電線の電流容量に關し,歐米に於ける此の種性能研究の權威者の論文に就き其の結論の概要並に計算公式の代表的なるものを擧げ,電線の此の種性能考察の一指針たらしめ,次に著者が4mm硬銅線に就き1. 機械的荷重10kg/mm2の下に2. 各電線試料の温度が夫々1日中4時間75°C,100°C,125°C,150°C,200°Cに保つやう通電し,且つ夫々通電後20時間常温冷却し,斯くすること30回繰返したものを取外し,之が電氣的,機械的,顯微鏡的試驗並にX線廻折試驗を行ひ,其の性能並に組織の變化を明かにし,次に右試驗結果並に前記歐米權威者の研究結果とに基き,架空送電線の電流容量は電線が現實100°Cを超えないやう其の負荷電流を定めることの必要なる所以を述べたものである。
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