医療
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29 巻, 6 号
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  • 前田 辰夫
    1975 年 29 巻 6 号 p. 531-540
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • ―臨床超音波診断の現況―
    小林 利次, 木村 禧代二
    1975 年 29 巻 6 号 p. 541-563
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    悪性新生物および各種の良性腫瘍の臨床診断には種々なる検査法が施行されているが, 近年, レ線診断と異なり生体に何らの傷害も及ぼす懸念のない非観血的手段である超音波診断法が脚光をあびている. 比較的歴史の新しい本検査法はレ線検査で把握することが困難とされている生体各部の軟部組織病変の描写にその診断情報取得の威力を発揮し得るため癌疾患, 良性腫瘍の診断にその有用性が認められつつある. 検査対象として脳腫瘍, 眼科領域腫瘍, 耳鼻科領域腫瘍, 甲状腺腫瘍, 乳腺腫瘍, 腹部腫瘍, 婦人科腫瘍, 前立腺および膀胱腫瘍, 整形外科領域の軟部腫瘍など多岐にわたる.
    本検査法は非観血的, 非侵襲的, 且つレ線被爆の危険性もないため癌疾患の補助的診断法として有用である. 癌疾患と医用超音波という主題のもとに現行の臨床超音波診断, 特に癌疾患の超音波断層像を中心に概説した.
  • 小山田 日吉丸, 田部井 敏夫
    1975 年 29 巻 6 号 p. 565-577
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    核医学の分野では最近の機械の進歩はめざましいものがあり, スキヤナの大型化, 固定型検出器の開発のみならず, 得られたデータについてのコンピユータ処理も一般化しつつある. そのほか, 全身を1回の操作で検査してしまう全身スキヤナや全身カメラも徐々に普及してきた.
    放射性医薬品(RI)の分野でも67Ga-citrateをはじめとするいろいろな, いわゆる癌親和性RIの開発がすすみ, 臨床分野への寄与は大きいものがある.
    試料計測の分野ではラジオ・イムノ・アツセイの発達がめざましく, これはホルモンのみならずオーストラリア抗原やα-fetoproteinの検出, 定量にも利用され, 現在その有用性は高く評価されている.
    今後も核医学の分野では機器やデータ処理技術の開発, 新しいRIや試料測定技術の進歩が大いに期待される.
  • 下山 正徳, 木村 禧代二
    1975 年 29 巻 6 号 p. 576-584
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    がんの免疫に関する研究は近年脚光を浴びている一研究分野であり, それなりに動物実験上注目されるべきいくつかの事実が見出されつつある. しかし, これを治療という立場で考えるとその多くは移植腫瘍を用いての実験結果であり, 自家発生腫瘍には効果はほとんど認められない. また, 臨床的にはBCGによる非特異的免疫療法による急性白血病の寛解期間の延長, 黒色腫へのBCGの腫瘍内投与による効果が報告されているに過ぎない. このような事実を背景に, この論文においてはがんの免疫とその治療への適用を1. 担癌患者の免疫能と治療との関係, 2. 宿主の免疫能の賦活化, 3. 免疫賦活化の臨床応用―その問題点, 4. 担癌患者の免疫能の測定, の4段階に分けて論じ, それぞれの事項の現状と将来の展望, そしてその可能性について論じた.
  • 向島 達, 大倉 久直
    1975 年 29 巻 6 号 p. 585-595
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    癌の免疫診断法とは, 癌組織由来物質(あるいは, 癌によつて, 特異的に変動するものも含む)を抗原として用い, 免疫化学的手技によつて, 癌の診断を行おうとするものである. 現在までにそのほとんどが報告された. これらの物質は, そのほとんどが胎児蛋白である. 従つて現在, 最も重要なことは, 胎児蛋白の各種癌における出現頻度, 濃度を検討することである.
    本論文においては, 国立がんセンター病院で開発した, あるいは, 測定を実際に行つている, アルフアフエトプロテイン(Alphafetoprotein, AFP)と絨毛性ゴナドトロピン(Human chorionic gonadotropin)について, 各種疾患における濃度, 頻度, 更に臨床への応用を中心にまとめた.
