画像電子学会誌
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34 巻, 5 号
Special Issue on Image Electronics Technologies for Contents Creation and Delivery
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
基調論文
  • 中島 康之, 羽鳥 好律
    2005 年 34 巻 5 号 p. 493-504
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    様々なネットワークや蓄積環境において,マスターとなるマルチメディアコンテンツから最適の符号化レートや符号化方式で符号化されたコンテンツに変換するトランスコード技術は,効率的なコンテンツ流通を実現する上でますます重要性が高まっている.本稿では,MPEG方式で符号化コンテンツを中心に,高速かつ高品質で符号化ビットレート変換,空間·時間解像度変換,符号化方式変換を行うためのトランスコーディング技術技術動向についてサーベイする.符号化ビットレート変換については,再量子化処理により符号化データ上で高速に変換することが可能であるが,解像度や符号化方式の変換については,ベースバンド領域,符号化データ領域いずれの場合も入力された符号化コンテンツの符号化情報を活用して動き補償予測などの処理を軽減する必要があり,これらに関して効率的なトランスコーディングを実現するための手法について述べる.
招待論文
  • 日高 浩太, 竹内 順二, 松浦 宣彦, 茨木 久, 中嶌 信弥
    2005 年 34 巻 5 号 p. 505-511
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    本稿では,音声の強調情報を利用したビデオコンテンツの短縮視聴方法を提案し,ビデオメールなどのノンリアルタイムコミュニケーションへの適用を検討した結果について述べる.提案した短縮視聴方法は,ビデオコンテンツに付随する音声の韻律を統計的に分析し,音声が強調される区間のビデオコンテンツを抽出することでコンテンツの短縮を実現するものである.今後,ブロードバンドネットワーク環境の普及などにより,流通が加速すると考えられる未編集のホームビデオなどに適用した際の短縮コンテンツの主観評価を実施し,その有効性を示す.
論文
  • 磯 大輔, 斉藤 英雄
    2005 年 34 巻 5 号 p. 512-521
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    本稿では,正射影と見なすことができる2台の未校正カメラによって定義された擬似正射影グリッド空間(OPGS)を提案し,その空間において物体形状を復元し,更に自由視点画像をレンダリングする手法について述べる.この擬似正射影グリッド空間は,従来のカメラキャリブレーションなしで多視点画像から対象形状の三次元復元を行うために提案された射影グリッド空間よりもユークリッド空間に近い座標系を持つ空間である.我々の手法では物体形状復元処理にかかる時間を削減するために8分木構造を用いた視体積交差法を用いる.本稿では,提案する擬似正射影グリッド空間を用いて多視点画像の三次元形状を復元した結果を従来の射影グリッド空間で復元した結果と比較し,提案手法の方がユークリッド空間においてよりひずみの少ない復元形状となることを示す.実験の結果,我々の空間内で復元したモデルはユークリッド空間内でのモデルの様に小さなひずみのみであることが確認できた.
  • 一色 正晴, 井門 俊, 村上 研二
    2005 年 34 巻 5 号 p. 522-528
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    バーチャルリアリティ空間において,触覚·力覚をユーザーに提示するための装置として,PHANToM,Delta Haptic Device,SPIDARなどが開発されてきており,医療,教育,工業デザイン等に応用されている.これらの力覚提示装置を制御するためには,GHOST,OpenHaptics,e-Touch,空間GUIシステム,SpringheadなどのAPIが不可欠である.しかし,これらのAPIには,仮想環境を構築するための多数のパラメータや機能が存在するため,ユーザーがドキュメントマニュアルのみを参考にして仮想環境を構築する場合にはある程度の熟練を要する.本稿では,プログラミングに慣れていない初心者でも簡単に空間GUIシステムを理解して活用できる支援アプリケーションを提案する.被験者を用いた評価実験を行い,提案アプリケーションの有効性を確認する.
