医療
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31 巻, 7 号
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  • 伊藤 綏, 日野 理彦
    1977 年 31 巻 7 号 p. 615-622
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Prostaglandinが登場してより既に20年が経過した. この間研究の進展につれ生物学医学分野に想嫁以上重大な関連性のあることが次第に明白となり, 大いに注目を集めている.
    我々は数年前から胃分泌機能に対する影響について検討を重ねてきたが, その結果注射法並びに経口法で胃液酸度排出量を明らかに抑鯛すること, ペプシン活性に対しても同様の作用があることを観察した. 更に抑制機序の一部を解明するため, 胃分泌動態の変動と共にその時点での血中のガストリン, インスリン, Prostaglandinの変化を検討した結果, ガストリン, インスリンの変動との間には直接的な関係を認める成績は得られなかつた.
    また血中Prostaglandin値も投与により必ずしも増加せず, 胃壁細胞に対する影響以外, 抑制機序の精細については現在のところ未解決の問題が多いことが明白にされた. なおPryostaglandinの胃分泌機能に関する内外の業績の現況を概説した.
  • 北脇 雅之, 白橋 宏一郎
    1977 年 31 巻 7 号 p. 623-629
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    思春期における躁うつ病の診断は, 発病頻度の少なさとあいまつて, 困難な点が多々ある. そこで我々は, 初発年令が12才から16才までの, 相期的な経過をとり, 各相期の症状が成人の躁うつ病と近似した14例をとりあげて, 診断上の問題点について論じてみた.
    これらの症例は, 成人の症状に比して, 精神運動性の障害がより前景に立ちやすく, 食欲や睡眠の障害, 自律神経症状などの身体症状が多く認められ, 各相期が短く且つ頻回の傾向を示していた. このような成人との症候学的な相違から, 診断上横断的には神経症や精神分裂病との鑑別は困難な場合があり, 縦断的観察・検討の必要性を強調した.
    さらに, 病前に落着きのなさ・夜尿・夜驚などの問題行動, 自律神経症状, 頭部外傷, 身体的成熟の未熟性, 知能障害, 脳波異常などが認められ, 病因論的に多様な要因が示唆され, 診断を一層困難ならしめていることを指摘した.
  • 白橋 宏一郎, 畠山 博, 木村 成道
    1977 年 31 巻 7 号 p. 630-635
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    自閉性障害の同胞出現は希なものといわれるが, 9才7月, 8才4月の姉弟にみられた自閉性障害について報告した.
    姉には周産期障害がみられ, 2才5月ごろから言葉が失われ, 弟は1才3月ごろから多動が顕著になつた. 両者とも神経学的に異常所見はみられない. 現在, 姉は周囲の人と接触を保つことは困難であるが, 弟は自己の関心に熱申しないかぎり, ある程度の接触は保てる. 弟は乗物辞典などに強い執着を示すが, 姉には関心を示すものはない. 姉は会話はほとんど成立しないが, 弟はほぼ成立する. 知能発達では, 姉に遅滞を認めるが, 弟はほぼ年令相応に近い発達を示す. 姉は身辺処理は完全には自立していないが, 弟は自立している. 両者とも要求が満たされないとパニツクに陥る.
    遺伝負因はなく, 両親の性格にも偏りはないが, 文献的考察とともに, 同胞出現の意義を論じ, 成因について推論を試みた.
  • ―短期宿泊を通じての再発・再入院防止について―
    酒井 昭平
    1977 年 31 巻 7 号 p. 636-640
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    精神分裂病者の社会復帰促進と再発・再入院防止は, 今日の精神科医療における重要な課題である. アフター・ケアで重要なことは, 患者・治療者関係を, どのようにして維持するかである.
    私達は, 1個病棟を院内中間施設(「さわやか荘」)として運用してきた. 回復者の利用状況は, 宿泊を伴わない者2日に3名, 宿泊した者は, 3日に2名である.
    「さわやか荘」は. 入院患者に対しては, ナイトホスピタル, 回復者にとつては, デイホスピタル, 退院者クラブの集合所としての機能を果している. 「さわやか荘」の最大の特徴は, 回復者に対して自由に短期宿泊を許可していることであり,このことは, 新しい試みといえる. 回復者とは, 「さわやか荘」を媒介として, 入院中に培われた人間関係を退院後もそのまま継続することができた.
    「さわやか荘」の宿泊様式は, アフター・ケア活動の一部として有効である.