    今後, 癌胎児抗原(CEA), 胎盤性アルカリフオスフアターゼ, α2Hなどの胎児関連抗原(Fetus related antigen)についても検討する必要があろう.
  • 安達 勇
    1975 年 29 巻 6 号 p. 596-605
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 高倉 公朋
    1975 年 29 巻 6 号 p. 606-611
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    脳腫瘍の治療成績が最近著しく向上してきた要因の根底には手術技術及び術前術後管理の向上がある. 麻酔の進歩は脳手術の安全性を高めたし, Glucocorticoidの使用は手術死亡率を著しく低下させた. Microsurgeryの導入は脳下垂体周辺腫瘍, 聴神経腫瘍や脳室系腫瘍の一部に根治手術を可能にした. 悪性脳腫瘍の治療成績向上は生存期間, 特に有意義な社会生活期間の延長に現れている. 最近10年間の著しい進歩をみると, 放射線増感剤使用による放射線治療(BAR療法), 脳腫瘍のCell kineticsを基礎として著しい効果をあげてきた化学療法, 臨床応用がはじめられた免疫補助療法などが治療成績の向上をもたらしてきたことがあげられる. Glioblastoma multiformeや転移性脳腫瘍患者において社会復帰, 長期生存例が出て来たことは, 10年前には考えられなかつたことであり, 脳腫瘍治療の将来に明るい見通しを与えるものといえよう.
  • ―FT-207の経口投与, FT-207坐剤の直腸内投与を中心に―
    近田 千尋, 坂井 保信, 坂野 輝夫
    1975 年 29 巻 6 号 p. 612-621
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    抗癌剤の生物学的特性を基礎に癌化学療法の効果向上を企図する立場から5-Fluorouracilの誘導体, FT-207の経口投与並びに直腸内投与に関する臨床研究を行つた. FT-207 1日400-1,200mg経口連日投与により再発・手術不能癌140例中34例24%に効果が認められ, 特に乳癌, 胃癌の肝, リンパ節などの転移巣に対し効果が大であつた. これらの有効例34例中12例35%は6ヵ月以上の効果持続を示した. 胃癌有効例の50%生存期間は10.5月, 乳癌有効例のそれは19.0月であり, それぞれ無効例に比し延長された. FT-207坐剤の直腸内投与1日1回連日投与31例中4例13%, 同1日2回連日投与10例中6例に効果が認められ, 後者において5例に50%以上の腫瘍縮小がみられた. 本剤の経口投与, 直腸内投与のもう一つの特性は副作用が軽微で少なく, 長期投与, 交替, 併用投与に有用であり, 癌化学療法の計画的治療の体系化に最適な投与法の一つである.
  • 木村 禧代二, 白壁 彦夫, 伊藤 一二, 津屋 旭, 小山 善之, 早田 義博, 伊藤 宗元
    1975 年 29 巻 6 号 p. 623-636
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 今西 仁, 安達 弘, 貝原 汎, 水上 勇治, 北川 正信
    1975 年 29 巻 6 号 p. 637-642
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    末梢性脳神経麻痺を来す疾患には多くのものがあり, これらには単独の脳神経麻痺の場合も少なくないが, 複数性にまたは兩側性に脳神経群が同時にまたは逐次障害される場合がある. ところで, 悪性腫瘍の頭蓋底骨転移による多発性末梢性脳神経麻痺の報告は極めて少ない. 我々は頭蓋底骨転移により末梢性多発性脳神経麻痺を呈した肺癌の1例を経験した.
    患者は69才の男性で, 頭痛と複視を訴え入院した. 詳細な神経学的検査により, 左第II, III, IV, V及びVI脳神経, 右第II, V及びVI脳神経麻痺を示したが, 四肢の知覚, 運動神経症状を呈さず, 頭蓋内圧亢進も認めなかつた. 頭蓋X線検査により, 頭蓋底骨の溶骨性骨破壊像を認め, 胸部X線検査及び気管支鏡検査により肺癌と診断されたが, 患者は肺炎の合併により死亡した. 剖検により, 頭蓋底骨は癌により破壊され, 組織像は肺原発巣と同じ腺癌でほとんど置き換つていた.
