医療
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31 巻, 5 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 新山 喜昭
    1977 年 31 巻 5 号 p. 409-414
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 福井 圀彦
    1977 年 31 巻 5 号 p. 415-419
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    老人疾患のリハビリテーシヨン(以下「リハ」と略す)に際しては特別な配慮が必要である. 老令者は予備力, 代償機能に欠け, 障害の改善が困難であるだけでなく, 病勢の急変や合併症の出現をみることが多い. また, 中枢神経の器質的, 機能的変化は容易に痴呆や精神障害を来し, リハを絶望的にすることが少なくない. 臥床が少し長びくと痴呆が急速に進行することは日常よくみられることである.
    原疾患が重篤, あるいは重複するために寝たきりになるのは避けられないとしても, 二次的因子によるものは極力避けねばならない. そのためには, 早期離床を信条とすべきであるが, 老令者ほど多大のリスクに直面しなければならないことになる. ここにある限界が生じることになり, 老人リハのもつとも難しい課題といえよう.
    老人のリハは医学的, 社会的の両面から十分検討されねばならない. 老人福祉行政の中には老人リハと逆行する結果となつているものがあることを知らねばならない.
  • 清水 一良, 小川 欽治, 前川 高天, 梶谷 幸夫, 粉川 皓仲, 疋田 義太郎, 永田 弘治
    1977 年 31 巻 5 号 p. 420-428
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Radioimmunoassay (RIA)法の開発により, 微量のα-Fetoprotein (AFP)が検出可能となつた. 著者らも各種疾患のAFPをRIA法で測定し, その臨床的意義について検討を加えた. 結果は原発性肝癌のAFP検出率は向上した反面, その診断的特異性は低下した. 臨床的にはAFPのTiterと経過が重要である. 経過は原発性肝癌では400mμg/ml以上の持続, 慢性肝疾患は400mμg/ml以下の持続, 急性肝炎は一過性の上昇の3つのパターンに大別された. 急性肝炎のAFP一過性上昇例は, 肝障害は高度であるが慢性化の傾向は少なく, AFPの有無により予後判定の可能性が示唆された. 転移性肝癌のAFP陽性例はすべて消化器癌が原発であり, 特に胃癌の肝転移4例はすべてAFP陽性であつた. 肝疾患AFP陽性例のHB抗原陽性率は高い傾向にあつた. 胃癌, 胃潰瘍にもAFP陽性例が低頻度ながら認められ, 胃粘膜にもAFP産生能が存在する可能性が推測された. 対照とした医療従事者にも7%の陽性率を認めた.
  • 本山 悌一, 矢野 方夫
    1977 年 31 巻 5 号 p. 429-434
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    常位胎盤早期剥離は妊娠20週から分娩にかけて起る最も重篤な産科合併症の一つであるが, その原因はいまだ不明で, 治療法も確立されているとはいえない. 我々は昭和38年1月より昭和50年12月までの13年間に国立東京第二病院産婦人科で経験した早剥患者23例について臨床統計的検討を試みたところ次のような結果を得た.
    発生頻度は分娩総数16,564例中23例0.14%であつた. 初経産別では初産のほうがむしろ多かつたが著差はなかつた. 妊娠月数別では10ヵ月が最も多く, 季節別では秋冬の寒冷期に多かつた. 従来早剥は妊娠中毒症の特殊重症型と考えられていたが, いわゆる中毒症症状, 浮腫, 蛋白尿あるいは高血圧を合併したものは12例52.2%にすぎなかつた. しかしS. F. D. 児が多く中毒症と同様の傾向を示した. 母体死亡は1例, 児死亡は15例であつた.
  • 和田 佳子, 荒木 英爾
    1977 年 31 巻 5 号 p. 435-437
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    健常成人149人(20-69才までの医療従事者85人, 一般事務系勤務者64人)について, 血清LDHアイソザイムの構成をセルロースアセテート膜電気泳動法で分析した.
    その結果, 血清LDHアイソザイムの構成は男女の性別, 年令層別では有意の差を示さないこと, 医療従事者と事務系勤務者の間でも差を示さないことが確認された.
  • 佐藤 昭雄
    1977 年 31 巻 5 号 p. 438-443
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    特発性尿崩症4例, 腎性尿崩症1例, 正常人3例にClofibrateを投与し, その抗利尿作用について検討し以下の成績をえた.
