画像電子学会誌
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46 巻, 1 号
選択された号の論文の60件中51~60を表示しています
論文(資料)
  • 迎山 和司
    原稿種別: 論文(資料)
    2017 年 46 巻 1 号 p. 152-159
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    構造物の形に沿って映像を投影するプロジェクションマッピング(PJM)は今日では広く認知されるようになった.特に日本では東京駅舎のPJMを皮切りに全国各地で積極的に行われている.なぜなら,屋外建築へのPJMは集客効果が高いとされているからである.本作品も同様の効果を期待されて,青森県十和田市の催事の一つとして企画された.場所は十和田市現代美術館である.作品は2015年11月21日と22日の2日間に上映されイベント全体でおよそ8500人の鑑賞者を得た.本論文は映像表現・芸術科学フォーラム2016にて上映された本作品の制作過程を記述したものである.同様の企画を実現するための参考になるように,映像制作の具体例として,発表に至るまでの過程とその結果について報告する.
ショートペーパー
  • 神 展彦, 芳賀 直樹, 藤代 一成
    原稿種別: ショートペーパー
    2017 年 46 巻 1 号 p. 160-164
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    グルーヴとは,演奏における音のうねり,リズムのノリや一体感などを表す音楽特徴で,よい演奏に必要不可欠な要素の一つである.グルーヴ可視化は,音楽的センスや聴力の個人差によらないグルーヴの習得や音楽経験に制限されない音楽の感動の共有など,さまざまな応用につながる.本論文では,MIDI信号として入力された音楽をインタラクティブに図形に変換する,直感的なリズム可視化システムSeeGroove2を提案し,ライブ演奏の可視化への応用やグルーヴ教育ツールとしての応用可能性を示している.演奏された音符それぞれに対して点をプロットし,滑らかに補間することにより,リズムパターンを多様な環状図形に即時的に表現できる.インタラクティブ性は,1,920 Hzで動作する入力系スレッドと60 Hzで動作する計算・描画系スレッドのマルチスレッド設計によって実現される.
  • 兼松 祥央, 竹本 祐太, 茂木 龍太, 鶴田 直也, 三上 浩司, 近藤 邦雄
    原稿種別: ショートペーパー
    2017 年 46 巻 1 号 p. 165-169
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    ロボットアニメ制作においてロボットをより制作者の意図どおりに見せるためには,テーマやシチュエーションに沿ったロボットのポーズが重要な要素の一つである.本研究では,既存のロボットキャラクター678体のポーズを調査し,これらに見られるポーズを10種類に分類した.そして,それらのポーズを3ds Maxのモデルデータへ瞬時に適用できるポーズ制作支援システムを開発した.これらを用いることでより効率的にロボットのポーズ設定を行い,ロボットのデザイン原案やプレビズの際の構図の検討に用いることが可能である.
  • 吉川 和希, 大矢 京右, 木村 健一, 川嶋 稔夫, 迎山 和司
    原稿種別: ショートペーパー
    2017 年 46 巻 1 号 p. 170-173
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    プロジェクションマッピング(PJM)とは,映像を立体物に沿わせて投影する表現方法である.本研究は文化財に関連情報をPJMで投影するという新しい展示方法を提案し,これにより文化財への興味・理解がどの程度変化するかの確認を目的としている.具体的には「バイダルカ」というアリュートが使っていた皮の船に当時の様子や歴史などを盛り込んだ映像を投影して展示を行い,鑑賞者の様子を観察し,アンケートを実施した.その結果,PJMを用いた展示は鑑賞者の興味・関心や理解を上げる効果があると確認できた.また,映像コンテンツに関してもアンケート結果に基づき一部再検討する余地があるということがわかった.なお,本作品は,2015年8月8日と同月23日に市立函館博物館で開催した特別展の一つとして,公開展示を行ったものである.
論文
  • 長尾 建, Kwan-Liu Ma, 藤代 一成
    原稿種別: 論文
    2017 年 46 巻 1 号 p. 176-188
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    大型ディスプレイによる映像表示には, その表示コンテンツを見る人の立ち位置によって, その視界に映る表示コンテンツの形状が歪んでしまうという問題が存在する. これは, 表示コンテンツを理解する際に大きな妨げとなる. 特に大型ディスプレイが電子看板広告として利用される際, その歪みは広告効果に大きな悪影響を及ぼす.さらに, 多くの往来者は最初から電子看板広告に対して関心を抱かずに横切るため, 既存研究での主な解決策である「視聴者の能動的な適切な位置への移動」という行動を要求できない. 本研究では, この問題に対して, 往来者に能動的な「適切な位置への移動」を要求することなく, 即時的に歪みの少ない映像を提供する手法を提案する. 具体的には, 大型ディスプレイの前の往来者の位置を認識し, 表示コンテンツがその位置に正対するよう実空間で回転したように見える表示コンテンツの形状とそれに合わせたレイアウトの最適化を実現する. 本研究では, 本手法にもとづく大型ディスプレイ広告システムを構築し, 設置現場における往来者の位置の認識の精度評価, シミュレーションによる各往来者の視界に映る表示コンテンツの歪みの低減の評価, そして被験者実験による広告効果への影響の評価を行い, その有用性を示した.