  • 浅井 俊弘, 神原 誠之, 横矢 直和
    2005 年 34 巻 5 号 p. 529-538
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    本稿では,全方位が計測可能なレーザレンジファインダとカメラを用いた屋外環境のモデル化手法を提案する.提案手法では,一度に広範囲の環境の形状·色情報を収集するために二つの全方位センサを用い,全方位レンジデータと全方位画像を同地点で取得することで,全方位レンジデータの各点に対応したテクスチャ情報を獲得する.全方位レンジデータと全方位画像を環境中の多地点で取得し,それらを統合することで対象の屋外環境をモデル化する.レンジデータの統合においては,各レンジデータから平面部分を検出し,平面部分のマッチングを行うことでレンジデータの位置合せを行う.その際,RTK-GPSとジャイロセンサから構成されるハイブリッドセンサにより計測時の全方位センサの位置·姿勢を取得し,その位置·姿勢を初期値とし,すべてのレンジデータを同時位置合せすることで,各レンジデータの回転·平行移動成分を最適化する.また,モデルへのテクスチャマッピングでは,画像の解像度とモデルのオクルージョンを考慮したテクスチャを全方位画像から選択する.実験では,本学構内を対象とした三次元モデル化結果を示し,本手法の有効性を示す.
  • 佐藤 一, 大谷 淳, 寺島 信義
    2005 年 34 巻 5 号 p. 539-547
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    ネットワークを介し,人物顔表情変化データの伝送と三次元再構築を効率良く行うための手法を提案する.これはモデルベース,および実画像ベースのアプローチの利点を融合することにより,リアリティの高い三次元顔画像再構築を実現する従来手法を拡張したものである.本手法では,従来手法では同一PC上で行われていた認識部と再構築部を分離し,2台のネットワーク接続されたマシン上に実装し,三次元顔モデル上のテクスチャ張り替え処理に必要な顔領域を切り出し,JPEG圧縮を施して転送することにより,データ量を削減し,より効率良く顔データの伝送および再構築を実現できるようにする.本手法をネットワーク接続されたPCを用いて実装し,この処理が高速に実現可能であることを明らかにする.また,主観評価実験により,画像データサイズが非圧縮時の6%程度に削減可能であることについても明らかにする.
  • 石川 孝明, 渡辺 裕
    2005 年 34 巻 5 号 p. 548-557
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    近年,画像符号化におけるスケーラビリティの重要性が高まっている.特に,空間スケーラビリティを有するJPEG 2000は,ディジタルシネマで使用される符号化方式として採用され,今後の普及が期待されている.しかし,JPEG 2000の空間スケーラビリティは,オクターブ分割を用いるサブバンド符号化により実現しているため,低域画像の解像度が1/2nに制限される.そのため,現行の表示デバイスでディジタルシネマのコンテンツを視聴するには,画素アスペクト比の相違を考慮した有理数比の解像度変換を行う必要性がある.そこで本稿では,JPEG 2000の空間スケーラビリティにより得られる低域画像と,有理数比の縮小を可能とするデシメーションフィルタを組み合わせた解像度変換法を提案する.本提案手法を用いることで,デシメーションフィルタのみを用いる従来手法と比較し,1-2[dB]程度の画質改善を実現した.
  • 中村 徳裕, 阿部 英彦, 西尾 孝治, 小堀 研一
    2005 年 34 巻 5 号 p. 558-566
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    近年,ネットワークの急速な発展や携帯電話などの普及に伴い,ディジタル画像を扱う機会が増えてきている.なかでも,ディジタル画像に対して頻繁に行われる処理に解像度変換処理があるが,離散値データで表現されているディジタル画像を拡大すると画像の劣化という問題が起こる.
     そこで本稿では,Delaunay三角形分割により生成される三角形パッチで画像の近似を行うことにより,ディジタル画像の画質劣化が少ない解像度変換手法を提案する.これにより,解像度変換後の画像の大局的なひずみを抑制することができる.また,ブロック状のひずみを軽減する.
     更に,三次元グラフィックスボードを用いることにより,近似形状生成の処理コストを軽減する.最後に,提案手法の効果を実験により検証する.
