医療
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30 巻, 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 奥原 政雄
    1976 年 30 巻 3 号 p. 193-194
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 中野 敬三, 豊泉 武男, 立沢 貞彦, 緒方 貞夫, 榎本 尚美, 永井 長純, 三宅 寿郎, 高藤 歳夫
    1976 年 30 巻 3 号 p. 195-198
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々は, 過去12年間に14例の平滑筋腫手術例を経験したので報告する. 症例の内訳は, 胃腸など消化管より発生した8例, 肺, 後腹膜おのおの1例, 及び腹壁, 四肢4例であり, その性別は男性8例, 女性6例である. これらの内, 腹壁及び四肢の平滑筋腫は, 臨床上しばしば認められるものであるが, 消化管系や肺に発生したものは比較的まれである. 胃平滑筋腫については, 近年比較的報告が多く, 我々の例も癌や潰瘍手術の際に, 偶発的に発見したものも含まれている. 小腸, 肺, 後腹膜平滑筋腫手術例について, 若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 第3編重症心身障害児(者)に抗けいれん剤,あるいは脳代謝改善剤としてγ-amino-β-hydroxy-butyric acidを投与した症例における血中, 及び尿中遊離アミノ酸値について
    来馬 真一, 石田 征子
    1976 年 30 巻 3 号 p. 199-205
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    抗けいれん剤としてγ-amino-β-hydroxybutyric acid(「γ-ABOB」と略す)を投与した症例では, 常用量(1~2g)でも重大な変化がみられた. 1)γ-ABOB 2.0g投与では血中グルタミン酸値は非投与群に比して有意の高値を示した. 2)尿中排泄量ではグリシンのみが高い排泄量を示し, 他のアミノ酸は一般に低い傾向であつた. 3)γ-ABOB投与について, 非投与群と1.0g投与群では尿中にγ-ABOB排泄をみないが, γ-ABOB2.0g投与群では長期投与により溢出型のγ-ABOB排泄が証明され, その量は多きは投与量の1/3に及んだ症例もあつた. 4)γ-ABOB体重当たり投与量と体重当たり尿中排泄量は正相関(γ=0.78)を示した. 5)γ-ABOB投与により正常児(者)と異なつた排泄を示すようであり, 正常児(者)の常用量をそのまま重障児(者)に応用することが出来ないことを知つた. 重障児のγ-ABOB投与量は0.5gが適量と考える.
  • 3. 細網上皮細胞
    浅本 仁, 古田 睦広
    1976 年 30 巻 3 号 p. 206-214
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    13例の新生児剖検例胸腺の細網上皮細胞をフリーズフラクチヤー法で観察した. 胸腺皮質の細網上皮細胞は, 胞体内空胞, あるいは顆粒の差異により3種類に分類された. このうち, 大型の空胞を有する細網上皮細胞と接したリンパ球の中には, 核小孔密度の高い, リンパ芽球様細胞が含まれた. 胸腺髄質の細網上皮細胞には, 胞体内に大小の空胞を豊富に含むものから, 全く無構造なものまで, 種々の段階のものがあり, 成熟したリンパ球と接したものでは, 胞体内物質が散在性であつた.
    細網上皮細胞の核小孔の密度は一般に, 皮質より髄質で高かつた. また疾患によりかなりの差があり, ダウン症候群では密度の高いものが多かつた.
    マクロフアージと上皮性細網細胞との形態的鑑別は困難であるが, 前者では, 胞体内の細胞の破片や細胞膜内集簇性顆粒を認めた.
  • 第2報 Case-findingのProgramについて
    犀川 一夫, 新垣 学
    1976 年 30 巻 3 号 p. 215-219
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    らいのCase-findingとして, 我々は1971年より1974年の4年間に沖縄県で実施してきた, Contact tracing, School survey, Mass surveyについてその成績を検討した. Contact tracingは4年間に664名に実施し, その中より20名の新患者を発見し(発見率3.0%), School surveyは6,084名に実施して2名を発見(発見率0.03%), Mass surveyは2,116名に行って, 3名を発見(発見率0.14%)した. これらを比較すると, WHOの勧告にもあるように, 現在沖縄県のらいの有病率, 罹患率から見て, らいの感染源対策の上からも, Conatct tracing がもつとも能率的かつ有効であることがわかつた. ただらいの濃厚地域に限つて行う地域の医療, 保健に協力する意味での他の公衆衛生上のProgramにらい専門医が協力して行う一般住民検診は沖縄では, らいの早期発見対策としても, らいのIntegration programとしても意義がある. なおSchool surveyは過去の沖縄のらいの疫学的状況では意味があつたが, 現在のような状況では意味は少なくなつてきた.
  • 安西 信行, 岡田 忠彦, 高梨 吉則, 山田 学
    1976 年 30 巻 3 号 p. 220-223
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    通常の開心術は体外循環下に行われることが多いが, 時として, 術野に出血が多く無血視野が得にくい場合がある. 我々は循環冷却により脱血温20℃~23℃, 直腸温26.5℃~27℃にて体外循環を41分間, 間歇的に停止し, 肺動脈側より動脈管を閉鎖した.
