医療と社会
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15 巻, 4 号
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研究論文
  • 韓国の国立大学病院を対象に
    鄭 丞媛, 徐 栄浚, 李 海鐘
    2006 年 15 巻 4 号 p. 4_59-4_73
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/02/02
    ジャーナル フリー
     本研究では,韓国国立大学病院の患者満足度及びリビジット意思を決定する要因を調べるため,11ヶ所の国立大学病院の患者を対象として,自己記入式アンケートまたは,面接調査を行った。アンケートの内容は全般的な満足度とリビジット意思に影響を及ぼす要因として外来8項目,入院9項目に分類し,その各変数の下位変数として詳細要因変数の影響力を測定した。
     外来患者のリビジット意思の決定に最大の効果を及ぼす変数としては,健康の改善(0.242),全般的な満足度(0.231),医師要因(0.185),職員要因(0.158),の順で有意な影響を及ぼすと見られた。また,入院患者の場合は,健康の改善(0.241),看護師要員(0.193),医師要因(0.144),全般的な満足度(0.120),入院プロセス要因(0.102)の順で有意な影響を及ぼすと現れた。一方,リビジット意思に影響を及ぼす総効果には有意な結果が見られなかったが,全般的な満足度(媒介変数)を通じて,診療プロセス要因,職員要因,施設利用の利便性要因,入院生活の質的な要因などもリビジット意思に影響を及ぼすことが見られた。
     従って,患者の健康改善に対する期待に応じるためには,優秀な医療スタッフと設備を取り揃える努力が必要と考えられる。また,良質の医療サービスを提供すると共に,医師,看護師を含んだ全職員に対して,患者中心の経営マインドへの意識転換が必要になるだろう。一方,比較的長い間病院で生活している入院患者のためには,プライバシー保護及び施設環境の面でも細心の配慮が要求されると思われる。
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