  • 堀田 正一, 熊谷 謙二, 栗林 宣雄
    1975 年 29 巻 6 号 p. 643-646
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    患者は65才男性. 入院2~3年前より呼吸困難があり, 入院時胸部レ線写真にて右中肺野の鳩卵大の空洞と全肺野にわたる網目状陰影と右上縦隔陰影の拡大を認めた. 頸腺生検, 喀痰細胞診にて肺の扁平上皮癌を証明, ライナツク照射を開始したが, 全身倦怠感・呼吸困難が増悪し, 拘縮性心不全・肺水腫を来し死亡した. 剖検により右肺上葉に鳩卵大の内腔平滑な空洞を伴う不鮮明に墳界された扁平上皮癌の増殖があり, 同時に両肺上葉肋膜下に多数の小嚢胞・気管支拡張・肺線維化・陳旧性結核性変化などが認められた. その他, 癌は前縦隔に転移巣を形成し, 癌性リンパ管炎を併発していた. この空洞の成因については, 5年前の胸部断層写真を精査し右中肺野に数個の小嚢胞の集簇を認めており, 癌の発生・浸潤によりこれらの小嚢胞が1つの気管支拡張性空洞に進展していつたと考えられる.
  • 吉岡 秀憲, 牧野 耕治, 安冨 徹, 横田 博子, 平井 文彦, 石井 奏
    1975 年 29 巻 6 号 p. 647-653
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    食道癌患者は高令者が多く, 術前に何らかの心肺機能障害を有している者も多い. 術後の肺合併症は多くの場合致命的となるので, あらかじめこの合併症を知る方法として血液ガス分析を行つた. 同時に理学的所見, 胸部X線所見と比較した. 対象となつた2例のうち1例は肺合併症のため術後早期に死亡した. 他の1例は経過は良好であつたが, 早い時期よりHypoxemiaを来し, 比較的長期間この状態が続いた. このHypoxemiaはSmall airway closure, Variable shuntの増加によつて説明されているが, これらは術後の終痛や呼吸筋の障害などによる呼吸運動の低下が要因となる. これを発見するために術後における頻回の血液ガス分析の重要性を強調した. その対策として酸素療法が有効であるが, PaO2が低下するものでも呼吸運動の助けとなる体動が可能なものには, 不必要と考えられる.
  • 福山 興一, 野坂 純一郎, 仁士 賢一, 大岡 暉子, 山崎 正保, 曽谷 俊彦, 高見 元敞, 桑原 修, 中島 篤巳, 越山 健二郎
    1975 年 29 巻 6 号 p. 655-658
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    老人性肺結核に合併した早期胃癌の1例について, 多くの老人患者をかかえる現代の結核療養所の立場をもととして, 若干の考察を加えて報告した. 本例は外来通院中に訴えた嚥下障害をきつかけとして食道と胃X線検査を受け, 何らの症状もなかつた早期胃癌が見つかつたものである. 治療として胃切除を行うにあたり, 老人肺結核患者に併発した早期胃癌であり, 手術の適応に関して十分なる検討が必要であつた. このことは前述のように多数の老人患者をかかえている結核療養所において今後も起こりうる事態であり興味がある. また長年にわたり結核のみをあつかつて来た療養所の医師の一般的な傾向に言及し, 今後の臨床上の姿勢や, 診断治療にあたつては, 各科の医師達が協同して, これを行う必要性を指摘した.
  • 野末 洋, 中西 忠行, 有馬 亮, 生沼 昭一, 内藤 信行, 森田 正朗, 栗林 宣雄
    1975 年 29 巻 6 号 p. 659-663
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和35年以来15年間の国立東京第二病院整形外科における軟部悪性腫瘍の11例を報告した. 症例は横紋筋肉腫2, 平滑筋肉腫1, 脂肪肉腫2, 滑膜肉腫3, 神経肉腫2, 隆起性皮膚線維肉腫1である. 特に組織像と予後の関係を追究した.
  • 甲状腺癌の胸壁転移
    松葉 卓郎, 野田 栄次郎, 大網 弘
    1975 年 29 巻 6 号 p. 664-665
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1975 年 29 巻 6 号 p. 666
    発行日: 1975/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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