    この際, 問題となるのが, 循環停止による脳合併症である. 脳合併症を起こさずに循環停止可能な許容時間が問題となる. 現在のところ必ずしも循環停止時間と体温の関係については一定の基準はないようである. 循環停止時間が長い程, 脳合併症が多いと報告されている.
    肺高血圧を伴う動脈管開存症はしばしば心室中隔欠損症と誤られやすいので注意を要する.
    肺動脈側より動脈管を閉鎖する方法は, 巨大動脈管例では確実で安全な方法である.
  • 高橋 伸, 和田野 好作, 佐々木 哲二, 飯田 修平, 浅越 辰男, 須田 厚, 遠山 隆夫, 稲垣 宏, 渡辺 昌, 照井 孝志
    1976 年 30 巻 3 号 p. 224-230
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    腹部の腫瘍性疾患の診断において選択的動脈造影の価値を評価するため87例の消化器疾患について腹部動脈造影検査法を施行した. これらのうち動脈造影によつて診断上極めて有力な情報が提供された. 腸間膜リンパ嚢腫, 盲腸に発生し腫瘤を先進部として腸重積をおこしたBizzar cell leiomyoma, 十二指腸平滑筋腫及び空腸に転移した悪性絨毛上皮腫の各1例についてその特徴的な所見を述べる.
  • 別府 俊男, 今永 浩寿, 山本 昌昭, 吉田 滋
    1976 年 30 巻 3 号 p. 231-236
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    脳動脈のTortuosity, Ectasiaと脳動脈瘤の併存をみる症例の報告は散見するのみである.
    我々は, 49才, 女子, 両側内頸動脈系の著明なTortuosityとMegadolicho basilar artery及び前交通動脈瘤の1例を経験した.
    クモ膜下出血で発症し, 始め, 出血の原因は, 内頸, 前大脳動脈C2, A1のElongationにより前交通動脈瘤が隠蔽され, Megadolicho basilar arteryによるものと推定された. 後に, 脳動脈瘤が同定され, 直接手術によりClippingし, 出血源は瘤破裂によることが確認された.
    脳動脈のTortuosity, Ectasiaの成因に関して考察し, 先天的血管脆弱性が素因にあり, これの加令的変化の所産と推定した. 従つて, 脳動脈瘤合併の頻度も多くなるものと考えられ, 脳動脈撮影法の工夫などにより, 更に精密な検索を行う必要がある.
    複雑な脳血管走向異常と併存する脳動脈瘤の同定法として, 小照射野撮影法の利点を述べた.
  • 片岡 喜久雄, 国立病院SMON共同研究班
    1976 年 30 巻 3 号 p. 237-241
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    本症発症後毎年1回その病状を調査した. 5回調査できたもの61例, 4回調査できたもの30例で, 神経症状の障害度をScoreで表しそのScoreの推移を検討した. 本症は発症時の年令や重症度と関係なく改善されるが, その改善までには約3年間を要し, 以後の改善は著明でなく, とくに知覚系障害が中核となつて後遺する. 障害の程度が同じである場合は若年者は高年者より比較的急速に改善し, 高年者よりも後遺する障害は軽い. しかし障害程度が異なる場合には高年者であつても軽症の場合は若年中等症者あるいは若年重症者よりも予後はよい.
  • 鳥養 省三, 伊藤 綏, 有森 正樹, 疋田 達雄, 栗林 宣雄
    1976 年 30 巻 3 号 p. 242-246
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    良性十二指腸結腸痩は希な疾患で, これまで欧米で45例, 我が国では3例が報告されているに過ぎない.
    我々は吸収不良症候群を呈した1例を経験した. 症例は64才の家婦で, 下痢, 浮腫, 体重減少を主訴として入院した. 検査所見として, 大球性貧血, 低蛋白血症, 血清鉄欠乏, 血清総コレステロールの低値が認められた. 上部消化管レ線像で, 十二指腸から直接上行結腸に流れ込むバリウムが見られた. 十二指腸フアイバースコピーにて, 結腸内容物が十二指腸に流出してくる所見が得られた. 内科的治療に抗したため開腹され, 瘻孔閉鎖術が施行され, 区域リンパ節の組織診で, 乾酪性結核性リンパ節炎の診断が得られた. 術後, 患者の体重は12kg増え, 末梢血, 耐糖能その他の検査成績は正常化した.
    我々は, 良性十二指腸結腸瘻の1例を報告し, 本症例の病因論及び病態生理につき言及している.
  • 富野 捷治, 木谷 成夫, 河原 勉, 岡崎 晃, 植村 富士男
    1976 年 30 巻 3 号 p. 247-251
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    12才女子にみられた乳腺葉状嚢胞肉腫の2例について検討した.
