画像電子学会誌
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30 巻, 5 号
September
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招待論文
  • 山下 博之, 阪本 秀樹, 曽根原 登
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 532-539
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    インターネットの拡大とネットワークのブロードバンド化の進展を背景に, ディジタルコンテンツのネットワーク流通ビジネスが始まっている. コンテンツ流通ビジネスの発展には, 著作権の保護と流通管理の効率化が重要である. そのためには, コンテンツ識別子体系の標準化が必須である. コンテンツ識別子には, グローバル環境でのユニーク性, 永続性, 識別子からのロケーション可解性, コンテンツとの不可分性, 識別子間の相互運用性が求められる. 世界の各所でコンテンツ識別子の標準化作業が進められているが, そのうち, コンテンツIDフォーラム(cIDf)の推進するコンテンツIDは, これらの条件を全て満足するものである. コンテンツ識別子の導入により, 権利者及び流通事業者の視点からはコンテンツの著作権の管理を効率的に行うことが可能となり, 消費者の視点からは, 広告モデルに基づく廉価なコンテンツの入手が可能となる. さらに, コンテンツを元に関連サービスを仲介する新しいコンテンツ流通ビジネスモデルの創出が可能となる. IT戦略本部によるe-Japan 2002プログラムにおいても, 権利処理ルールの整備と共に, コンテンツ識別子の導入が提言されている.
  • 児島 治彦
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 540-545
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    大量映像コンテンツを効率的に検索·閲覧·管理するための映像アーカイブが構築され始めている. 本稿では, 映像アーカイブ構築を支える主要技術として, 映像インデクシング技術, 映像資産管理技術, 映像検索技術, それぞれの最新動向を紹介する.
  • 森住 俊美, 鉄谷 信二, 細淵 貴司, 正満 峰夫, 伊藤 昌幸, 小川 克彦
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 546-554
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    近年, 急速にネットワークの常時接続化とブロードバンド化が進み始めており, 生活環境·産業構造の変革が始まると予想される. そのような状況のなかで実施されたFTTH金沢トライアルは, 光ネットワークを用いたビジネストライアルで, 松下グループとNTTグループが共同で取り組んだ. また, 本トライアルでは, 情報家電端末の開発·検証も目的の一つであり, ホームゲートウェイと呼んでいる情報家電端末の評価機を開発した. 本機は, 従来のWebアクセス用セットトップボックスとは異なり, Webによるインターネットアクセス機能のほか, MPEG2やAACの再生機能を有し, 簡易なリモコン操作で, リッチコンテンツへのアクセスを実現した. ホームゲートウェイは, トライアル参加者に貸し出され, 機能や操作性に関する評価が行われた. 本稿では, FTTH金沢トライアルでのブロードバンドネットワーク環境におけるビジネスモデルの検証を主目的としたコンテンツ·アプリケーションを紹介するほか, ホームゲートウェイのユーザビリティに関する評価をとおして, 今後の情報家電端末のあり方について述べる.
論文
  • 高橋 和彦, 楜沢 順, 四倉 達夫, 森島 繁生, 鉄谷 信二, 中津 良平
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 555-564
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    本論文では, 「(1)誰でも役者になれる, (2)誰でも監督になれる, (3)ネットワークを介して鑑賞できる」を基本コンセプトに、仮想空間とコンピュータネットワークを用いてユーザーが自由にムービーコンテンツを製作するためのネットワークシアタシステムを提案した. クライアント-サーバシステムによりプロトタイプを構築し, 演技者の演技によりストーリを展開可能である事, 監督がイベントオブジェクトの変更とストーリスクリプトの編集によりストーリを制御可能である事, 及びインターネットを経由してコンテンツを鑑賞できるというネットワークシアタ基本機能の動作とその実現性が確認された.
  • 阿部 博信, 横里 純一, 脇本 浩司, 泉 丙完, 厚井 裕司
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 565-574
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    本論文では、マルチメディア教育での利用を目的とした動画ハイパーメディアシステムVisualSHOCK MOVIEの設計、構築及び有効性の評価について述べる. VisualSHOCK MOVIEを設計するにあたり, (1)インタラクティブ性, (2)編集作業の簡易化, (3)WWWとの親和性, (4)ストリーミング対応の4つの観点に関してシステム要件の設定を行った. 設定した要件に基づき, システムの設計及び実装を行った. 実装したシステムを初等教育用のマルチメディア教育コンテンツに適用し, 評価実験を行った. 評価実験結果をシステム要件に基づいて評価を行ったところ, システムの有効性について実証することができた.