  • 大城 英裕, 橋本 賢一, 山崎 一城, 井上 誠喜, 藤田 米春
    2005 年 34 巻 5 号 p. 567-577
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    我々は,スポーツ競技をディジタル化し,様々な観点からスポーツを観察できる映像システム(ディジタルスコアブック)の構築を行っている.本稿では,ディジタルスコアブック生成過程における一連の方式,複数カメラ環境下での画像処理支援を受けての,(1)画像中での選手·ボールの位置抽出,(2)コート特徴を用いたカメラキャリブレーション,(3)画像中の選手位置とキャリブレーション結果からの選手のコート上での位置推定,(4)選手·ボール位置に基づくボールパス,シュートなどのプレーイベントタグの映像への付加,(5)競技を効果的に見せるためのプレーのアニメーション化について,システムの概要ならびに各方式,それぞれの実験結果について詳述する.
  • 阿部 孝司, 年代 光宏
    2005 年 34 巻 5 号 p. 578-585
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    近年,スポーツ中継などの映像コンテンツのハイライトシーンを自動生成する試みが増えている.これまで,スポーツ映像の自動ハイライト生成には,得点シーンや観客の盛り上がるシーンが主に抽出されている.しかし,テレビ放送では海外で活躍する日本人野球選手に対する全打席結果も多く取り上げられている.本稿では,スポーツ中継映像の中で用いられているテロップの状態変化を相関係数を用いて認識し,スポーツ中継映像を試合中における単位ごとに分割する方法を提案する.これは,特定選手の自動ハイライトの生成,また,映像コンテンツのインデクシングに対する前処理として活用できる.野球中継映像を用いて本手法を実験し,すべての映像においてイニングの分割,更には,各打者の全打席ごとに分割することができ良好な結果を得た.
  • 児玉 明, 早川 晴彦, 高橋 秀和
    2005 年 34 巻 5 号 p. 586-595
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    現在,メディアの特徴を利用した情報検索手法が検討されている.我々は,クエリ動画像情報が与えられた際の,情報同定,情報包含しているかの解を与える検索方法において,動画像情報の特徴として,時間的な変化量に着目し,時間的な頻度分布を利用した検索方法を提案している.しかし,本方法での課題として,動的な情報が不足している場合,検索精度を確保できない場合が存在する.そこで,本稿では,動画像情報の特徴を活用し,また,検索精度向上を目指し,局所領域での検索方法を提案する.本提案方式の処理方法を示し,シミュレーション実験により,検索精度が向上することを明らかにした.また,局所領域に適応することにより,検索速度の向上効果が図れることを示した.
  • 八村 広三郎, 岡村 豊明
    2005 年 34 巻 5 号 p. 596-605
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    カメラつき携帯電話で撮影した看板画像をメール機能を用いてサーバへ送り,看板画像の画像解析の結果,その看板の施設に関する詳細な情報を再びメールで返送する情報システムを実装し評価した.対象とする看板には,道路沿いに設置されている野立て看板を想定し,これらの看板の画像と画像特徴量,看板に関連する情報をあらかじめサーバに蓄積しておく.携帯電話で撮影した画像を送信し,サーバ内の画像を検索するが,これには看板領域内のカラーヒストグラムの情報を利用して類似検索を行う.看板領域の抽出には,エッジ検出とハフ変換を利用する.実験の結果,サーバ内の画像はデジタルカメラで撮影したものを用い,検索のための質問画像にもデジタルカメラのものを利用したときは,上位2位までの検索結果に正しい画像が得られる率が90%となった.一方,実際の利用時の状態で質問画像に携帯電話の画像を使った場合は,正解が含まれる率が90%となるのは上位9位まで表示した場合となった.この原因は携帯電話のカメラの色特性のばらつきによる.今後,色特性の補正,形状やテキスチャ情報の併用を検討する必要がある.
  • 馬養 浩一, 伊藤 浩, 藤井 亮介, 鈴木 光義, 浅井 光太郎, 村上 篤道
    2005 年 34 巻 5 号 p. 606-613
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    動画像用電子透かし検出のための,新しい同期回復方法を提案する.従来の静止画を対象にした同期回復手法では,同期回復に要する計算量の問題などがあり,これらの手法をそのまま動画の同期回復に適用できない.そこで,本稿では動画像の時間方向の特徴を利用した同期回復によりこれらの問題を解決した.提案手法では,電子透かし信号を時間方向にスペクトラム拡散して動画像の各フレームに埋め込む.同期の回復では,まず,動画像を逆拡散してフレーム積分データを生成し,データの分散を利用して時間同期を回復する.このとき電子透かし信号がデータ上に幾何学パターンとして現れるので,次に幾何学パターンの規則性に基づいた効率的な相関計算により空間同期を回復する.違法コピー形態を想定した実験を行い,HD-SD ダウンコンバート後にアナログVTRコピーを実施した映像においても,同期回復後に電子透かしを正しく検出できることを確認した.
