情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
第12回情報プロフェッショナルシンポジウム
選択された号の論文の29件中1~29を表示しています
第1日目 2015.12.10(木)
セッション A1 3i研究会
A11
  • そして目指す企業への成功因子
    屋ヶ田 和彦, 小山 由美子, 土田 哲平, 野口 尚志, 岡 紀子, 塚原 徹也, 三上 正士
    p. 1-6
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
     良い会社とはどのような会社であろうか?本研究では、良い会社を「財務効率性」、「社会性」、「人材育成」における数値指標で評価し、同時に、特許・文献などの技術的因子、営業拠点数、広告宣伝費などの営業的因子、さらには変化への柔軟性などの成功因子をも数値化して、その関連性を調べた。そして、会社の評価指標である結果系指標を目的因子に、技術的因子などのプロセス系成功因子を説明因子として、直線回帰による相関性を評価する事で、目指す会社への「道標」を得る事ができないか検討した。
     モデル業界としてトイレタリー業界の10社を選定し、その中から、「財務効率性」、「社会性」、「人材育成」に優れた会社を選び、それぞれどのような取り組みを行っているかの調査も加える事で、目指す良い会社となるための方策を提言した。
A12
  • ~ドラッグストアチェーンを事例として~
    井脇 俊, 宮城島 匡章, 山根 深一, 小泉 真理, 原田 雅子, 米陀 正英, 高野 奈菜子, 今野 奈津子
    p. 7-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
     企業の経営課題解決において、企業内部で困難な場合に外部の者が依頼を受けて問題を解決するための支援を行うことがある。その実行に必要な能力としては、幅広い情報収集力、課題への考察力、説得力のある提案力などが必要となる。また、社外の立場ならではの既存概念に縛られない提案が求められている。
     そこで我々は、社外のコンサルタントとして依頼を受けた想定で、データベースと分析ツール等を利用して情報収集および課題整理を行い、課題解決を支援することを試みた。
     実施範囲は、(1)調査・情報収集、(2)課題の明確化、(3)仮説構築、(4)仮説検証、(5)解決策提案までとした。現状分析のための情報収集をデータベースにより行うことで、業界、自社、競合の状況が整理される。次に分析ツールにより財務や経営戦略の観点から企業課題の明確化を行う。通常は内部へのヒアリングと事例収集により、課題解決策の仮説を検証するが、本研究ではこれを省略し、公開情報のみに基づいてストーリーに沿った分析をおこなって課題解決策を提案した。
A13
  • 空気清浄機を事例として
    岡本 耕太, 清水 裕史, 津田 英隆, 仲 美津子, 伏見 祥子, 堀口 泰
    p. 13-18
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    新事業創出のためには、公開情報を正しく把握、適切な分析を行うことによって効率よく行う必要がある。本報告では、筆者らは空気清浄機を研究、製造、販売する電機メーカA社の経営企画担当者であると仮定して、公開情報を分析して新事業創出のための提案を作成する手法の検討を行った。手法の検討にあたっては、以下(1)~(3)の観点からのアプローチを行った。(1)A社空気清浄機技術の強み、(2)空気清浄機技術と既存技術の組み合わせ、(3)社会ニーズに対応する技術
セッション B1 XML
B11
  • 新たな最新情報の選択的収集・提供サービスの実現を目指して
    桂 啓壯
    p. 19-23
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     インターネットのWebページ上には、様々なRSS feedsが掲載され、特に最新情報の配信に使われている。RSS feeds をチャネル毎に一括受信するいわゆるaggregator/reader ではなく、feedのアイテム一点一点を結合(combine)、混成(mix)、選別(filter)、並べ替え(sort)等のできる複数のRSS combiner toolを用い、利用者が必要とする主題の最新情報に限定し、収集・提供するサイトの可能性について触れるものである。既存のSDIやCurrent Awareness Serviceと同様な機能をRSS combiner を用いてさらに洗練されたサービスを実現することが可能となる方法を提示する。
B12
  • 学術情報XML推進協議会JATS規格検討分科会の検討
    時実 象一, 黒沢 俊典, 山田島 誠, 宮川 謹至, 亀井 威則, 星 正道, 中西 秀彦, 楠 健一, 武部 竜一, 中原 康介
    p. 25-28