  • 佐藤 寛幸, Dikdik Setia Permana, 島貫 正治, 赤塚 孝雄
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 575-582
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    近年, 計算機ネットワークを通した三次元情報の提供と, そのネットワークを介しての共有を行う場面が増加しつつある. このとき, 計算機ネットワーク上には様々な表示処理能力を持った端末が接続されている. しかし, すべての端末の表示処理能力を事前に把握し, 個々の端末に最適化した三次元物体データを用意することは困難である. そこで, 本論文では, 表示端末に動的に受信データに対応する適応表示機能を持たせることで, 伝送後の三次元物体データの適応的な最適表示が実現できることを示している. ここで, 表示処理の最適性を評価しながら適応するときに, その最適性の評価基準としては, 三次元物体の表示品質に影響を及ぼす幾つかの要因に着目して主観評価実験を行うことにより得られた表示品質要因間の重みを利用した表示品質評価関数を用いている. この結果, 端末の表示処理能力が低い場合には, 人間が気付きにくい部分から三次元物体データが優先的に簡略化されて表示されることになる. 実際に三次元物体表示システムを試作し, 提案した手法の有用性を確かめている.
  • 渡辺 辰巳, 小嶋 章夫, 桑原 康浩, 黒沢 俊晴
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 583-591
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    入力画像の細分化領域内の色ベクトルの統計的分布をもとに代表色抽出を行い, 抽出された代表色を用いて色再現処理を行う方法を提案する. この方法をインクジェットプリンタに用いて, 実際のRGB標準画像に対する評価実験を行い, 従来の画素単位で行う色再現処理の約1/2の処理時間で済むことを示した. また, 原画像に対する復元画像の歪みを定量的かつ視覚的に評価して, 本手法がJPEG手法よりも高精度な復元画像が得られることを示した. 更に, 各細分化領域内より抽出される代表色数を, 対象ブロック領域内の色ベクトル分布に従い適応的に変化させることで, 従来の画素単位で行う色再現処理の約1/4の処理時間まで短縮できることを示した.
  • 岩成 英一, 武市 智美, 脇坂 隆史, 岡田 至弘
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 592-599
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    三次元形状復元によって復元したデータに対して, VoxelColoringの手法によって色彩復元を行う. 色彩復元における誤差の要因は, 幾何学的要因と光学的要因の二つに大別できる. 幾何学的要因とは, カメラ, 物体, 光源の位置関係によるものであり, 光学的要因とは, 物体の材質や光源およびカメラのCCDの特性によるものである. 本手法では幾何学的要因に着目し, カメラによるデジタル出力と色彩表現されたVoxelの色を比較することによって, 色彩復元の精度を色差によって定量的に評価した.
  • 児玉 明, 池田 朋二
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 600-612
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    マルチメディア情報の迅速かつ柔軟な伝送/流通を目指し, 我々はコンテナ情報(包み紙情報), コンテント情報(画像, 音声, 文書など), 振舞情報(情報の操作情報)から構成されるマルチメディアスケーラビリティパッケージ(MSP)の概念を提案している. 本論文では, 提案パッケージの中に, 「検索」という機能を埋め込んだ, MSPデータを生成し, 機能指令を受けたMSPによりMSP検索システムは検索エンジンを動作させ, また, その結果を新たなMSPデータとして返信し, スケーラビリティ機能にしたがって, 再生/情報取得するといった, MSP交換型のデータ検索システムを提案した. また, 画像検索エンジンは, 画像の情報量による検索用特徴算出時間及び, 情報量に対応した検索精度の問題を有する. そこで, 静止画像検索と動画像検索の両方を同時に実現できる画像空間特徴量を時間方向へ拡張する検索方式を用いた. 特に, 検索時に利用する画像のサイズ, 特徴量における精度の観点からシミュレーション実験を行い, 部分情報を用いる際の特徴量誤差を特徴量を時間拡張することにより, 精度低下を抑制できる. また, 空間スケーラビリティデータを利用したシステムの評価を行い, 処理速度からの有効性及び検索エンジン動作の機能性を示した.
