画像電子学会誌
Online ISSN : 1348-0316
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47 巻, 1 号
選択された号の論文の30件中1~30を表示しています
随 想
創立45周年記念随想特集
祝 辞
人・動植物に関する画像関連技術とその応用論文特集
コーヒーブレイク
論文
  • 今渕 貴志, プリマ オキディッキ・アルディアンシャー, 伊藤 久祥, 亀田 昌志
    2018 年47 巻1 号 p. 31-40
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    視線計測機器は,眼球運動と脳の高次処理の関係の解明や人の行動分析,コンピュータの入力手法などで利用されており,現在においても,計測機器の高精度化と小型化が進んできている.本研究は,専用の視線計測機器を利用せずに,顔画像または動画像から視線方向を推定する手法を提案し,コンピュータの入力インタフェースとしての性能を十分に持つことを検証する.提案アルゴリズムはまず,顔画像に対して3次元顔モデルを当てはめ,頭部姿勢を求めた後,その頭部姿勢を考慮して目領域を抽出して歪みを除去する.次に虹彩の形状を円で当てはめ,その虹彩の中心座標と頭部姿勢をもとに,頭部の変動に対応して視線方向を計測する.検証実験では,11名の被験者に対して視線キャリブレーションを行った後,頭部姿勢を左右と上下に5°刻みの±20°方向に変化させて視線計測の精度を求めた.その結果,頭部姿勢の変化が5°以内では約2°,±5~±20°では約3.5°の視線計測精度を確保できることを確認した.

  • 吉田 大海
    2018 年47 巻1 号 p. 41-51
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    本論文では,線分表現に着目した鉛筆画像生成法を提案する.提案法では,鉛筆画像の輪郭をペンシルストロークマップで生成し,濃淡をLIC法 (Line Integral Convolution)で生成する.両方式は,いずれも鉛筆画の線分表現に優れているという特徴がある.ペンシルストロークマップは,短い線分の重ね描きにより優れた鉛筆画像の輪郭を生成できるが,図形の大きさに対して線分長が長すぎる場合,得られる輪郭が形状を損なうという問題があった.この問題について,本研究では入力画像を図形の大きさ毎にモルフォロジー演算で分類し,複数の線分長で輪郭生成を行うことで改善した.また, LIC法は入力画像の濃淡に基づいて,鉛筆画の基本技法であるハッチングを良好に生成できる.本研究では,さらに,このハッチングを重ねることでクロスハッチングが実現でき,平滑化フィルタを適用することでブレンディングが実現できることを示した.提案法では,この二つの方式を組み合わせて高品質な鉛筆画像を生成する.実験では,複数の従来法と比較し,提案法の有効性を示す.

ショートペーパー
  • 亀田 昌志, 石川 雄大
    2018 年47 巻1 号 p. 52-57
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    ノイズの付加によって質感が改善される画像が存在することが知られているが,適切な質感改善が得られるノイズの強度は画像内容によって異なっている.このとき,適切なノイズ強度を決定するために主観評価実験を行うことは,実験に要する負荷量の観点から困難である.本論文では,画像から求められる特徴量の一つであるフラクタル次元を用いて,記憶質感再現の観点で最適なノイズ強度を客観的に推定する手法を提案すると共に,一対比較法により提案手法の有効性を確認する.

  • 石井 雅樹, 藤野 慎也, 佐藤 俊太朗
    2018 年47 巻1 号 p. 58-65
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    近年,ロボットによる3次元環境地図構築の分野では,Kinectに代表されるような安価で手軽に使用できる距離画像センサの利用が注目されている.しかし,同センサは高精度な測定を目的としたセンサではないため,取得した深度情報に歪みが生じるといった課題を有している.著者らは先行研究において,屋内環境を移動するロボットを対象とし,自律的かつ高精度な3次元環境地図の構築を目的とした距離画像センサの較正手法に関する検討を行った.その結果,距離画像センサの深度の誤差はセンサの個体ごと,画素ごとに異なることを明らかにした.また,センサから得られる深度と実際の深度の比率には線形関係が存在することを明らかにし,近距離用及び遠距離用の2種類の線形関数を導出することにより深度の補正が可能であることを示した.しかし,先行研究では,遠距離を対象とした距離画像データの歪みが大きいため補正結果の精度が低いこと,また,近距離用と遠距離用の補正式の境界が不連続であり,誤差が生じるといった課題を残した.そこで本論文では,距離画像センサの較正手法に改良を加え,補正後の環境地図の精度について比較検討を行った.

  • 堀井 絵里, 藤代 一成
    2018 年47 巻1 号 p. 66-70
    発行日: 2018/01/30
    公開日: 2019/12/25
    ジャーナル フリー

    吹奏楽活動のなかには,演奏者が演奏しながら定められた経路に従って歩くことにより隊形を作る,マーチングとよばれる演奏行為が存在する.本論文では,市販のビデオカメラにより撮影されたマーチングの動画から,演奏者の移動経路の精度を視覚的に解析するシステムを提案する.本システムは,演奏者個人の移動経路を,物体追跡アルゴリズムを用いて同定し,さらにその演奏者が歩くべき経路と実際の経路の誤差を表示する.移動経路を解析する演奏者の選択や,移動経路が可視化された動画の再生は,専用のユーザインタフェースを介して容易に実行できる.対象とする演奏者が他の演奏者や楽器により遮蔽された場合でも,その演奏者が動画に再び現れるまで,それまでの移動ベクトルを用いて位置を推測することにより頑健に追跡を続ける.本システムにより演奏者は自身の歩行の改善点を知ることができ,その結果マーチングの隊形の完成度を高めることが期待できる.

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