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     学術論文流通のためのXML規格JATSは、国内電子ジャーナル・プラットフォームJ-STAGEでも採用されるなど、国際的に普及している。このJATSをベースとして、学術書籍を記述できる規格Book Interchange Tag Suite (BITS) が最近バージョン1.0として米国国立医学図書館 (NLM) より公開された。日本・韓国・中国などの書籍は、奥付など欧米の書籍と異なる慣習がある。また索引にも和文索引・欧文索引・混合索引などさまざまな形式があり、これらをXMLで適切に記述するためにはBITSの拡張が必要なので、検討して提案をおこなった。さらに、BITSの要素 (タグ) はJATSとの整合性を重視するあまり、論理的に問題あるレガシー要素名が見られるので、その改良も提言した。
セッション B1 図書館
B21
  • 長塚 隆
    p. 29-33
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    デジタル化の進展により、情報センターや図書館の役割は大きく変化しているといえる。そのことは、大学での情報学や図書館学の教育内容に大きな影響を与えている。世界各国の情報学や図書館学に関係する教育機関では、カリキュラム(教育内容)を情報学に関係する授業の充実、デジタル社会で必要とされる専門的な知識の習得、国際的な関心や経験の習得などに対応したものするための努力がなされている。なかでも、国際的な関心や経験の習得などが実現できる実習や実体験(海外インターンシップ)をカリキュラム(教育内容)のなかで、実現することが求められているといえる。本発表では、鶴見大学のドキュメンテーション学科(情報学、図書館学、書誌学の3コースで構成されている)での選択授業である特別実習IIとして、台湾の姉妹校である世新大学で実施されている国際インターンシップでの学生間の交流の経験を通じて、得られた成果について紹介し、今後、情報学・図書館学分野のカリキュラムで授業としての「海外インターンシップ」をどのように位置付けてゆくのが良いのかについて考察した。
B22
  • 市民の健康情報リテラシー向上のために
    佐藤 正惠
    p. 35-39
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
     日本は世界に類を見ない高齢化社会を迎えようとしており、厚生労働省は日本の医療機関に対し、ベビーブーマー世代が後期高齢者を迎える「2025年問題」に向けたロードマップで、各機関の役割明確化と在宅医療を推進している。
     病院内の図書室は、医療法第22条により地域医療支援病院に設置が定められた共同利用施設であり、院内および地域の医療従事者に学術支援を行う役割がある。
     また病院内に患者のための図書室(以下、患者図書室)を設置する動きが増加しているが、これは「がん対策基本法」により、がん診療連携拠点病院や自治体には患者への医療情報提供が義務付けられたことや、「健康増進法」制定、患者サービスの一環等の理由による。
     病院図書室には、医療における1990年代からの根拠に基づく医療(EBM:Evidence based Medicine)推進の流れを受け、医療従事者や患者への科学的根拠のある情報提供が求められてきたが、一般市民にとっても、健康情報リテラシーの向上は喫緊の課題である。
     図書館員の役割として、利用者に積極的に溶け込んで情報サービスを行う「エンベディッド・ライブラリアン」が注目されている。
     本稿では、患者図書室の状況や役割を概観し、さらに自治体や公共図書館との連携・患者会や地域などへエンベディッドして活動する図書館員の役割と課題を考察する。
セッション C1 引用
C11
  • ―化学雑誌のアンケート調査
    仲本 秀四郎
    p. 41-45
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     1967年、1982年につづき、化学誌8誌を対象にアンケートを行い、評価指数を求めて、引用数とその誘導指数との比較を行い、引用評価の信頼性を確かめた。評価の尺度として求めたものは、一対比較法によるアンケートを150研究者に送り、その判断を統計処理して、評価指数に数値化した。検定する引用統計はJ.C.R.からの一般性の高いものである。両者の相関を求めた結果は、immediacy index が高く、逆にimpact factor が低かった。それぞれに、理由のあることで、評価の特性に立脚している。評価の数値として、引用数とともにそれぞれの誘導指数は魅力があり、引用統計が評価に対して有効であるとの有意な結果が得られた。
C12
  • 引用情報と公報の類似度に着目した特許調査方法
    安藤 俊幸, 平川 雅彦
    p. 47-52
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     特許調査において引用情報と特許公報の類似度を組み合わせて利用して調査精度の向上と調査の効率化を検討した。
     最初に予め登録になった注目特許を選び商用データベースで引用マップと類似検索機能を検討した。(1)引用マップ(審査官引用)の集合と(2)類似検索の集合を比較すると類似検索の集合に含まれる引用特許は意外に少ないことが判明した。引用文献は審査の過程で発明のポイントが近いとして実際に使われた公報である。ただ引用情報(審査官引用)は審査が進む過程で発生するためかなりのタイムラグがある情報であり公報発行直後の段階ではあまり使えない。また審査されない公報には引用情報は無い。この引用情報の無い場合でも公報間の類似度を計算し類似の公報からスクリーニングすることによる精度向上と効率化を検討した。