  • ―個別的受容と治療関係の推移―
    殿村 忠彦
    1977 年 31 巻 7 号 p. 641-647
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    精神分裂病者億一つ一つの経験に翻弄され, 自己の一貫性が保てない. そのため, 治療者は, 第三者の意向, 制度, 習慣などから自由な態度で治療者としての同一性を保持して繰り返し病者に接近しなくてはならない. そのような治療者の基本的態度を〈個別的受容〉と名づけた. 〈欄別的受容〉は治療関係の推移によつて, その時々の様相を異にするが, その真価が最も尖鋭に験される時がある. 分裂病性諸症状が消え, 病者が一方では自立を図り, 他方では深い絶望と孤独にさらされる時がそれである. この時には, 漠としてではあるが病者の根本主題が言表され. 治療者は, 役割を超えて, ひとりの人間としてそこに居合せることを要請される. この時期を乗越えて, 分裂病者が単に寛解状態に止まらず, 更に治癒に向い続ける事態の契機として, 病者自身の自己性の究明があり, それを治療者は見守り, 控え目に励ましていくことが大切である.
  • ―特に結婚と再発の調査より―
    西川 喜作, 松田 幸子, 田村 忍
    1977 年 31 巻 7 号 p. 648-654
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1965年以来約300例の分裂病者の退院患者をアフターケアーして現在に至つているが, この間40例が結婚した. 男16例, 女24例で, 結婚後10年以上たつ者から最短6カ月未満のものもある. 70%の病者は結婚について主治医に相談したが, 30%は相談せず, そのほとんど女性で, しかも相手が見合である. 医師に相談して反対されることを恐れた. 相談を受けた中で医師が反対したのは2例で, いずれも病状が良くなかつた. 40例中再発したのは27例(70%)で, 男8例, 女19例, 再発しなかつたのは男8例, 女5例である. 女性の再発は姑の問題, 家事, 妊娠, 分娩など再発の誘因となることが多く, 男性はむしろ安定することが多い. 結婚後, 半年以内の再発が多く, 相手に病気のことを何らかのかたちで知らせておくことは再発を軽くし, 例え再発しても入院, 離婚に至ることを減少させる. 病者のカウンセリングはいつも結婚に対してオープンで適切な助言が必要である.
  • 久保 摂二, 児玉 秀敏, 末田 格, 鎌田 達
    1977 年 31 巻 7 号 p. 655-659
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    向精神薬服用中に急死した2症例について, その臨床経過及び剖検所見を報告した. 2例とも, 肉眼的所見では肺塞栓症を疑い得る肺出血が死因で, 肺うつ血や他臓器に出血はなく, また, 肺出血の原因となる他臓器の所見を認めず, 塞栓を証明することも出来なかつた.
    また向精神薬服用中, シヨツク状態を呈して後発熱し, 共に肺化膿症として治療し, 生存し得た2例が, 肺出血ではなかつたかと疑われたので, その臨床経過もあわせて報告した.
    この4例について, 向精神薬の種類, 量, 服用期間に共通したものはなく, 肺出血と向精神薬との関連を見出すことは出来なかつたが, 今後更に検討を要するものと考えられる.
  • 中村 豊, 松本 秀夫, 伊藤 勝三, 松元 寛仁
    1977 年 31 巻 7 号 p. 660-666
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立精神療養所における“植物状態”患者の実態を把握する目的で, 全国15施設にアンケート調査を依頼し, 1975年12月現在で該当なしの3施設を除き12施設より151例の回答を得た. 内訳は(a)“植物状態”44例, (b)周辺状態47例, (c)早晩“植物化”の危険を有するもの47例である. (a), (b)の総計は12施設の全在院者の約2%に当り, 著しい地域的偏りはない. 病棟別には老人・脳器質病棟以外の一般精神科病棟に内因性愚者らと混合収容されているものが40%に及ぶ. “植物状態”の原因疾患としては初老期痴呆及び老年期痴呆が最も多く(50%), 脳血管障害(27.3%)はこれに次ぎ, 年令的には60才以上の高令層が約70%で, これらの点は脳外科領域の同種調査との相異点である. 少なからざる例数が“植物化”後5年以上経過しており, 医療内容の充実に伴つて将来の経過延長傾向が予測される. “植物状態”患者に対し現在進行阻止の努力が行われているが, “植物化”前に高度の知的・人格的崩壊状態, 行動上の問題など医療上の困難は多いが, 残存する機能の維持にも努力が向けられなければらなない.