    症例1は小児手拳大の腫瘤で, 腫瘍摘出術を施行した. 組織学的には線維腺腫に近いもので, 乳管の拡張は著しく, 間質の増殖がみられるが, 結合線維の硝子様変性や粘液変性はほとんどみられなかつた.
    症例2は左乳房全体を占める腫瘍で, 悪性腫瘍も考えて乳房単純切断術とリンパ節郭清を施行したものである. 組織学的にはIntracanalicularの間質の増殖が著しく, fibroblastenの異型性が強くみられ, 核の変形, 核の凝集, 多核及び核小体の肥大, 細胞の配列の不規則などもみられた. この像は将来肉腫様に移行する可能性もあると考えられる興味ある症例であつた.
    我々の症例は12才の若年者であつたが, 本邦文献上の最若年者は11才の5例, 12才1例及び13才1例の計7例のみで, 極めて希な症例に属するものである.
  • 阿部 重郎, 池田 貢, 滝田 昌弘, 小川 俊郎, 菅村 昭夫, 木下 準四郎, 島田 誠
    1976 年 30 巻 3 号 p. 252-255
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肺の疾患を疑われるような症状は, 何ら存在せず, たまたま集団検診にて, 左肺上葉の腫瘤様陰影を指摘され, 肺癌の疑いで左肺全摘術を行い, 術後組織学的に肺平滑筋腫と判明した原発性肺平滑筋腫の1例を報告する. 本症例は, 11年前に子宮筋腫で子宮全摘術をうけており, そのために子宮筋腫の転移などの問題もあるが, 肺全摘後の腸管などの精査でも筋腫は認めなかった. 11年前の子宮筋腫であり, 恐らく異時的に見出された原発性肺平滑筋腫と考えられる. 肺平滑筋腫は非常に希なものではあるが, 腫瘍のほとんどが悪性腫瘍である点を考えると, すすんで手術的処置がなされるべきものと考える. 本邦報告は12例あるが, 術前に診断し得た症例は1例にすぎず, そのほとんどが肺癌として手術されているのが現状である. 胸部外科の進歩と共に, 肺腫瘍の中でもこれから注意をはらうべき疾患の1つである.
  • 渡辺 哲, 樋口 敏夫, 速水 一雄
    1976 年 30 巻 3 号 p. 256-259
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    見事な半月体形成を伴う亜急性腎炎の型を呈したSLEの1症例を経験した.
    症例は35才, 女, 高血圧と浮腫の精査のため入院した. 検査で, 貧血, 血尿を伴う蛋白尿, 腎不全, 血沈促進がわかつた. 腎生検では著明な半月体形成がみられ腎組織は高度に荒廃していた. 抗核抗体強陽性, 補体低値を示し, ARAの診断基準を満たすことから, SLEと診断し, 亜急性腎炎の像はその腎病変と判断した. ステロイド, 免疫抑制剤投与, 透析療法を強力に行つたが, 出血傾向は改善されず大量出血で死亡した. 剖検でWire-loop病変, Onion1skin病変などがありSLEと確診できた. 興味深い点は生検時に比し剖検時の腎組織は, 半月体を有する糸球体がほとんどなく, 全体として改善されていた点であつた. ステロイドなどの作用によるものかとも推測されたが原因は明確ではない. ただしこのようなことも起こりうる可能性があると思い報告した.
  • 落合 久明, 成田 博保, 森 洋一, 丸山 立憲, 津田 まち子, 永田 弘治
    1976 年 30 巻 3 号 p. 260-264
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    小児の甲状腺機能亢進症の9例の経験例をまとめて報告した. 全例Methimazoleにより治療し, Triosorb, T4, FTI値を参考にして経過をみたが, 治療期間は一般に2年以上ついやすものが多かつた.
    TRH テストは機能亢進状態が改善されたものに正常反応を示す傾向があつたが, 甲状腺機能正常でも無反応を示すものがあり, 本症の患者の間脳, 下垂体, 甲状腺ホルモン系の機能検査として異なつた側面をとらえるものと考えられ, 有用と考えられた.
  • 山田 学, 岡田 忠彦, 高梨 吉則, 安西 信行
    1976 年 30 巻 3 号 p. 265-270
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    最近2例のSick sinus syndromeにペースメーカー植え込みを行い良好な結果を得た.
    本症に対するペースメーカー植え込みの適応として, 我々は薬物療法が効果なく, (1)Stokes-Adams発作のあるもの, (2)洞結節以下の刺激伝導障害を合併するもの, (3)Bradycardia-Tachycardia syndrome, (4)心不全のあるもの, (5)狭心症のあるもの, (6)Sinus-node recovery time(SRT)が著明に延長しているものなどを考えている.
    SRTの測定は心房ペーシングの頻度, 時間など, 考慮すべき多くの問題があるが, 本症診断上の補助的手段としてのみでなく, 臨床的重症度を決める手がかりを与えるものとして, 現在検討中である.
  • 浜野 建三, 前川 喜平
    1976 年 30 巻 3 号 p. 272-273
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1976 年 30 巻 3 号 p. 274-276
    発行日: 1976/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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