医療と社会
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23 巻 , 1 号
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特集:ヘルスケアにおける連携(Ⅱ)
  • 秋山 美紀, 武林 亨
    2013 年 23 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2013/06/28
    公開日: 2013/07/05
    ジャーナル フリー
    診療所による在宅医療の実施状況を把握するとともに,診療所がどのような課題を認識しているのかを明らかにすることを目的に,7都道府県20地区・郡市医師会で,内科,外科,整形外科のいずれかを標榜する2990件の診療所を対象に質問紙調査を行った。回答を得られた1201診療所のうち,在宅療養支援診療所として算定の実績があったのは215施設(34%),届出のみ算定なしが43(7%),届出取り消し済みが5(0.8%),届出なしが367(58%)であった。2010年一年間の在宅看取りが一例以上あった施設数は409(59%),年間看取り数0は280(41%)だった。年間看取り件数が7件以上あったのは77施設で,全在宅看取りの62%を担っていた。在宅療養支援診療所の届出・算定を行っている215施設の46%(99施設),在宅療養支援診療所の届出を行っていない367施設の約50%(182施設)が年1~6件の看取りを行っていることから,現状の地域の看取りは,在宅療養支援診療所の届出の有無によらない幅広い診療所群が支えていると考えられる。看取り数上位10パーセンタイルに含まれる診療所の半数が,24時間体制を構築しており,地域における診療協力体制への関与を持ち,また地域医療連携に関わる職員も積極的に配置していた。とりわけ,看護・介護に関わる他施設とのカンファレンスの実施割合は高く,このことからも,在宅医療推進における地域連携,多職種連携の重要性が示唆される。
  • 惠上 博文
    2013 年 23 巻 1 号 p. 13-28
    発行日: 2013/06/28
    公開日: 2013/07/05
    ジャーナル フリー
    2006年第五次医療法改正に基づく医療計画制度の見直しにおいては,四疾病五事業ごとに各病期の医療機能を明確にした上,地域の医療施設が担う医療機能リストを作成して具体的な医療連携体制を構築することとなったことから,医療連携体制構築に向けた保健所の企画・調整機能を早急に強化する必要性が生じた。
    このため,地域における医療連携体制構築に向けた保健所の企画・調整機能の強化に資するため,全国の保健所の関与状況に関するアンケート調査で把握した先駆的事例に対して実施した現地ヒアリング調査結果を分析して,保健所が果たす役割,保健所と連携することのメリット,保健所が関与する際のポイント,市保健所の関与を促進する方策及び医療連携体制の評価の進め方を提言した。
  • 山口 典枝
    2013 年 23 巻 1 号 p. 29-41
    発行日: 2013/06/28
    公開日: 2013/07/05
    ジャーナル フリー
    高齢化の更なる進行や疾病構造の変化など地域医療連携ニーズの多様化に対応し,できる限り在宅で過ごしたいという患者・家族の要望に応えるためには,医療・介護サービスを提供する限られた人的資源を有効的に活用する必要があり,それを支える仕組みづくりが急務となっている。
    地域包括ケアの理念を踏まえ,なかでも在宅医療連携の協業におけるニーズを満たすためには,医師・看護師等によるICTを利活用した多職種協働とそれを支える情報基盤,さらにはその導入に伴う業務改革が不可欠である。
    ケアカンファレンスを中心とした多職種連携の実績が長く,地域包括ケアの先行モデルである「尾道方式」を,多職種間での情報共有やコミュニケーションに焦点をあてて考察したところ,成功の要件は下記の通りと考えられる。
    ①地域の施設がつながる幅広い連携ネットワークがベースとして構築されていること
    ②(患者・家族を含む)多職種チームメンバー間のコミュニケーションツールが提供されていること
    ③ラーニングオーガニゼーションとして機能可能な情報の流れや学びの仕組みがあること
    ④コアとなるチームメンバー以外の専門家の支援を仰げる仕組みが確立されていること
    以上4つの視点から,「情報共有およびコミュニケーションにおけるICT利活用の可能性」について検討し,限られた人的資源を効果的に活用する仕組を構築する際に参照可能なフレームワークと照らし合わせて,事例を分析する。
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