三郎
    1927 年 47 巻 473 号 p. 1346-1351
    発行日: 1927年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    300ヴオルト位の直流電壓を用ひ100ヴオルト程度の交番電壓の波形を靜電的に描寫する目的を以て考案した靜電オツシログラフの構造且に理論の大要が述べてある。本考案に於ては電極板に固體の絶縁物を張りつけて相互間り距離を出來る丈狹めて感度を増そうとしたものである。實驗結果に依ると感度は固有振動數が毎秒3000の振動子に直流300ヴオルト、交流100ヴオルトを加ひた場合に一米の距離に於ける最大振幅を一糎位にする事は容易であると述べてある。尚正しい波形を得る爲の接續法並に構造上の不備に基く誤差を出來る丈取り除く方法を示してある。
  • 赤平 武雄
    1927 年 47 巻 473 号 p. 1352-1366
    発行日: 1927年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    變化しつゝある二つの電流の關係を觀測する目的を以で考察さわたもので、並通の電磁オッシロダラフと同樣に可勲線輪型であって、強い磁場内に於て二つの電流を運ぶ二つの往復回路を成す四本の導體線條が平行に張つてある。其等往復線條に跨つて各一本づゝ細い織維が亙に交叉して張ってある。その交點に一つの小い圓形の鏡が固定されてあつてこの鏡を二つの電流で二次元的に振動せしめるのである。電流感度は0.2~2mA/mm程度で固有振動數は約2,000サイクル位のものを試作した。主なる負荷の數例に就いてそのサイクログラムのローカスや廻轉方向を圖で説明し又其面積と電力又はリアクチブパワー等の關係を述べ又パワー、ルーブを求むる場合の電壓線輪の電流を伽電壓より90°相をおくれしむる接績の一例を説き併せて高電壓に使用する場合も附言してる。最後に此の裝置で撮つた多くのサイクログラムの實例を幻燈によつて説明した。
  • 瀬藤 象二, 長岡 順吉, 駒形 作次
    1927 年 47 巻 473 号 p. 1367-1380
    発行日: 1927年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    電動機を無負荷にて起動すると靜止から全速度に至る間の各瞬間に於て其の時々の速度に應じた廻轉力を發生し之が廻轉部分を加速せしむるに消費せられるのである。今電動機に定磁束直流發電機を直結して其の起電力により可動線輪型反照電流計を振らせると速度に比例した振れを生ぜしむることが出來る。又蓄電器を經て他の可動線輪型計器にその充電電流を通せば加速度に比例した振れを生ぜしめ得。然るに電動機の加速度はその廻轉力に比例するから、此の二つの振れを適當な鏡の組合せで互に直角方向に生ぜしめて寫眞乾板に記録せしむると廻轉力-速度曲線を得られる。其外縦軸方向に夫々入力、電流、出力に比例する振れを生じ横軸には速度に比例する振れと組合はすことにより單に數回電動機を無負荷で起動するだけで其の速度特性を定むるに必要な曲線が得られる。本文はその方法と七馬力半の三相誘導電動機について實驗的に得た結果とを示し最後に此種の方法に於て起るべき誤差について概念的説明を與へてある。
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