画像電子学会誌
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34 巻, 6 号
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論文
  • 林 伸治, 長谷川 修
    2005 年 34 巻 6 号 p. 726-737
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    顔検出はコンピュータビジョンで最も研究が盛んな分野の一つであり,近年,大きな進歩を遂げている.しかし,低解像度画像からの顔検出については,ほとんど研究されていない.本稿では,顔検出における標準的な検出器と評価画像である AdaBoostベースの顔検出器およびMIT+CMU評価画像を用い,24×24ピクセルの顔に対し88%であった顔検出率が,6×6ピクセルの顔に対しては39%まで低下することを示す.これに対し,「肩まで含む顔画像の使用」「画像の拡大」「特徴の周波数制限」「二つの検出器の統合」から構成される提案手法を示し,6×6ピクセルの顔に対して,71%の検出率が得られたことを示す.なお,上記検出率は,いずれも評価画像112枚に対して誤検出数100における値である.
  • 北郷 正輝, ディアゴ ルイス, 萩原 一郎
    2005 年 34 巻 6 号 p. 738-746
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    高詳細なディジタル画像を通信,記憶保持する機会が急速に増すにつれ,高度な画像圧縮手法の開発が求められている.本研究では,ウェーブレット変換の多重解像度解析とCSRBFを用いて画素を散乱的に間引きCSRBF近似曲面を生成するMCA(Multiresolution CSRBF Approximation)を提案し,MCAを用いて生成したCSRBF近似曲面の関数情報を圧縮する非可逆画像符号化手法を提案する.ここでは,MCAの散乱点抽出精度および散乱点補間精度を評価してMCAの有用性を示し,本研究で提案した非可逆画像符号化手法の圧縮性能をJPEGと比較した.本手法は低ビットレート(高圧縮率)においてJPEGより優れた圧縮性能を示した.
  • 松本 倫子, 吉田 紀彦, 楢崎 修二
    2005 年 34 巻 6 号 p. 747-752
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    画像の輪郭抽出に多用されている動的輪郭モデルSnakesは,使用者による初期輪郭設定や初期パラメータ設定によって抽出精度が左右され,対象物が複雑な形状をもつ場合やその背景が複雑な画像特徴を示す場合にその抽出精度が低下するという問題点がある.本稿では,複数のSnakesに並行かつ協調的な輪郭推定を行わせ,目的の輪郭へ収束する可能性を高める分散協調型のSnakesを新たに提案し,実画像での輪郭抽出実験も含めて,その有効性の検証を行う.
  • 斉藤 文彦
    2005 年 34 巻 6 号 p. 753-759
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    本稿では,テンプレート画像に対して,二次元的な任意の位置と傾きを持つ対象画像領域を探索可能な手法を提案する.画像の局所的な領域内における輪郭形状の幾何学的なパラメータを照合のキーとする.各エッジ画素を基準とした投票処理結果から,回転した画像領域を探索する.画像の局所的な特徴量の統合処理に基づくため,高速処理が可能であり,多量のメモリ資源が不要という特長がある.実験の結果,移動と回転について姿勢自由度を持つ画像領域を高速に探索することができた.
  • 細田 真道, 小林 稔
    2005 年 34 巻 6 号 p. 760-769
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    モバイルやユビキタス環境など表示領域が限られている場合に,多くのウィンドウを表示すると他のウィンドウに隠されてしまうという問題がある.隠れたウィンドウを参照しながら元の作業を続けるには,フォーカス切り替えが必要で,作業のコンテキストが不連続であるといえる.本稿では,コンテキスト連続性を考慮したウィンドウ操作インタフェースを提案する.まず,コンテキスト連続性を維持するため頭部動作の利用を検討する.次に,通常作業の典型的頭部動作を磁気式三次元位置センサで測定し,意図的な動作とそれ以外の動作を区別する方法を検討し,その検討結果を用いてウィンドウ位置制御方法を設計する.そして,本制御方法の評価実験を行い,有効性を示す.最後に,磁気式センサを使用しない無拘束なカメラ顔認識による方法を検討し,実装,評価を行う.
  • —ウマ卵巣内構造物の可視化—
    竹本 智子, 平野 悠子, 横田 秀夫, 中村 佐紀子, 木村 順平, 南保 泰雄, 津曲 茂久, 姫野 龍太郎, 三島 健稔
    2005 年 34 巻 6 号 p. 770-777
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    3次元内部構造顕微鏡(3D-ISM)は,生体内部のフルカラー連続断面画像を取得できる装置であり,この画像を用いて生体組織の高精細な三次元モデリングを行うことが期待されている.しかし,そのために必要な領域抽出が,情報過多になったフルカラーの生体画像では難しくなった.そこで本稿では,生体のフルカラー画像における,対象組織の自動抽出手法を提案する.提案手法では,領域ベースの抽出手法に求められる,局所領域における領域判断の基準を,自動しきい値選定法を用いて自動的に生成する.その結果,位置により特徴が異なる生体組織に対しても,わずかな初期設定のみで半自動的な領域抽出が可能となる.本稿では,提案手法の有効性を示すため,ウマ卵巣画像を取得し,卵巣内構造物の一つである卵胞の抽出を行った.また,抽出結果を用いて三次元モデルを構築し,従来は不明りょうであった卵巣内部を可視化することを試みた.
  • 小泉 真也, プリマ·オキ·ディッキ アルディアンシャー, 伊藤 憲三, 堀内 隆彦
    2005 年 34 巻 6 号 p. 778-785
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/06/24
    ジャーナル フリー
    エッジ抽出は,画像処理における特徴抽出処理の手法として,根本的かつ重要な問題である.一般にエッジ抽出法では,雑音除去,勾配強度計算,エッジの追跡などのアルゴリズムを段階的に適用することによって高精度な処理を実現してきた.しかし,それぞれのアルゴリズムには種々のパラメータが存在し,それらのパラメータ値は一般に入力画像を参照して対話的に決定されているため,適切なパラメータ値の決定は困難である.本研究では輝度画像を対象として,雑音の抑止と勾配強度計算をともに行うことが可能な回帰面を利用した新しいエッジ抽出法を提案する.提案手法では,エッジ抽出結果を制御するパラメータは非エッジの割合を示す一つであり,簡易に設定が可能である.基本図形と自然画像を用いた実験の結果,固定したパラメータ値を用いた提案手法は,適応的にパラメータを設定したCannyオペレータより高精度なエッジ抽出を実現できることを確認した.
連載技術解説
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