ショートペーパー
論文
  • 片原 俊司, 青木 正喜
    2005 年 34 巻 5 号 p. 620-627
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    2重スリットカメラを用いる一次元交通流計測手法を提案する.道路上方に2台のスリットカメラを近接配置する.スリットカメラから得られるスリット画像への車両の写り方を調べ,車両検出のための指標を導き出した.明色系の車両を検出するためには,ラインごとの画素値の標準偏差が有効である.暗色系の車両を不足露光下で検出するために,ラインごとの画素値の標準偏差および画素値の平均の前ラインとの変化量を車両検出のための指標として加える.2重スリットの構成で実交通流を撮影し,車両検出のための3指標を用いて車両検出,交通流計測を行った.各種交通流パラメータ計測において提案する手法の有効性を示した.
  • 若林 悠機, 片原 俊司, 青木 正喜
    2005 年 34 巻 5 号 p. 628-635
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    本研究では道路上における通過車両の検出,および車種の判別を行うことを主とした交通流計測を目的としている.本研究では一次元運動をする物体の撮影に適しているスリットカメラを使用する.単一カメラによる背景差分を用いた車両認識では,路面に生じた影を車両部分に含めてしまう可能性がある.そこで,2台のスリットカメラをステレオに設置しステレオ画像を得る.そしてステレオマッチングを適用することにより物体の高さが測定でき,路面と同一高の部分は路面であるとすることにより,路面に生じた影を車両部分とすることはない.車両の2.5次元形状を復元することにより車種判別が行える.本研究ではステレオマッチングにより車両の三次元形状を計測し,車種判別の可能性を示した.
  • 新井 康平
    2005 年 34 巻 5 号 p. 636-644
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    文書,図面からの属性情報の一つであるキーワード候補抽出を行うプロダクションシステムを構築し,候補の中から選択,登録することによりオペレータの一連の作業負担を軽減する方法を提案する.
     キーワード抽出に係る知識としてフォントサイズ,文書中に現れる位置,出現頻度などが一般的に知られているが,対象文書の形式によってこれら知識の重要度は異なるため,あらかじめレター形式,フォーム形式および図面形式に自動的に識別し,それぞれに最適なキーワード抽出方法を提案している.このとき,プロダクションシステムを用いるが,これは,各知識が独立しているため,知識の全体像が把握し難いなどの欠点を持つため,階層的分析法(Analytic Hierarchy Process: AHP)を導入して,この問題を克服している.
     提案方法により,100種類の現実のテスト文書,図面を用いて実験したところ,検索キーワードを効率よく(98%)抽出することができるとの結論が得られた.AHPによる確信度の推定を行わず,知識評価項目(Fontsize,Y_Position,X_Position,Frequency)の重要度をすべて等しいと考えた場合,特定のキーワード候補のフォントサイズ,出現頻度が他の候補に比し異なる場合は正しくキーワードを抽出できるが,特に,キーワードの出現位置に関する知識については有効に作用せずに,結果として,75%しか自動的にキーワードが抽出できないことがわかった.結局,AHPによる確信度の評価の効果は約1.5倍の成功率の向上に結びつくことがわかった.
  • 斉藤 文彦
    2005 年 34 巻 5 号 p. 645-652
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    産業用画像処理では,ある特定の対象物を入力画像内から探し出すために,画像照合手法が用いられる.しかし,部分画像領域の一部が障害物によって隠ぺいされている場合は,探索に失敗する危険性が生じる.本稿では,部分画像領域の一部が隠ぺいされている場合であっても,信頼性の高い探索を実現する手法を提案する.テンプレート画像を複数のブロック領域に分割し,各々のブロック単位に照合処理を行う.また,探索の過程で,各々のブロックについて,照合処理への有効性を評価し,これを重みとして,すべてのブロックによる総合相関係数を求める.ブロックごとによる照合の結果得られた相関係数の分布に着目し,最大相関係数と第2位の相関係数の差が大きいほど,そのブロックは探索処理への有効性が高いとする.実験の結果,提案手法は,目的とする部分画像領域の80%が隠ぺいされている場合も含めて,探索の成功率は100%を記録した.また,従来の代表的な画像探索手法と比較しても,対象画像の一部隠ぺいに対して優れた結果が得られた.
