空氣の絶縁破壞現象,特に局部破壞に伴ふて發生し,而も電界に殘されたる電荷の刷子及び火花放電次及ぼす影響を,專らリヒテンペルグ像の圖形の變化より吟味し,刷子放電線條が相手極に到達してより,火花短絡の行はれる迄の間に起る放電の經過は,沿面と空間との論無く,全く相似的に取扱はれ,唯だ沿面放電の場合次は,比較的低い電壓に於て局部火花放電を安完次發生せしめ得るやうに,電界の模樣が配置さるるも,空間の場合には,局部火花放電を安定に生ぜしむるには,比較的高い電壓を要するやうな電界の模樣であると云ふ點だけが異るものなる事を認め,沿面放電の結果より推定した放電の機構が,空間放電の場合にも,其の儘採用され得るものならんとの考察を與へて居る。
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