  • 安部 宏, 津田 裕文, 下村 雅伯, 長末 直樹, 西尾 紘明, 田中 喜重郎, 松永 隆元, 深川 公一, 徳安 みどり, 藤本 俊, ...
    1977 年 31 巻 7 号 p. 667-675
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    最近における産科救急の重要性にかんがみ, 本院において最近3年間に経験した救急患者の実態について調査し, 今後の問題点について検討したので, その大要を報告する.
    1) 子宮外妊娠(86例)ほとんど院外からの急患で予後は全例良好であつた. 2) 出血(42例)前置胎盤が大多数(36例)で, うち27例が院外からの急患であつた. 母体の予後は良好であつたが児死亡は5例あり, いずれも低出生体重児であつた. これに反し, 弛緩出血, DICなどは極めて少数であつた. 3) 妊娠中毒症(12例)並びにその特殊型(12例)いずれも重篤かつ複雑な病態を呈し, ほとんどが急患で, 母体死亡は無いが児の予後は不良であることが注目された. 4) 合併症心疾患, 消化器疾患合併例を若干例経験した.
    以上産科救急の実態から, なお不完全な点は強力な行政レベルで再検討されるべきであり, 更にHigh risk pregnancyと密接な関連があることから, 妊婦管理の一層の充実, 徹底が望まれる.
  • 石山 和夫, 与那原 良夫, 高原 淑子, 佐々木 由三, 桐村 浩, 倉光 一郎
    1977 年 31 巻 7 号 p. 676-681
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    形態診断としてのDICはその鮮明な像を得られる点で勝れた検査法である. しかし胆道領域の病変を表現するにはやや難点がある. 経時的に行う131I-BSPシンチグラムは胆道の形態現出能ではDICのそれとほぼ同様だが, 描出時間の延長するものには病変高度のもあが多いことから, 胆汁のうつ滞を表現するAl-phos, LAPなどの成績と併せ考察することにより胆道領域の病変高度のものを診断することが可能と思われる. 我々は経時的に131I-BSPシンチグラムを行つた症例の描記出現状態をDICの陰影出現とほぼ同様の傾向にあることを確かめ, 更に手術によつて観察した胆道領域病変高度の症例が131I-BSPシンチグラム描出時間遅延例に多く, LAP, Al-phos高値であつたもので描出遅延をみたものの大部分が病変高度のものであることを知つた.
  • 向山 昌邦, 河野 慶三, 浅野 武一, 小林 喜代子, 二井 洋子, 野尻 久雄
    1977 年 31 巻 7 号 p. 682-685
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Duchenne型筋ジストロフィー症患児の母親(保因者)6名の勝腹筋を生検し, 病理組織学的に検索した.
    筋線維直径の大小不同, 丸く肥大し胞体がエオジンに均一に染まる筋線維の存在, 結合織の増生, その他の筋病変の種類は, 筋ジストロフィー症患児の筋病変と同じであるが, それらの病変の程度は, 患児よりも軽度であつた.
    筋病変の程度は, 遣伝関係からみた保因の状態(Carrier state)や血清CPK値との間に相関性を示さなかつた. 臨床的に筋萎縮・筋力低下を示した症例では, 他の臨床症状を示さなかつた5例に比べ, 筋病変を著明に認めた.
    生検筋の検索は, 以上のごとき点に留意すれば, 筋電図検査・血清酵素値測定などとともに, 保因者の判定のために有力な情報を提供できる補助診断法の一つと考えられる.
  • 井田 時雄, 村山 鉄郎
    1977 年 31 巻 7 号 p. 686-691
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立熱海病院泌尿器科において, 1969年から1975年までの7年間に101例の被膜下前立腺摘除術を経験した.
    今回101例の前立腺摘除術に関して臨床統計的観察ならびに若干の文献的考察を加えたので報告する.
    101例の手術々式は恥骨上式前立腺摘除術8例と恥骨後式前立腺摘除術93例よりなる. 年令分布は58才から87才までに及び平均71.4才であつた. 手術の絶対的適応としての完全尿閉は67例(66.3%)であり, 摘除腺腫重量も平均46.6gであつた.
    術後の合併症は43症例, 53症状にみられ, 創部感染に伴う創部治癒遅延や創部〓開が多く, なかでも衛後の尿路感染症はほぼ100%にみられ, その起炎菌もProteus, Pseaadomonasなどのグラム陰性弱毒・変形菌によるものが多くみられた.
    潜在癌は5例であり, 死亡例は3例(2.9%)であつた.
