小児急性虫垂炎の事例について,2021年4月21日,医師側の注意義務違反を認め,賠償を命じる地方裁判所の判決があった。
この事例は死亡事例ではないにもかかわらず,医療裁判になったものである。こうした裁判を100%回避するのは困難であるが,入院時の説明はポイントになり得る。
また,注意義務の内容は,腹部超音波検査や腹部CT検査を行うべきというものであったが,理解し難い。単独鑑定に依拠するものであり,大都市以外の地方裁判所の判決では,こうした事態は起こりうる。こうした事態を避けるため,都道府県ごとに医師団体が動き,裁判所と協力して,鑑定人として,複数の医師を推薦する制度を確立させることが急務である。
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