    1)特発性尿崩症では尿量減少, 尿滲透圧上昇, CH2Oの著減, Cosmは不変で, Diphenylhydantoin投与によつてその作用が抑制された. 2)腎性尿崩症では抗利尿効果みられず. 3)正常人では尿量, CH2O, Cosm, 尿中17-KS, 17-OHCS, GFR, Na, K, クレアチニン排泄量に有意の変化はみられなかつたが, 水負荷をした状態では抗利尿作用がみられた. 4) Trichlormethiazide, Carbamazepineの併用はさらに有効であつた. 5)各症例によつてその効果は異なり, 併用薬剤の検討を要する. 副作用はみられていない.
    以上の成績よりChlorpropamideと同様にADHに類似すべき性質を有し, 腎に直接作用しているものと思われ, またDPH投与によつてその作用が抑制されたことはADH分泌促進作用によることが示唆される.
  • 市販錠剤の溶出度に関する研究(第2報)
    柴田 一雄
    1977 年 31 巻 5 号 p. 444-449
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    薬価基準に収載されている医薬品の中には, 同一成分, 同一含量で2種以上の銘柄が収載されているものが多く, はなはだしいものは60種以上に及んでいる.
    最近, これらの医薬品のChemical equivalence及びBioequivalenceが問題となつており, 特に錠剤については, 製剤技術の相違がBioavailabilityに影響を与えるものと考えられている. 以上の問題を追究するため共同研究を行うこととした.
    本論文は第1報のNon coated錠の検討に引き続いてSugar coated錠, Film coated錠について主薬の含量, 崩かい度, 溶出度を実測した結果を報告し, それらの実験成績に検討を加えた.
  • 平川 晃也, 犬童 一男
    1977 年 31 巻 5 号 p. 450-454
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞に, 心室中隔穿孔を合併し, 内科的治療で長期生存中の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
    症例は, 74才男性. 既往歴に高血圧症及び虚血性心臓病があり, 治療中であつたが, 昭和49年6月7日, 急激に心不全症状を呈し, 翌日, 某病院に入院した. 当時, 心電図にて前壁下壁梗塞と診断されると共に, 第IV~V肋間胸骨左縁に, 荒々しい全収縮期雑音が聞かれ, 同部位にThrillを触れた. 昭和49年10月14日当科へ転院した.
    発症から約1年後に右心カテーテルを行い, 右室レベルでO2飽和度の上昇と, 肺動脈圧の上昇が認められ, 心室中隔穿孔であることが確認された.
    著明な心不全を伴つたため, 治療に抵抗したが, 約1年1ヵ月にわたる入院治療の後, NYHA II~III度まで回復し退院した. 発症より2年6ヵ月後の現在も生存中であり, 日常生活を送つている.
  • 光田 健児, 西 法正, 大庭 浩
    1977 年 31 巻 5 号 p. 455-458
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    骨盤内悪性腫瘍に対する放射線治療後の大腿骨頸部骨折は, 1927年Baenschにより報告されて以来, 諸外国においては300例以上の報告が見られる. 本邦においては40例内外であり, 両側骨折例は10例に満たない. 75才, 女性で子宮癌のため放射線治療を受け3ヵ月後に右側, その後1年半で左側大腿骨頸部骨折をおこした症例を経験したので報告する. 臨床症状としては, 両側ともに外傷の既往がなく, 股関節痛を訴え, 歩行困難となつた. 特に左側においては, レ線により骨折が確認される1ヵ月程以前から, 股関節痛が続いていた. 病理組織所見は脂肪髄の増加と骨梁の減少及び著明な変性が見られた. 一部の血管の増生が見られたが, 内膜肥厚, 血栓形成は見られなかつた. 治療は骨折の転位の程度に従い考えるべきであり, 本症例においては両側大腿骨頸部骨折であり, 以前に片側に人工骨頭置換術を受けているので, 今回の骨折側は人工関節置換術を行つた.
  • 松岡 寿夫, 宮川 兜, 大久保 清一郎, 金城 浩, 市川 公穂
    1977 年 31 巻 5 号 p. 459-462
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々は最近左鼠径停留睾丸より発生したEmbryonal carcinomaの1例を経験したので報告し, 若干の考察を行つた.
    患者は32才の男子で, 主訴は左鼠径部の腫脹である. 15才ころから左鼠径部の無痛性の腫脹に気づき, 最近になり腫大の傾向が著明となり, 疼痛を伴うようになり来院した.
    高位除睾術が行われた. 摘出腫瘍の大きさは14×10cm, 割面は正常の睾丸組織を認めず, きわめて多彩であつた.
    組織所見はSeminoma様な乱れ, またPapillaryなAdenocarcinoma部あり, これらの間に壊死巣の散在したEmbryonal carcinomaであった.
