2015(平成27)年4月に発足した日本医療研究開発機構(AMED)は,政府の医療分野の研究開発の指令塔である健康医療戦略本部が策定する医療分野研究開発推進計画に基づき,一貫したマネジメント機能を持って,基礎研究から応用研究,実用化にいたるまで切れ目無い研究課題の実施を推進し,これにより,世界最高水準の医療サービスの実現及び健康長寿社会の形成に努めている。
研究開発費については,関係省庁が確保した補助金等の交付を受け,公募を行い優れた研究を選定して配分している。計画に位置づけられた,横断型と疾患領域対応型からなる9つの統合プロジェクトを縦横連携させて推進している。研究開発課題の評価・運営に当たり,その分野に関して優れた学識経験等を有するPD/PS/POを選任している。発足からの2年間余りにおいても,合算使用ほか研究費を機能的に運用できるようにするための改革や全課題共通の評価システムの構築,また,若手研究者の育成支援,データシェアリングの推進,国際連携の取組,政府出資を受けた新たな事業であるCiCLE事業の発足などに取り組んでいる。
当面の課題としては,AMEDが支援する研究開発課題を網羅的に把握・管理し,効率的なマネジメントを行うためのデータベース(AMS)の開発・運用や,AMEDにおける評価の質の向上を図るための公募への英語の導入とピアレビューの確立,などが挙げられる。
アカデミアと臨床と産業界,役所,患者さんその他様々な関係者の間をつなぐ橋渡し役として引き続き取り組む。
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