癌の免疫診断法とは, 癌組織由来物質(あるいは, 癌によつて, 特異的に変動するものも含む)を抗原として用い, 免疫化学的手技によつて, 癌の診断を行おうとするものである. 現在までにそのほとんどが報告された. これらの物質は, そのほとんどが胎児蛋白である. 従つて現在, 最も重要なことは, 胎児蛋白の各種癌における出現頻度, 濃度を検討することである.
本論文においては, 国立がんセンター病院で開発した, あるいは, 測定を実際に行つている, アルフアフエトプロテイン(Alphafetoprotein, AFP)と絨毛性ゴナドトロピン(Human chorionic gonadotropin)について, 各種疾患における濃度, 頻度, 更に臨床への応用を中心にまとめた.
今後, 癌胎児抗原(CEA), 胎盤性アルカリフオスフアターゼ, α2Hなどの胎児関連抗原(Fetus related antigen)についても検討する必要があろう.
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