画像電子学会誌
Online ISSN : 1348-0316
Print ISSN : 0285-9831
ISSN-L : 0285-9831
41 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
論文
  • 兪 波, ディアゴ ルイス, サブチェンコ マリヤ, 萩原 一郎
    原稿種別: Paper
    2012 年41 巻1 号 p. 7-17
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    Recently, several applications that use image processing technology for object detection have been developed in smart phones. As a main part of image processing technology, image segmentation refers to the process of partitioning a digital image into multiple segments. There are many different image segmentation algorithms that show the good performance on desktop platforms. In this paper, we propose a new seed-based region-growing segmentation algorithm supported by a line-based data structure that allows decreasing the storage space and computation time during the segmentation process and eliminating the drawbacks of the previous algorithms. To deal with uncertainty in region boundaries of real world images, the results of region growing and edge extraction are integrated by a combination of automatic threshold selection for color difference evaluation and edge grow-erode operations that provide more accurate image segmentation. Taking advantage of image processing technologies offered by current cellular phones, this paper presents a new mobile application for measuring building walls for restoration. The implementation and experimental results of the building area measuring application demonstrate the efficiency of the proposed algorithm.
  • 木村 優太, 高氏 秀則, 金子 俊一
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻1 号 p. 18-27
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    我々は,多くの産業用生産ラインで使われている複雑形状をもつコンパウンドケーブルのための外縁FCMクラスタリングによる形状認識手法を提案する.まず,物体の3次元データの長さや位置を程よく知るための方法として,主成分分析を利用する.セグメント化は,1つの近似された線状の集団として複雑形状のケーブルを扱うことを可能にするために行う.そして,私たちは物体の外縁部分の形状を認識するために外縁FCMクラスタリングを行う.さらに提案手法を使ったパラメータの最適化実験を行うことで,手法の可能性と有効性を示す.
  • 上林 俊樹, Luis Diago, 北岡 哲子, 萩原 一郎
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻1 号 p. 28-35
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    高機能な機械が多くなり,容易に使用できるインタフェースが求められている.特に自動車の運転中など,情報収集・提示の自動化が求められるものも多い.本研究では人間の顔表情を自動認識し,対象者の疲労度・ストレスを測り,それを解消する情報を提供するシステムの開発を行う.本システムは画像中より顔の検出,特徴点の検出,特徴点の位置変化から表情を測定する.そこから心理状態を推測し,対象者に必要な情報を提供する.しかし,顔に影がある場合は特徴点の検出精度が大きく低下する.影領域の補正が必要だが,影のみを補正する方法は考えられていない.本手法は入力画像から明度のヒストグラムを取得する.そこから明度の低い部分である影と黒の領域を自動判別し,影の領域のみ明度補正を行い,特徴点の検出精度を改善させた.一般的に用いられるヒストグラムによる明度補正方法と効果の比較を行い,顔画像内の影の面積が40%以下の場合に,大きな改善効果が得られた.
  • 伊藤 雅典, 斉藤 文彦
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻1 号 p. 36-42
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    現在,情報化社会の発展と共に個人認証システムにおける必要性が増加している.多くの場所で個人認証システムが検討される中,パスワード,鍵のように盗用や忘失の恐れがなく偽造が困難な身体的特徴を用いたバイオメトリクス認証が注目を集めている.本稿では身体的特徴に歯画像に含まれる情報を用いた個人認証システムを提案する.レーザーやX線などを使用し得られる歯科情報は医療分野において数多く利用され,個人認証にも応用されている.しかしながら高度な技術や装置が必要とされる.そこで本研究では,歯画像から得られる特徴量に着目し,より利便性,簡易性に優れた個人認証システムを提案する.本システムはカメラからの画像入力を行うため,高度な技術や装置を必要とせず,非接触なセンシング方法で心理的な抵抗感が少ないという利点がある.本研究の目的は,カメラによって撮影された歯画像に個人認証に耐えうる身体的特徴を有しているか否かを調査することであり,さらに個人認証システムとして試作することによって本研究の有効性を示す.
