特発性尿崩症4例, 腎性尿崩症1例, 正常人3例にClofibrateを投与し, その抗利尿作用について検討し以下の成績をえた.
1)特発性尿崩症では尿量減少, 尿滲透圧上昇, C
H2Oの著減, Cosmは不変で, Diphenylhydantoin投与によつてその作用が抑制された. 2)腎性尿崩症では抗利尿効果みられず. 3)正常人では尿量, C
H2O, Cosm, 尿中17-KS, 17-OHCS, GFR, Na, K, クレアチニン排泄量に有意の変化はみられなかつたが, 水負荷をした状態では抗利尿作用がみられた. 4) Trichlormethiazide, Carbamazepineの併用はさらに有効であつた. 5)各症例によつてその効果は異なり, 併用薬剤の検討を要する. 副作用はみられていない.
以上の成績よりChlorpropamideと同様にADHに類似すべき性質を有し, 腎に直接作用しているものと思われ, またDPH投与によつてその作用が抑制されたことはADH分泌促進作用によることが示唆される.
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