     引用情報と公報の類似度の応用として公報の位置関係を3次元空間上にプロットしそこに引用/被引用関係をライン表示させて同時に可視化するマップ作製方法を工夫した。
セッション C2 教育利用
C21
  • -看護師養成課程および栄養士養成課程を対象として-
    田中 雅章, 神田 あづさ, 内田 あや, 松尾 徳朗
    p. 53-58
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     平成27年4月より38冊のデジタル教科書を導入した。多くの学生はデジタル教科書を良いと評価していた。にもかかわらず、学生はデジタル教科書よりも紙の教科書を支持した。その理由は、ほぼ全員が日常的にスマートフォンを使っている世代ではあるものの、デジタル教科書の機能を有効にするための使い方をよく理解していなかったり、タブレット端末をうまく操作できない学生がいるため、このような回答になったと考えられる。
     デジタル教科書の導入効果を発揮するには、利用者に対するフォローが必要不可欠である。学生がデジタル教科書を活用する方法を身につけることで、デジタル教科書がより有効に活用できると思われる。
C22
第2日目 2015.12.11(金)
セッション A2 特許分析1
A21
  • 高岡 恵理, 安藤 俊幸
    p. 67-71
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     特許公報間の技術の類似度を評価する手法として、発明の名称、要約、請求項等の文章情報をテキストマイニングし、切り出した用語の出現頻度、出現文書数から重み付けを行った上で公報間類似度を計算した。各公報間の類似度は非計量多次元尺度法により距離に換算し二次元空間にプロットする類似度マップを作成、評価した。
     テスト集合に電動歯ブラシ関連公報を、用語の切り出しでは、専門用語(複数の名詞が結合した複合語)として抽出した場合と、形態素解析MeCabにて品詞単位で用語を抽出した場合とで比較したところ、形態素解析にて作成した公報間類似度マップの方が、目視判断に近い結果となった。これは、公報文内において使用される専門用語の揺れが、形態素単位で細かく分割したことで修正された為と考えられる。
     目視による結果に近い類似度マップ作成手法について、用語の統制、特許分類の利用の観点等からも考察を進めたので報告する。
A22
  • Boolean検索、テキストマイニング検索、俯瞰可視化NWA及び引用被引用NWAの複合検索
    桐山 勉, 藤城 享, 栗原 健一, 川島 順, 長谷川 正好, 渡邊 彩
    p. 73-78
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    特許情報分析の技術進歩が激しい。60年も前からあるBoolean検索が相変わらず主流ではあるが、概念検索に応用されているテキストマイニング技術の応用進歩が著しい。また、最近では俯瞰可視化分析においてネットワーク分析(NWA)が見られる。一方、引用被引用分析では前後1世代だけでない2-3世代の分析も見られるようになった。特に、昨年の秋の特許情報フェアにて前4世代・後4世代の合計9世代のネットワーク分析(NWA)が日本市場に出現した。このような急激な環境変化の下で、特許情報分析の技術を4つの観点((1)Boolean検索、(2)テキストマイニング応用検索、(3)俯瞰可視化NWA分析、(4)引用被引用NWA分析)からパテントドクメンテーション部会にて研究を行った。事例テーマとして、A)自動車の自動運転、B)免震・耐震・制震、C)貴金属接点SW、D)炭酸ガスの固定などの複数の事例テーマにて研究中である。INFOSTA-SIG-パテントドクメンテーション部会活動報告として発表する。
A23
  • 特許情報を用いたテキストマイニングによる動向解析の紹介
    平川 雅彦, 安藤 俊幸
    p. 79-84
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
    最近、自動ブレーキが軽自動車にも搭載されるようになってきた。そこで、自動ブレーキに関して日本国内での主要技術を調べ、中国国内と技術動向を比較するため、特許情報を活用し、テキストマイニングを用いて解析を実施した。
    自動ブレーキに用いられる特徴語の全体像をKHCoderの多次元尺度法で解析し、レーダなどによる障害物認知手段と速度関連のKWに特徴があることが分った。これらのKWと出願人の対応分析を特定のKWが指定できるMiningAssistantを用いて実施した。その結果、富士重工業とトヨタでは自動ブレーキに対する姿勢が異なることが判明した。富士重工業はアイサイトで象徴される前方障害物に対する制動制御を実施しピタリと止める技術を志向している。一方、トヨタでは自動運転の一部として制動制御を目指していた。
    中国国内では駐車場のパーキング用自動ブレーキ、坂道発進でのすべり下り防止用ブレーキなどが多く、これらを除き衝突防止の自動ブレーキに関する特許を抽出し解析した。一般的な特許が多く、特徴的な特許は少なかった。