  • Ahmed SWILEM, Kousuke IMAMURA, Hideo HASHIMOTO
    2005 年 34 巻 5 号 p. 653-662
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    Vector quantization (VQ) for image compression requires expensive time to find the closest codeword in both encoding and codebook design. In this paper, we propose a high-speed closest codeword search algorithm applicable to both encoding and codebook design for VQ including entropy-constrained vector quantization (ECVQ). By using a lighter modified distortion measure, we propose an appropriate topological structure of training vectors and codewords to eliminate unnecessary matching operations from the search procedure. This algorithm allows significant acceleration in the codebook design process. Experimental results are presented on image block data. These results confirm the effectiveness of our proposed algorithm.
  • 田島 譲二
    2005 年 34 巻 5 号 p. 663-670
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    カラー印刷の版をディジタル通信で送り,遠隔地で印刷する場合,カラープルーフもその場で高品質に出力することが求められる.しかし,製版したものを本来の印刷と異なるドット密度のプリンタにより網点形状を保って,カラープルーフとして出力する場合,画像の拡大·縮小により一般にはモアレが生ずる.本研究では,まずこのモアレの原因を解明し,画像を多階調画像として拡大·縮小した場合にはモアレは生じないが,2値化によって網点のサイズが本来のサイズからずれることにより生ずることを示す.その上で,網点パラメータや画像の領域の判別をすることなく,網点の単位領域中の網点成分が重力で互いに引き合うように集めて配置することにより,網点パラメータや形状を保ってサイズを復元する,網点の重力的再配置手法の提案を行う.
  • 菅沼 優子, 久永 聡, 前原 秀明, 脇本 浩司, 田中 聡
    2005 年 34 巻 5 号 p. 671-679
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    本稿では,画質にかかわるポリゴンを優先的に選択することで,描画ポリゴン数を削減しつつ遠方までの景観を高速に再現する都市景観の再現手法を提案する.各建物のポリゴンに対して,表示上の重要度を,視点の移動に伴うポリゴンの可視性に基づいて事前に数値化する.ウォークスルー時は,数値化した結果を用いて,移動方向に応じた重要度が高いポリゴンを優先的に選択する.道路に沿ってグルーピングした各グループから,重要度が高いポリゴンを抽出することで,建物の抽出軒数が少ない場合にも,少ない画質劣化で遠方までの景観を再現できるようにした.本手法を用いて都市景観の再現やウォークスルーの実験を行い,画質とデータ削減の効果を評価した結果,本手法の有効性を確認できた.
  • 尾花 一樹, 奥村 利道, 金岡 功, 高野 邦彦, 佐藤 甲癸
    2005 年 34 巻 5 号 p. 680-687
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    近年,臨場感のある立体映像やそれを表示させるディスプレイなどの研究が盛んに行われている.その中でもホログラフィは,自然な立体表示を可能とする技術として知られ,投影型ホログラムなどが研究されている.そこで著者らは水粒子を空間に噴霧した水粒子スクリーンと動画ホログラフィを融合させた動画ホログラフィ投影システムについて検討を行った.すなわちホログラムにより空間に結像した実像はその位置で水粒子による散乱を受け,立体像に対応する点光源の空間的な分布を形成できると考えた.実験の結果,本手法により立体像を表現することが可能となり,またホログラム回折光が水粒子によって散乱するため,再生像の視域拡大が可能となった.しかし水粒子をスクリーンとして用いる本手法は,気流や重力の影響により水粒子が流動してしまい再生像にゆらぎを生じさせる原因となっていた.一方,本稿で取り上げている気流整流器を用いた水粒子噴霧方法は,ゆらぎの問題を改善するのに極めて有効である.そこで本稿では,気流整流器を用いることでゆらぎの問題を改善すると共に,ゆらぎの少ない良好な再生像を表示できることを示す.
連載技術解説
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