本研究は, 医療的ケア児の支援において学校職員が感じる困難や不安なことを明らかにすることを目的に, 関東圏公立特別支援学校に勤務する学校職員を対象として質問紙調査を行った. 結果, これまでに経験したすべての施設の経験年数から,児に適した接し方, 家族の期待とニーズへの対応, 小児医療の情報や専門知識の3項目に有意差が示された. また, 特別支援学校での支援の経験年数からは, 親(保護者)との連携・協力体制の1項目に有意差が示された. さらに, 自由記述からは【児童生徒の学習・教育の平等と保障】【医療的ケアの支援体制の構築】【感染防止策・緊急時の対応】【医療的ケアの質を担保するための課題】【医療的ケアニーズの多様性への対応】の5カテゴリーが生成され, 学校職員が感じる困難や不安なことが明らかになった.
これらの結果を踏まえ, 特別支援学校の医療的ケア児の支援のあり方について論じた.
抄録全体を表示