  • 宮本 敦, 細谷 直樹, 長沼 潤一郎, 小池 正浩
    原稿種別: 論文
    2017 年 46 巻 1 号 p. 189-196
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    原子力プラントでは,炉内構造物の健全性確認や予防保全などを目的とした炉内検査が定期的に実施されている.検査手段の一つとして原子炉圧力容器内に投入した水中カメラの動画像に基づく目視検査(VT)が実施されているが,検査者が欠陥候補を漏れなく検出するには,視認性の高い検査画像の表示が求められる.そこで本論文では,撮像時間の異なる複数の動画フレーム(低解像度画像)から一枚の高解像度画像を推定する再構成型超解像処理を提案する.動画フレーム間の対応画素の明度値は,撮像対象の見かけ上の変形や放射線ノイズの重畳などの要因によって変動する.提案法は各変動要因に起因する明度変化の統計モデルを組み合わせ,事後確率最大化(MAP)法により高解像度画像を推定する.試験片,炉内画像を含む7種類の実画像を用いて検証を行い,コントラスト・ノイズ比(CNR)向上2.4~6.4倍の効果を確認した.これによりVT画像の視認性向上を図ると共に,検査者の負担軽減が期待される.
  • 福里 司, 藤崎 匡裕, 加藤 卓哉, 森島 繁生
    原稿種別: 論文
    2017 年 46 巻 1 号 p. 197-205
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    本稿では,一枚の正面顔画像から太った状態や痩せた状態を予測するための肥痩変化顔画像を合成する手法を提案する.従来手法は,複数の顔画像で構成されたデータベースを用いることで,入力となる人物顔画像に対する肥痩変形を行っていた.しかし,これらの手法では顔画像から得られる情報(顔の表面情報)のみを扱い,人物の頭蓋骨形状や脂肪の付き方は考慮されていなかった.その結果,頭蓋骨の形状を無視した不自然な結果となってしまうことが課題として挙げられていた.そこで我々は,MRI画像を用いることでデータベースの拡張を行う.このデータベースを基に,入力となる正面顔画像から二次元頭蓋骨形状を推定し,推定された頭蓋骨情報を基づいた肥痩変形ルール及び制約条件を提案する.この手法を用いることで,入力人物の特徴を保持しつつ,自然な肥痩シミュレーションを実現する.
  • 鶴崎 裕貴, 亀田 昌志, プリマ オキディッキアルディアンシャー
    原稿種別: 論文
    2017 年 46 巻 1 号 p. 206-217
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    単一画像による超解像手法は,入力画像自身の情報を用いて拡大画像のエッジが高画質化されるものの,原画像に存在しない高周波成分を生成することができないため,複雑な構造を持つテクスチャの高画質化は困難である.一方,テクスチャの鮮鋭化を行う超解像手法では,ガウシアン処理に基づいたテクスチャのモデルを使用しているため,自然画像に適用するとノイズが発生する.本論文では,自然画像を対象とした単一画像の超解像において,テクスチャを鮮鋭化することのできる手法を提案する.提案手法では,Total Variation正則化の発散により得られる成分を用いることで原画像に存在しない高周波成分を発生させ,拡大画像のテクスチャの画質改善を行う.しかしながら,発散により生成される高周波成分はテクスチャ以外の領域で用いると視覚的妨害となってしまうことから,入力画像を空間領域上でテクスチャとその他の領域で分割することでこの問題を解決する.提案手法を自然画像に適用した結果,補間法や既存の超解像手法よりも鮮鋭で高画質なテクスチャを持つ拡大画像を得ることができた.
ショートペーパー
  • 平岡 透, 浦浜 喜一
    原稿種別: ショートペーパー
    2017 年 46 巻 1 号 p. 218-221
    発行日: 2017/01/30
    公開日: 2019/03/15
    ジャーナル フリー
    写真画像から縞模様の反応拡散模様風画像を生成するノンフォトリアリスティックレンダリングの方法を提案する.提案法は,フーリエ変換のローパスフィルタとアンシャープマスクを組み合わせた反復処理によって反応拡散模様風画像を生成する.提案法を用いることによって,輪郭線に沿って反応拡散模様を発生させることが可能となり,元の写真画像を想起しやすくなる.また,提案法はフーリエ変換のローパスフィルタのパラメータの値を変えることによって反応拡散模様の幅を調整することができる.提案法の有効性を検証するために,提案法のパラメータの値を変えた場合の反応拡散模様の発生の仕方をレナ画像を用いた実験を通して調べる.また,レナ以外のさまざまな写真画像から生成される反応拡散模様風画像の見栄えも視覚的に検証する.
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