セッション A3 特許分析2
A31
  • 中国語テキストマイニングを用いた原文分析
    袁 方, 小林 義典, 安藤 俊幸
    p. 85-90
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     近年世界最大の出願件数を有する中国特許文献を網羅的に調査することは、現地企業を中心とする中国市場での技術動向を把握する上で重要な意味を持つ。しかしながら、膨大な件数の特許情報の確認、分析に対して時間と工数の確保が課題となることは言うまでもない。
     特許情報の内容を機械的に把握する手段としてテキストマイニングが有効であることは周知である。しかし、中国特許に対して有効に分析でき、かつ普及しているツールはまだ少ないのが現状である。
     本報では中国特許に対して、中文環境下でテキストマイニング手法を用いて精度よく分析できる環境を模索する。特に、その中でもテキストマイニングのタームの抽出段階で極めて重要な「分詞(分かち書き)」に着目し、いくつかの入手可能なツールを比較評価するとともに、現状の課題も明らかにする。
     加えて、選定したツールを用いて空調分野での特許を分析し、出願動向などの把握を試みる。
A32
  • 使い捨ておむつに関する調査
    永井 幸枝, 佐藤 芳広, 小林 久恵, 佐々木 眞悟, 佐藤 貢司
    p. 91-96
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     商品の市場が成熟し普及するとメーカーごとの商品の個性がなくなり、消費者にとってはどこのメーカーの品を購入しても大差ない状態になり、一般的には価格競争に陥る。このような状態をコモディティ化という。しかし、そのような状態を経た後でも次々と新商品が発売される“多品種のコモディティ”が存在する。使い捨ておむつもその一例であり、40年以上前から市場が形成され、一時出生人口の低下により価格競争を経たが、現在も新商品が続々と開発・発売され、大手5社がその市場の殆どを握っている。
     本研究は、まずコモディティの定義及び使い捨ておむつがコモディティに該当するのかどうかを確認した。次に、一般情報及び知財情報を用いて、各社の取り組みを明らかにした。この調査結果は、多品種のコモディティ商品を扱う企業の今後のビジネスにも参考になると考えられる。
A33
セッション B3 知識ベース
B31
  • オープンデータ推進による公共情報の再発見
    本田 正美
    p. 103-107
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
    主に公共機関が保有するデータを自由に二次利用可能な形式で公開し、その利用の促進を図るオープンデータの推進が世界的な広がりを見せている。このオープンデータの取り組みは、アメリカのオバマ政権におけるオープンガバメントの試みの一環として展開された施策にひとつの始原を見出される。この取り組みは日本政府にあっても展開されるところとなり、特に自治体レベルで広がりを見せている。オープンデータを推進する上では、公共機関が保有する公共情報の管理と整理が必要とされる。そして、この管理や整理を行うことは、従来の情報公開制度化では埋没してしまっていた公共情報の再発見につながることになる。
B32
  • JST情報資産のRDF化および分析基盤の構築
    渡邊 勝太郎, 木村 考宏, 川村 隆浩, 松本 尚也, 佐藤 智宣, 櫛田 達矢, 松邑 勝治
    p. 109-114
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
    JSTでは、文献、特許、研究者等の情報資産を生かし、日本国内の研究開発の成果・現状をエビデンスベースで把握する、知識インフラ構想を進めている。この一環として、JST情報資産をRDF化したサービス「J-GLOBAL knowledge」を構築した。本発表では、J-GLOBAL knowledgeの概要とJSTで利活用の現状について紹介する。
B33
  • 科学技術白書の時系列分析
    小柴 等, 林 和弘
    p. 115-118
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
     公共機関の保有データに関するデータのオープン化は世界的な潮流であり,我が国においてもdata.go.jpやRESASなど,オープンデータに関する取り組みを進めている.しかしながら,国家行政データの分析・利活用例,特に自然言語で書かれた非定型な行政文書についてのデータ分析・利活用例は多くなく,データの有する可能性が十分に示されていない.そこで,本論文ではデータ利活用の促進を目的として,非定型な国家行政データの分析例を示した.具体的には文部科学省の科学技術白書を対象として,白書で取り扱われている話題(トピック)を自動で分類するとともに,その変遷を検出・可視化した.分析結果からは,政権交代に伴って白書の内容が大きく変化した様や,予算,人材,研究領域などの話題の変遷が,人間に理解できる形で検出できた.これにより国家行政データに対する分析の有用性とデータ価値との一端をそれぞれ示した.
