ピクウイツク症侯群の3例を報告した. 第1例 55才男, 肥満と傾眠を主訴として来院, 身長166cm, 体重80kg, +43%の肥満度を示し, 周期性呼吸, チアノーゼ, 肝障害を認めた. 第2例 36才男, 夜尿を主訴として来院したが, 泌尿器科的には異常は認められず, 著しい傾眠によるためであつた. 1年前より多飲, 多尿があり, 最近は夜間呼吸困難で目醒める. 身長168cm, 体重93kg, +50%の肥満度, チアノーゼ, 赤血球増多, 肝障害, 糖尿病, 心電図上右高電位差が認められた. 第3例22才男, 4年前より肥満著しく, 2ヵ月前より傾眠, 呼吸困難出現. 血圧160/100mmHg, 睡眠中, 無呼吸状態が周期的に出現し, チアノーゼを伴う. 身長164.5cm, 体重109.5kg, +89%の肥満度を示す. 赤血球増多, 糖尿病, 肝障害, 心電図上右型を示し, 胸部レ線で心拡大, 肺うつ血を認めた. 3例共, pO
2低下, pCO
2上昇が認められ, 減食により, 全例共, 体重減少し, 諸症状の改善をみた.
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