    肺, 肝, いずれにも転移を認めなかつた. Methotrexate, Actinomycin D, Endoxanが術後投与されて, 尿ハイゴナビスが経時的に測定され, 35日目に陰性化した.
    その後現在まで, 患者は経過良好である.
  • 中村 博, 中村 達哉, 佐藤 博史, 吉沢 久嘉, 山崎 昭, 島野 毅八郎, 浅尾 武士
    1977 年 31 巻 5 号 p. 463-467
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    膵性糖尿病の2剖検例を報告する.
    症例1 35才, 男, 大酒家, 昭和48年に糖尿病発症. 膵石を認める. インスリンで加療し, 数回高血糖昏睡で入院軽快している. 昭和50年6月, アルコール過飲, 低血糖昏睡で第5回目の入院. Steroid, Glucagonで血糖を上げたが, 血糖動揺はげしく死亡. 剖検では膵石症を伴つた膵線維症. 末期的な膵実質萎縮による糖尿病であつた.
    症例2 58才, 男, 愛酒家, 昭和45年に糖尿病発症. 糖尿病遺伝歴(+), 輸血後肝炎の既往あり. 肝硬変と糖尿病として加療中, 不明熱, 悪液質で50年12月より病状悪化入院, 51年1月死亡. 剖検では膵頭部に結石をみる膵線維症と, 肝内肝石を伴う胆汁性肝硬変症. 糖尿病性糸球体硬化症. 本症は肝硬変症に偶発した糖尿病とも考えられるが, 胆道性随伴性慢性膵炎を基盤とする膵実質萎縮による糖尿病とも考えられる.
  • ―同胞における心電図異常を含めて―
    山田 学, 入山 正, 石原 茂樹, 安西 信行, 関口 守衛
    1977 年 31 巻 5 号 p. 468-474
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    特発性肥厚性大動脈弁下狭窄症(IHSS)の家族発症例を報告した.
    症例は44才の主婦と彼女の第5子で7才の少年であり, 先天性心疾患が疑われたが, 左室造影検査及び心筋生検法により診断が確定された. 同胞の心電図を記録すると, 第1子, 15才男子にI度房室ブロツク, 第2子, 13才女子にW-P-W症候群, 第3子, 9才男子にPQ時間の延長が認められた.
    特発性心筋症の診断は時として困難なことがあり, 最終的にはカテーテル検査や心筋生検法により診断が確定きれるべきだと思う.
    特発性心筋症の診断上の問題点と家族性発症に関し若干の文献的考察を加えた.
  • 2. 与那国島のらい
    犀川 一夫
    1977 年 31 巻 5 号 p. 475-478
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    与那国島は沖縄県でも最もらいの濃厚な地域で, 昭和50年の有病率は17.65%, 罹患率は0.929‰である. 本島のらいの疫学的状況を調査するため昭和48年6月学童検診を行い, 小学生に4.65‰の発見率を見た. さらに与那国島の疫学的状況を昭和10年より昭和50年までのデータを分析すると, 昭和45年ころより起つた人口の過疎化現象に伴つて, 若干の疫学的状況の変動が起つていることに気付く. すなわち昭和45年以前の疫学的パターンは与那国でらいに感染して, 与那国で発病するという型であつたが, 昭和45年以後は感染は与那国で, 発病は沖縄本島の那覇市を中心とする都市地域で起るというパターンに変つた. この現象は沖縄のらい問題がRuralの問題からArbanの問題に変りつつあることをよく象徴的に示している.
  • 井田 時雄, 村山 鉄郎
    1977 年 31 巻 5 号 p. 479-483
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和51年度国立熱海病院泌尿器科における外来, 入院および手術術式の統計的観察を報告した.
    外来新患者数は1,434名で, 男子789名, 女子645名, 性別比は1.2:1で男子に多かつた. 男子外来患者の主要疾患は前立腺肥大症, 尿路結石症であり, 女子外来患者の主要疾患としては非結核性膀胱炎が圧倒的に多かつた.
    入院患者数は234名で男子177名, 女子57名, 性別比は3.1:1で男子に多い. 主要疾患としては前立腺肥大症, 尿路結石症および尿路感染症の順で多かった.
    手術は264回に施行した. 主な手術術式としては, 腎摘出術15例, 尿管切石術12例, 恥骨後前立腺摘除術15例および内視鏡的手術53例であつた.
  • 脾腫瘍―脾細網肉腫
    与那原 良夫, 佐々木 由三, 高原 淑子
    1977 年 31 巻 5 号 p. 484-485
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 31 巻 5 号 p. 486
    発行日: 1977/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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