  • 佐々木 貴啓, 木下 健太郎, 岸田 悟, 平田 吉春, 山田 聖悟
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻1 号 p. 43-51
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    胸部X線画像から得られた1次元数値列を用いて画像内の異常有無を検出するニューラルネットワークシステムを構築し,ネットワークの入力層ユニット数が異常検出性能に及ぼす影響を調査した.入力層ユニット数の異なるニューラルネットワークを構築するため,2次元画像の中から抽出した1次元数値列の長さを変化させ,16, 32, 64および128のデータ数からなる入力パターンを作成した.その結果,入力層ユニット数16~128までの範囲において,1つの画像内における検出可能な異常領域の大きさは,ニューラルネットワークの入力層ユニット数の減少に伴い小さくなることが分かった.学習に用いた画像と異なる画像に対するシステムの異常検出性能は,入力ユニット数16の場合に最も高く,医療診断システムの性能指標であるAz値は0.95であった.これらの結果から,画像から得られた1次元数値列を用いた本システムによって,胸部X線画像の異常検出が可能であることが示された.
  • 高野 邦彦, 松田 隼, 堀岡 考遊, 円谷 華陽, 渡部 真史, 佐藤 甲癸, 浅井 紀久夫, 大木 眞琴
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻1 号 p. 52-58
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    小型の情報端末を活用したホログラム再生においては,画素数の制限された光空間変調器(Spatial light modulator,以下SLM)を用い,多点数物体を滑らかな動画像として表示できる方法の確立が重要と考えられる.筆者らは時分割再生法を用いることで多点数物体の再生が可能になることを報告したが,この方法ではレーザ光を直接ホログラム面に照射していたため,ホログラム再生に利用できる画素が制限され,結果的に動画再生時のフレームレートの確保が課題となっていた.そこで,本稿ではホログラム面へのレーザ光の照射方法を改善し,再生像に対する画質改善の方法を検討した.この結果,時分割再生法を用いなくても多点数物体の再生が可能になることがわかった.この方法は動画像再生に対しても適用可能であると思われる.さらに,時分割再生法を併用すれば,物体の再生可能点数が大幅に改善されることがわかった.
  • 戸塚 真隆, 高野 邦彦, 大木 眞琴, 佐藤 甲癸
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻1 号 p. 59-64
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    入力実画像を用いてコンピュータにより合成したリアルタイム・キノフォームのシステムを構築した.キノフォーム・パターンは,一回の演算のみのフーリエ変換で作成している.また,キノフォーム・パターンは白色LEDまたは,赤色LDを用いて像再生する.本稿では位相変調型高精細液晶デバイスを用いたリアルタイム・キノフォームの動画像特性について報告する.
  • 嶌田 聡, 鈴木 章, 米村 俊一, 小島 明
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻1 号 p. 65-72
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    特定のスポーツ動作を記録した映像は,繰り返し視聴したり,他の映像と比較再生することで動作分析を行うことに有効活用できる.本論文では,このような映像視聴による動作分析を支援する方法について検討する.まず,移動を伴う個人プレイのスポーツ動作を対象として,選手をカメラワークさせながら撮影した映像から背景と選手の領域を分離することなくストロボ画像を簡易に生成する方法を提案する.次に,ストロボ画像を用いて,映像シーンの繰り返し視聴や比較再生による動作分析に適した画像情報の提示方法を提案する.テニス,スキージャンプ,クライミング,ランニングに対する実際のスポーツ映像を用いた実験を行い,提案手法により動作分析に適用可能なストロボ画像が生成できることを検証した.また,テニスでのサーブやボレーの基礎練習の映像を対象としてテニスプレイヤに動作分析してもらい,ストロボ画像を活用した画像情報の提示方法の有効性を検証した.
  • 伊藤 智也, 松石 加奈子, 武藤 雅行, 伊藤 弘樹, 菊池 司
    原稿種別: 論文
    2012 年41 巻1 号 p. 73-83
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル フリー
    本論文では,平面的な表現に特化している影絵を対象に取り上げ,影絵の制作工程と影絵最大の魅力である「最低限の情報量で鑑賞者側の想像する力に働きかける」という特長を生かしながら,更に奥行き感を強調した影絵を制作可能とするアプリケーションの開発を行う.影絵制作アプリケーションは,アップル社のタブレット型パソコンiPadで動作するアプリケーションとして実装され,マルチタッチによる直感的操作によって空気遠近感とオブジェクトの拡大・縮小による線遠近感を制御することが可能となっている.実装したアプリケーションにおいて奥行き感を強調するために使用している線遠近法と空気遠近法の効果を検証するため,10代から20代の男女計15名を被験者としてDCR法(Degradation Category Rating)による主観評価実験を行った結果,線遠近法と空気遠近法の効果の違いと,線遠近法と空気遠近法の組み合わせによる奥行き感を強調した表現が有効であることがわかった.また,実装したアプリケーションを実際に操作してもらいアンケート調査を実施した結果,マルチタッチによる操作性の優位が判明した.
feedback
Top