Journal of Inclusive Education
Online ISSN : 2189-9185
ISSN-L : 2189-9185
最新号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
ORIGINAL ARTICLES
  • ―災害派遣の経験から災害看護教育の向上をめざして―
    野中 良恵, 松永 妃都美, 高橋 公一, 柴山 薫, 秋永 和之, 石橋 秋奈, 福山 由美, 新地 浩一
    2021 年 10 巻 p. 1-16
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    災害支援ナースが被災地で活動する際に重要と考える活動を明らかにし、教育内容の向上に役立つ示唆を得ることを目的に研究を行った。派遣群と非派遣群の2群間において、有意差があった項目は4項目であった。そのうち派遣群が重要と考えていたのは「福祉避難所入所対象者の入所(移動)の依頼」、「トイレの設置・整備」、「掃除・ゴミ捨て」の3項目であり、非派遣群が重要と考えていたのは「清潔保持の援助」であった。派遣経験のある看護職が、被災地で実際に行った活動の経験を派遣経験のない災害支援ナースと共有することが肝要と考える。 今後の災害支援ナース研修の実践編では派遣者が重要と考える項目を重点的に教育することで、より実践的な災害看護研修になることが示唆された。
  • 宮城 愛美, 王 鑫, 香田 泰子
    2021 年 10 巻 p. 17-28
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    ベトナム社会主義共和国(以降、単にベトナムと言う)では、教育における障害者の平等な参加を規定した「障害者法」が2011年に施行され、インクルーシブ教育に関する法や学校の整備が進んでいる。ベトナムにおける視覚障害学生の修学状況を明らかにし、学修環境改善のための知見を得ることを目的に、ベトナムの大学10校に在籍する視覚障害学生16名を対象にインタビューを行い、学修の状況と課題について調査を実施したので報告する。調査の結果、大学による組織的な対応は障害者法に基づいた最小限の経済的支援(学費の減免、奨学金の優先的授与)に限定されていた。一部の教員による授業・試験の配慮、学習資料の提供に関する支援を除けば、障害に関わる修学上の困難の多くを学生本人の自助努力により対処している状況が明らかとなった。各大学において修学支援の専門組織、担当者、規則の設置が必要である。それらの運用と共に、教職員の啓発と学内外の人的・技術的リソースの活用が、視覚障害学生の学修環境を改善する糸口になると考えられる。
  • ―内容的妥当性の検証と主観的評価尺度のプレテストによる 信頼性の検証―
    韓 昌完, 太田 麻美子, 金 彦志, 權 偕珍
    2021 年 10 巻 p. 29-42
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の全体的な体系として、大学における学修成果指標として「Employability based on Student Learning Outcome; ESLO」を作成し、主観的・客観的側面を踏まえた評価方法を確立することを目的とする。本論では研究の全体像のうちESLOの構成概念の検討を第1の目的とし、検討した構成概念に基づき主観的評価尺度(試案)の作成及び内容的妥当性と信頼性検証までを第2の目的とした。 ESLOの概念を構成するために経済産業省が提唱する「社会人基礎力」やThe Partnership for 21st Century Learningが提唱する「21st-Century Skills」や「21st Century Learning」、ハーバード大学が提唱する「Employability Skill」などの概念を整理・検討した。その結果、ESLOの構成概念を「自己理解・自己管理能力」、「イノベーション力」、「情報・メディア・テクノロジーリテラシー」、「国際力」及び「専門力」の5領域15下位領域で構成した。ESLOの構成概念に基づいて主観的評価尺度(試案)の項目を作成し、尺度開発の専門家及び学部学生を対象に内容的妥当性の検証を行った。国公私立の3大学で122件のデータを収集し、内的整合性法を使用した信頼性検証の結果、全項目及び各領域でα> 0.700(α=0.755~0.971)となり信頼性が確認された。
SHORT PAPERS
  • 鈴木 徹, 小池 孝範, 北島 正人, 山﨑 義光
    2021 年 10 巻 p. 43-52
