画像電子学会誌
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34 巻, 1 号
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論文
  • 矢島 邦昭, 田山 典男
    2005 年 34 巻 1 号 p. 2-8
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/03/10
    ジャーナル フリー
    海洋トモグラフィ(OAT)では,計測対象の海洋が広域であること,音響センサが高価で使用数が制限されることなどの制約条件を抱えている.そのため,計測データが極めて少数になっており,解析に使用できる情報が不十分のため,空間解析に欠如が生じて画像が著しく劣化するという問題がある.このような制約条件のため海洋トモグラフィでは,少数の計測データより,広域の音速分布を劣化することなく再構成する方法が求められている.本稿では,広領域の音速分布を最小2乗法で再構成する高速なアルゴリズムを提案する.提案手法では,標本化関数にウェーブレット関数を使用することで,計測データの伝搬経路に対する影響領域を局在化し,再構成する領域をブロック単位に分割して再構成する「ブロック再構成」を行う.またウェーブレット関数のスケーリング関数に注目し,再構成するブロックとその他のブロックでスケールを変化させる「多重ウェーブレット標本化」を行う.これにより,ブロック再構成によるブロック間の不連続性を抑制する.本手法の有効性を示すため,標本化関数,画像サイズ,送受信器数を変更して音速分布画像を再構成し,その計算時間と再構成誤差について計算機シミュレーションにより評価する.
  • 岩切 裕哉, 金子 豊久
    2005 年 34 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/03/10
    ジャーナル フリー
    文化財が火災や災害,経年変化などで失われていく状況に対し,物体を電子的に保存する必要性が高まっている.物体のディジタル保存は三次元CGにより行われる.実在する物体の三次元CGを制作するには,物体から三次元形状やテクスチャを取得する必要がある.更に,任意照明下では物体表面の光学的反射特性が必要である.そこで,本稿では物体表面の光学的反射特性推定法を新たに提案する.通常,物体は様々な材質や塗料により構成されているため,場所によって異なる反射特性を有する.そこで,物体表面を色ごとに領域分割し,領域ごとに光の反射特性を推定する.また,PCとカメラ,ライトのみを使用することで安価なシステムを構築する.
  • Satoshi HASEBE, Makoto NAGUMO, Shogo MURAMATSU, Hisakazu KIKUCHI
    2005 年 34 巻 1 号 p. 17-26
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/03/10
    ジャーナル フリー
    This paper presents a two-step algorithm for detecting video shot boundaries in a wavelet transform domain. It captures gradual shot transitions such as dissolves and fades as well as abrupt shot transitions such as cuts. At the first step, it computes a distance between video intervals to find an isolated interval. Then, at the second step, it computes a distance between frames to specify the exact location of a shot boundary. Its effectiveness is evaluated in terms of recall and precision.
  • 木村 彰男, 明戸 剛, 渡辺 孝志
    2005 年 34 巻 1 号 p. 27-35
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/03/10
    ジャーナル フリー
    入力画像から各エッジ点位置での接線情報を正確に抽出することは効率的な図形検出法を構成する上で重要な課題であるが,従来手法の多くは濃淡画像に対する微分処理を基本としており,雑音や標本化誤差の影響を受けやすいといった問題があった.本稿では,2値のエッジ画像(輪郭線画像)から各エッジ点位置における接線情報をロバストに抽出するための手法について述べる.具体的には,窓内のエッジ点列に対してHough変換的な投票処理に基づいて直線または円による曲線当てはめを行い,その結果をロバスト推定の一種であるM推定法1)を用いて反復的に補正して,得られた当てはめ曲線から接線情報を抽出するという手法を新たに提案する.評価実験の結果から,提案手法はエッジ点列が不連続であったり,雑音が存在していても安定して接線情報を抽出でき,更に,曲率が大きいエッジ点列部分に対してもある程度対処可能な手法であることが確認できた.
  • 根岸 秀行, 長谷 博行, 米田 政明, 酒井 充, 東海 彰吾
    2005 年 34 巻 1 号 p. 36-44
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/03/10
    ジャーナル フリー
    本稿では,顔の三次元データに対して顔平面を定義し,これを利用して顔表情の変化を二次元データとして有効に捉える方法を提案する.顔の三次元データはそのままでは表情解析などに利用しにくいため,顔に対して一意かつ安定に定まる平面に写像して解析する方法が有効であると考えられる.本稿で提案する顔平面はこのような平面であり,顔表面からの法線群が大局的に最も集中すると考えられる位置に設定される.まず,この顔平面の定義と導出法を示す.次に,顔平面を利用した表情変化の解析法として,基準顔(平常顔)から表情顔(笑顔,怒り顔,驚き顔など)への表情変化を可視化した表情差分マップを提案する.最後に,この表情差分マップを用いて表情認識の実験を行い,提案手法が有効であることを示す.
  • 広岡 慎一郎, 斎藤 英雄
    2005 年 34 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/03/10
    ジャーナル フリー
    本論文では,任意の複雑な曲面形状を持つ白色物体にディジタルコンテンツを投影することで実現する実物展示システムの提案を行う.システムは未校正のカメラおよびプロジェクタからなり,物体表面を多数の平面の集合と近似することで得られる,各画像平面と対象分割平面との間のHomographyを利用することによって,ユーザに特殊な装置や事前の精密な校正を要求せずに画像投影時の位置合わせを実現する.実験では開かれた白紙の本に対し保存済みの文書データを投影することで稀稿書の再現を試みた.
ショートペーパー
連載講座
サイバー社会と人間―情報倫理の課題と教育 VI
連載技術解説
ビデオゲーム技術の動向と展望 I
技術解説
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