ショートペーパー
30周年記念講演
  • 安田 浩
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 619-622
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    21世紀ではディジタルコンテンツ流通が重要度を増す. 一方TV放送もディジタル化の時代を迎えた. すでに衛星を使用するディジタルTV放送が開始され, 2003年には地上波TV放送もディジタル化されようとしている. 本稿ではまず放送を含むメディアのディジタル化の流れを展望し, 放送通信の融合化·ユビキタス化とそれに必要な端末(情報家電:e-プラットフォーム)の状況を概説する. このような環境下でどのような要求がディジタルコンテンツに課せられているのか, 技術的課題は何かなどについてふれ, ディジタル放送とコンテンツ流通の将来展望を行う.
  • 山本 強
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 623-628
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    大学と産業界の連携が求められている. 特にIT分野は国のIT戦略との関連もあり, ベンチャー企業を含めた積極的な産学連携が求められている. 画像工学はデジタルコンテンツに代表される新しいIT産業の核となる分野であり, 多方面から注目されている. しかし, 企業経験の浅いベンチャーと産業連携になれていない教官が組むということから発生するリスクもある. ここでは, 私がこれまで経験してきたベンチャー型の産学連携の例を紹介するとともに, 大学側からみた産学連携の形として何が可能か, 今後留意すべき点は何かを分析する.
論文
  • 星野 准一
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 631-640
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    人物動作から個性を抽出したり, 新しい個性を持った動作を再構成することは, CGによる仮想俳優の生成などの応用で重要である. 本稿では, 固有動作空間の生成により, 人物動作の個性の抽出と再構成を行う手法を述べる. 本手法では, まずビデオ映像から人物の3次元姿勢を推定して, 多数の動作サンプルから平均動作を求める. 次に, 動作の個性を表現する特徴空間として固有動作空間を生成する. ビデオ映像から推定した各動作は, 固有動作空間内の1点として表すことができる. また, 固有動作空間内の任意の点の3次元動作を復元できるため, 新しい個性を持った人物動作を生成したり, 動作の特徴を強調することも容易である. 本稿では, 実写映像から人物動作を推定して個性を抽出するとともに, 新しい個性を持った動作を生成した結果を示す.
  • 高柳 健治, 伊東 一臣, 小橋 忠雄
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 641-647
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    ガラス表面における電気浸透液体集束を用いた透過光制御方式について研究を行った. 研究に使用した実験用セルは, 透明櫛型電極をそなえたガラス板上に薄い液体層を塗布して構成されている. このセルについて, 電気浸透による液体の動的集束姿態を明らかにし, その液体集束による集光作用を用いると平板ディスプレイが実現できることを実証した. 実験用セルの動作特性や応答特性を研究すると共に, 高感度動作や速応答動作についての最適液体塗布量についても検討をおこなった.
  • 包 躍, 平野 陽一
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: その他
    2001 年 30 巻 5 号 p. 648-655
    発行日: 2001年
    公開日: 2002/08/30
    ジャーナル フリー
    立体ディスプレイは工業, 医療, 娯楽など様々な分野で応用が期待されている. しかし, 従来の両眼立体視方式の多くは, 高精度の位置合わせが必要であり, 立体像の表示にも専用のソフトが必要であるため高価であった. 筆者らは, 水槽を利用したシンプルな立体方式を提案したが, 重量がかさむことや, 電気製品と水を併用する問題があった. 本論文では, これらの問題を解決するため, 視差像分離にプリズム板の臨界角とブラインド面を利用するといった新しい方式を提案する. 試作ディスプレイは, ブラインド面を有するプリズム板, フレネルレンズ, ハーフミラー, 液晶ディスプレイといった入手しやすいパーツで構成されている. また, 立体像の表示はWindows98のマルチモニタ機能を用いて1台のPCに2台の液晶ディスプレイを接続することにより, OpenGLを用いて簡単に実現できる. 試作ディスプレイを用いた実験により, 提案手法の基本的な有効性が確認された.
連載技術解説
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