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では、放課後等デイサービス事業所における新型コロナウイルス感染症対策の実態を把握することを目的とし、A市の放課後等デイサービス事業所を対象に、休校期間および休校期間明けの感染症対策に関する質問紙調査を実施した。その結果、殆どの施設で感染症対策を実施しており、そのことが職員の仕事量を増加させていたこと、感染症対策としては手指消毒や換気が多く、密にならない環境づくりは行えていないことなどが明らかになった。これらの結果を踏まえ、今後の放課後等デイサービス事業所における感染症対策の在り方に関して論じた。
  • 甲斐 日奈子, 權 偕珍
    2021 年 10 巻 p. 53-59
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    障害のある子どもが十分に教育を受けられるために、教育現場において障害を理由とする差別の禁止、合理的配慮の提供が求められている。都築・小田・青柳・岩田・相羽・吉田(2015)は、学級に在籍する特別なニーズを必要とする子どもへの適切な合理的配慮や指導はすべての教員が身につけるべき事項であり、教員養成段階で習得しておくことが望ましいと報告している。しかし、教員を対象とする合理的配慮に関する意識調査の研究は行われているが、将来、教員を志望する学生を対象とした合理的配慮に関する意識調査は見当たらない。 そこで、本研究では、教員養成段階での合理的配慮に対する意識の現状を明らかにするため、A大学、B大学の教育学部に在籍する学生を対象とし、質問紙調査を実施した。その結果、全体的に合理的配慮に対する意識が高いことが明らかになったが、公平性に関する質問項目において合理的配慮における認識の違いが見られた。今後、合理的配慮における公平性の概念について深く理解していくことが望ましいと考えられる。
  • 小原 愛子, 韓 昌完
    2021 年 10 巻 p. 60-69
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    世界的に乳幼児教育が重要視される中、子どもの概念形成と自己表現の観点から実態評価のできるCRAYON BOOKが開発された。しかし、子どもの空間概念の形成についての実態把握を行うツールは開発されておらず、現在、課題となっている。空間概念は、算数や数学といった学習とも関係していることから、乳幼児期からの教育の必要性が示されている。そこで、本研究では、子どもの空間概念について日常的に実態把握することができるようなツール開発を行うために、これまでの先行研究を整理したうえで、国の示す乳幼児教育の指針や要領、及びCRAYON BOOKの領域等との対照分析を行うことにより、構成概念の検討をすることを目的とする。科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)を用いて先行研究を検索した結果、34件が分析の対象となった。それらについて論文の種類や研究目的、研究方法、子どもの特徴などの観点から研究動向を整理した結果、乳幼児教育における空間概念の構成要素として、「方向概念」「空間的視覚化」「空間的関係」の3つがあることが示唆された。また、空間概念のツール開発を行う上では、CRAYON BOOKの既存の項目を参考にしつつ、国の指針・要領等の内容を踏まえた上での項目設定及び尺度開発が必要であることが明らかになった。
ACTIVITY REPORT
  • ―CRAYON BOOKの数概念の観点に基づいて―
    岡田 直美, 磯部 一恵, 太田 麻美子
    2021 年 10 巻 p. 70-80
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/30
    ジャーナル オープンアクセス
    乳幼児期における数に関する経験は、好奇心、想像力、柔軟性、発明、粘り強さなどの性質を開発するのに役立つとされている。特に、数概念の構成要素の1つであるカウント(”Counting” 又は “one-to-one counting”)は、小学校入学前の経験で多くの子どもが持っているとされている。しかしながら、これまで日本で行われてきた数概念に関する実践研究において、ほとんどが3歳児以上を対象としており、0~2歳児を対象としている研究は少ない。そこで、本研究では2歳児を対象としてカウントに関する実践を行い、対象児に見られた数概念の変化を報告することを目的とする。 乳幼児期の概念形成を測るCRAYON BOOKの数概念の項目を参考に、2歳児を対象としてCRAYON BOOKの数概念の観点を取り入れたカウントに関する教育実践を行った。加えて、数概念に関しては、指導を行うときには何らかの働きかけによる認識が必要とされていることから、保育士の働きかけや日常的な環境構成なども含めてカウントを促す事を意識した教育実践を行った。
feedback
Top