Journal of Inclusive Education
Online ISSN : 2189-9185
ISSN-L : 2189-9185
6 巻
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著論文
  • 小原 愛子, 荒居 日和, 岡田 直美
    2019 年 6 巻 p. 1-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、乳幼児保育・教育のカリキュラム評価に必要な要素について考察するために、保育所保育指針の内容をIN-Child Recordの14領域の観点と、「概念形成」、「才能発掘」、「子育て支援」の観点から分析した。乳児の保育のねらい及び内容は、「姿勢・運動・動作」、「コミュニケーション」が該当するものが最も多く、1歳児以上3歳未満の保育のねらい及び内容は「概念形成」と「コミュニケーション」、3歳児以上では、「概念形成」、「コミュニケーション」、「社会生活機能」が多く該当した。乳児は、運動機能が著しく発達し、首がすわったり寝返りをするようになったりと、概念形成の土台となる「姿勢・運動・動作」が重要となるため、カリキュラム評価の際はそれらについて取り入れることが重要だと考えられる。また、1歳児以上は、「概念形成」を行いながら言葉を獲得したり、思考力を深めたりするため、カリキュラム評価の際も「概念形成」に関して評価を行うことが必要だと考えられる。また、乳児から3歳児以上の保育・教育において「コミュニケーション」は常に重要となるため、コミュニケーションの観点も取り入れたカリキュラム評価を行うことが必要だろう。
  • 越智 文香, 越智 彩帆, 樫木 暢子, 苅田 知則, 加藤 哲則
    2019 年 6 巻 p. 10-26
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は肢体不自由児のキャリア教育で取り上げられる指導内容について整理し、実態に応じた指導内容について検討することを目的とした。全国の肢体不自由特別支援学校25校に、キャリア教育で取り上げられる指導内容についてのアンケートを実施し、因子分析や重回帰分析を行い、学部や実態等で比較を行った。因子分析の結果、キャリア教育で取り上げられる指導内容として、「健康の維持増進と心理的充実」「学力・認識力の育成」「社会性の育成」「家庭生活力の向上」「基本的生活習慣の確立」の5つの因子が抽出された。「健康の維持増進と心理的充実」が抽出されたことより、教員がキャリア発達と心身の発達との関連を意識していることが示唆された。重回帰分析の結果、各因子について学部や実態において有意差が確認された。近年は障害が重度化・重複化・多様化しており、各教員が児童生徒個々の実態を丁寧にとらえ、個に応じた指導をしていることが示唆された。指導内容が自立活動とも関連があったことから、自立活動とキャリア教育を関連付けて指導することにより、肢体不自由児童生徒のキャリア発達を促そうとしていることが推測された。
  • 韓 昌完
    2019 年 6 巻 p. 27-40
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル フリー
    本研究では、子どもの概念形成と才能発掘の実態把握を行うための構造化された評価ツールCRAYON Book (3~5歳Ver.)を開発することを目的とした。CRAYON bookとは、Child Rearing Assist for Your Needs book(ニーズに応える子育て支援book)を表している。 CRAYON Book (3~5歳Ver.)は、「環境と日常生活」、「概念形成」、「自己表現」、「理解」、「納得」の5領域を設定されている。幼児が置かれている「環境と日常生活」が「概念形成」の基盤となり、それが「自己表現(才能発掘)」につながると考えられる。幼児の「概念形成」には、大人の関わり方が重要であり「理解」という意識活動を通して、幼児の「概念形成」を促す。また、大人が幼児の「納得」を促すことで、「自己表現(才能発掘)」につながると考え領域を設定した。  今後、CRAYON Book(3~5歳Ver.)の信頼性および妥当性が検証され、構造化の仮説が検証されることによって、乳幼児が環境からの刺激を周囲の大人との相互作用によって自己表現として表出するまでのプロセスを分析し、保育・教育に必要な支援を計画するための評価ツールとして活用することが期待される。
  • 權 偕珍, 太田 麻美子, 照屋 晴奈
    2019 年 6 巻 p. 41-55