セッション B4 アーカイブ
B41
B42
  • 三浦 和己, 佐崎 順昭, 中西 智範, 松山 ひとみ, 大関 勝久
    p. 123-128
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
     映画の製作及び流通には、これまで映画フィルムが用いられてきたが、近年デジタル化が急速に進展し、デジタルデータとして扱われることが主流となった。デジタルデータは保存用のメディアやフォーマット、あるいは活用時に必要とされる技術的な環境が頻繁に変化するため、これを長期間、例えば100年という期間において保存し、再生可能な状態に保つことは容易なことではない。
     これらの問題に対し、東京国立近代美術館フィルムセンター デジタル映画保存・活用調査研究事業班では、文化庁「美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業」の補助を得て、デジタル映画の保存・活用に関する調査研究を実施している。本発表では、欧米における取り組み状況の紹介を中心に、デジタル映画の保存・活用に関する動向について報告する。
B43
セッション C3 非欧米特許1
C31
  • 韓国特許CPC特許分類の付与分析とその活用
    田畑 文也
    p. 135-140
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     韓国特許については、その内国人出願数の増大及び技術レベル向上による特許的脅威の増大が問題になっているが、クレーム以下はハングル原文または機械翻訳の英文のみである。そのため、韓国特許を網羅的に、かつ精度よく調査することは困難であるが、2015年4月より、CPC (Cooperative Patent Classification) が、韓国特許庁より付与開始され、IPC (International Patent Classification) のみを用いるよりも、より精度良く調査できる環境が得られるものと考えられる。
     2015年10月時点では、新規発行の韓国公開特許公報のCPC付与は6割程度でしかない過渡期の状況であるが、韓国特許へのCPCの付与実態等を検証したので、ここに報告する。また、韓国特許庁系DB(データベース)であるKIPRISにおけるCPC階層検索対応有無など、CPCを用いて調査する際の注意点もまとめた。
C32
  • 出願ならびに調査に関する留意点
    藤田 明, 中西 昌弘
    p. 141-145
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     ブラジルはBRICsの一員として、近年順調な経済成長を続けており、それにともない特許出願件数も増加傾向にある。しかしながら、ほとんどの分野で審査に10年を要していると指摘されている。また、ブラジル特許庁の公開する情報はポルトガル語表記であるため、ブラジル出願特許を検索する際に拠りどころとなるのは国際特許分類(IPC)である。ところが、IPCが十分に付与されているか、また、技術内容をきちんと反映していることを確かめない限り、信頼度の高い検索は期待できない。本報告では、出願後権利化までに要する期間とIPC付与の実態の2点について調査した。
     調査の結果、出願から登録までに要する期間は分布があり、平均でも約9年になることが明らかになった。また、IPC付与の個数とその精度は、アジア諸国の特許庁で付与される場合よりは信頼性が高いと考えられるものの、IPC単独で検索するには十分でない。
C33
  • タイ語、ベトナム語、インドネシア語のテクニカルターム収集による検証
    佐野 浩太郎, 中西 昌弘
    p. 147-152
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     従来、英語を公用語としない新興国の特許調査を行う場合、商用データベースで英語キーワード、あるいは、IPC(International Patent Classification)を用いて検索されてきた。しかし、上記手法では他国にファミリー出願がされていない新興国特許の検索が困難である。そのため、侵害予防調査などを行う場合、原語キーワードを用いた検索で補完する必要がある。