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    社会における障害理解を促進し共生社会を実現するためには、障害を人間の多様性として捉え、多様な人材を社会で活用するというダイバーシティの観点(日本経済団体連合会, 2002)から障害理解教育を考える必要がある(權・太田, 2018)。また、障害理解は人間理解そのものであり、障害理解の社会的向上を図るために次世代を担う生徒に対する教育が不可欠である(芝田, 2013)ため、次世代の教育者である教員養成課程の学生を対象とした障害理解教育カリキュラムの開発が必要である(權・太田, 2018)。 そこで、本研究では、現在カリキュラムの要素として挙げられている理念的領域と方法論的領域の内容を設定する事を目的とする。そのために、①. ダイバーシティ教育の観点に基づく障害理解教育カリキュラムに必要な理念的要素を設定する。また、②. ①で行われた結果を基に、現在日本の国立教員養成大学で行われている障害に関する授業のシラバスを収集し、設定した理念的内容と方法論的内容と対応分析する。
  • 下條 満代, 照屋 晴奈, 大城 政之
    2019 年 6 巻 p. 56-64
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    次期学習指導要領(2017年3月公示)において文部科学省は、「社会に開かれた教育課程」を重視すると示し、各学校における「カリキュラム・マネジメント」の確立や、幼・小・中・高等学校の教育課程との連続性を重視した。そこで本研究では「カリキュラム・マネジメント」について文献研究を行い、その観点から特別支援学校と特別支援学級、ついては知的障害者教育の教育課程を中心に、課題について明らかにすることとした。結果として、①カリキュラム・マネジメントの定義及び内容の具体化(体系化)、②特別支援教育における教育課程編成及びカリキュラム・マネジメントの具体化の2点の課題が明らかとなった。特に後者に関し「特別支援学校」「特別支援学級」と大きな枠組みで捉えるのではなく、今後は各教育現場に合わせた教育課程編成及びカリキュラム・マネジメントの内容の具体化を図る必要があると考える。また、知的障害者教育についてはその障害特徴により、より独自性が求められるため現時点の定義や抽象的な内容で述べることが難しい。次期学習指導要領の移行期間である今だからこそ、更なる具体化が早急に必要であることが考えられる。
  • 竹下 幸男, 渡邉 健治, 深田 將揮, 生野 勝彦
    2019 年 6 巻 p. 65-85
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、欧米の教育におけるインクルージョンとダイバーシティについて検討し、日本の小学校への訪問調査結果と比較することにより、日本のダイバーシティ教育の現状と、どのような課題があるのか明らかにすることを目的とした。そのために、以下のような研究の方法を採用した。1.インクルージョンとダイバーシティとがどのように関連し、インクルーシブ教育は、ダイバーシティという状態においてどのようにアプローチしようとしているのか検討する。2.ユネスコ、カナダ、イギリスにおけるダイバーシティ概念を抽出し比較検討する。3.海外において、どのようにダイバーシティへの取り組みが行われているかを、検討する。4.日本における外国人の集住地区や外国人の多い地域に絞って、小学校を訪問し、通常学級におけるダイバーシティの状況、日本語指導の必要な児童への取り組みについて検討した。
総説論文
  • 矢野 夏樹, 下條 満代, 權 偕珍
    2019 年 6 巻 p. 86-92
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル オープンアクセス
    自閉スペクトラム症(ASD)は、限局された興味関心や常同的・反復的な行動と社会的コミュニケーションや社会的相互作用の障害によって特徴づけられる神経発達症群の中の一つである。ASD者の就労しようとした際、対人関係にニーズを抱え、最終的に離職してしまうというケースが非常に多い。ASD者の就労を支援するためには、学校教育段階からのキャリア教育と職場でのASDに対する特性の理解に基づくマネジメントが必要となる。キャリア教育と職場でのマネジメントの双方を効果的に連続させていくためには一貫したアセスメントに基づいた個々人の特性把握を行わなければならない。そこで、本研究では、ASD者の特性と就労状況について概観し、キャリア教育に基づいて、学校教育段階から就労を見据えた実態把握と支援について考察した。韓, 沼館, 呉屋ら(2018)が開発したScale C3をはじめとして評価尺度に基づいた、社会的コミュニケーションについての支援や自身のこだわりについて自己理解を深めることが重要である。
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