     本報告は、原語キーワードを用いた検索の網羅性を向上させる提案に関する。具体的には、ファミリー型(ファミリーを1レコードとして構成された)商用データベースの検索結果から得られたファミリー出願(タイ、ベトナム、インドネシア)から原語キーワードを抽出する。そして、抽出した原語キーワードからの異表記、あるいは、ワイルドカードを用いた表記の検証例を紹介する。さらに、IPCのみを用いた検索で生じる検索漏れの現状を示す。
セッション C4 非欧米特許2
C41
  • 伊藤 徹男, 雙田 飛鳥, 黄 瑞賢
    p. 153-158
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     東アジア、中でも中国の特許、実用新案の出願数はここ数年急激な伸びを示し、2014年特許では約92万件、実用新案では約86万件という数字が中国特許庁から発表されている。
     このような大量の情報を効率的に処理するためには、生死情報を活用してまず権利ある、生きている特許や実用新案を確認するなどの手法が有効である。2015年から日本版CNIPRや中国版CNIPRでもこのような生死情報をはじめとした法律状態情報を検索して絞込みなどができるようになったので、その活用方法を法律状態関係用語の定義と共に紹介する。
     他方、従来から存在する「法律状態検索」のデータベースでは、個々の公報番号からその審査経過情報や生死情報が確認できる(検索結果を絞り込むなどはできない)が、CNIPR検索データベースからの法律状態検索と若干異なる結果も得られているのでこれらの点も明らかにする。
     また、台湾特許庁データベースであるTWPATや商用データベースであるWEBPATでも生死情報を限定して絞り込んだりすることが可能になっているが、法律状態用語の意味内容などが充分には知られているとは言えないので、この点についても紹介する。
C42
  • 佐野 浩太郎, 前田 佳治, 石田 政司, 伊藤 徹男
    p. 159-164
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     従来、中国・韓国の特許文献の調査で行われていた機械翻訳を含む英語情報を用いた検索(及び査読)では漏れが発生する。そのため、中国語やハングルによる検索で補完する作業が必要となっている。
     そのような状況のもと、日本特許庁では、中国・韓国特許文献を日本語で検索し、日本語で全文が表示できる「中韓文献翻訳・検索システム」(以下、「JPO中韓システム」と略)の提供を開始した。これにより、調査担当者だけでなく開発者などが容易に中国・韓国特許文献を検索し、内容を査読できる。
     本報告では、開発者などが「JPO中韓システム」を利用して中国・韓国特許文献を査読する際の活用法を提案する。具体的には、「JPO中韓システム」の機能の概略を紹介し現段階で考えられる有効な利用方法を提案する。加えて、機械翻訳された収録内容の検索精度(翻訳異表記・誤表記)を複数の技術分野で検証し、特許文献を検索し翻訳文を査読する際の留意点を明らかにする。
C43
  • 収録率及び翻訳不良の文法的な観点からの検証
    西尾 潤, 雙田 飛鳥, 石田 政司, 伊藤 徹男
    p. 165-170
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/04
    会議録・要旨集 フリー
    電子付録
     日本特許庁から提供されている「中韓文献翻訳・検索システム」には、中国・韓国特許文献が機械翻訳で日本語に変換されて収録されている。そのため、公報番号を入力するだけで、誰でも中国・韓国特許文献を日本語で査読できるようになった。このことは先行技術文献調査やSDIの場面における進歩である。
     ところが、同システムにおいて未収録があったり、誤訳を含んだまま収録されていたりするならば、査読に支障するだけでなく公報テキスト検索において検索漏れの原因となりうるため、収録率や機械翻訳精度を向上させることは同システム構築上の重要なポイントである。
     同システムの誤訳事例の解析から、原語の文法や表記法が誤訳に大きく影響することが分かった。そこで、原語別に同システムの誤訳傾向と翻訳精度向上に必要な事項を紹介する。また、ユーザーの立場から同システムの翻訳精度向上が可能か試行して報告する。
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