  • 儀武 三郎, 松田 実, 徳川 博武, 松山 春郎
    1977 年 31 巻 7 号 p. 692-696
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    癌性ニユーロパチーで聴力障害を来した症例の報告は, 現在までに文献上は2例しか見られない. いずれも肺癌を基礎としていた.
    我々の症例もOat cell型の肺癌で末期に突発性難聴を来した. 剖検によつて, この難聴は癌性ニユーロパチーによるものと考えられた. 文献上, 突発性難聴を来した癌性ニユーロパチーの最初の報告例と思われる.
  • 久保 長生, 山崎 直美, 大久 保正, 別府 俊男, 浅尾 武士
    1977 年 31 巻 7 号 p. 697-701
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    中枢神経系の原発性悪性リンパ腫は比較的希とされているが, 我々は脳原発性細網肉腫を経験したので報告する.
    症例は50才女子で頭痛および失見当識を主訴とし, 歯科および精神科にて治療をうけていたが, 意識障害が出現したため脳神経外科に入院. 手術にて右前頭葉嚢胞性腫瘍を摘出する. 組織学的には細網肉腫であり, 術後, 60Co照射, BCG接種およびFT-207にて治療, 術後6カ月の現在, 有意義な日常生活を送つている. 中枢神経系腫瘍に対しての免疫化学療法の有益性を強調する.
  • 船木 治雄, 大田 早苗, 神谷 直紀, 広瀬 脩二, 渋沢 喜守雄
    1977 年 31 巻 7 号 p. 702-706
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々は肝門部あるいは総胆管の癌によつて黄疸指数が100~200という著しい閉塞性黄疽を来した3例に対して, Longmire・Sandfordの手術を施行し, 2例で術後完全な黄疸の緩解をみ, 社会復帰させることができた.
    この成績から, 我々はこの術式は決して根治手術ではないが確かな延命効果と黄疽除去効果のあることから, もつと頻用されてよい価値のある術式と結論した.
  • 山崎 直美, 大久 保正, 久保 長生, 別府 俊男, 榎本 尚美
    1977 年 31 巻 7 号 p. 707-710
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    60才以上の高年者脳腫瘍自験例4例について経過を述べた. これらはいずれも入院当初その病歴から脳血管障害と考えられた. 十分な補助検査により脳腫瘍と診断し, 脳腫瘍摘出術を施行した. 術後管理は高年者であるため困難であつた. 文献的に高年者脳腫瘍の症候学上の特徴, 特に脳血管障害との鑑別が困難であることについて考察した.
  • 鈴木 康紀, 土田 博, 山形 尚正, 杉山 雄一, 小舘 昭示, 三上 俊郎, 笹村 雅人
    1977 年 31 巻 7 号 p. 711-716
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    習癌の穿孔は非常に希で, 国立弘前病院外科における最近11年間の胃癌手術例402例中穿孔例は4例にすぎない. 穿孔率1.0%であつた. 本邦報告例は1976年10月まで, 自験例4例も含め, 225例である. これらの報告例について臨床的検討と若干の文献的考察をおこなつた.
    1) 本邦における胃癌穿孔率は0.56%であつた.
    2) 年令は51才以上の癌年令層が68.8%を占め, 男女比は4.5: 1と男に多い.
    3) 穿孔誘因は特にないものや不明のものが71.2%と大部分であるが, 誘因の明らかなものの中では衛前検査など医療行為に関連したものが18.9%もあつた.
    4) 穿孔部位は胃体部で全体の59.1%, 前壁穿孔は全体の46.1%で, 胃体部前壁穿孔が最も多く29.9%であつた.
    5) 穿孔状況は汎発性腹膜炎を呈したのが59.7%で最も多く, 被覆穿孔・膿瘍形成が28.5%, 他臓器への穿孔が11.8%であつた.
    6) 穿孔胃癌の性状はBorrmann III型が59.7%を占め, 組織学的には腺管腺癌が77.4%で最も多く, 浸潤度からはINFγに, そして髄様型に穿孔が多かつた.
    7) 手術々式は予後を左右し, 胃切除群では予後極めて良好であるが, 非胃切除群, 単開腹術においては予後不良である.
  • 3. 宮良部落のらい
    犀川 一夫
    1977 年 31 巻 7 号 p. 717-719
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    八重山群島のらいの疫学的状況を分析してみると, 石垣本島, 特に宮良部落のらいの発生が高いことがわかる. 昭和41年より昭和45年の5年間のらい発生状況を見ると, 石垣本島の約1/4を占め, 当部落の罹患率は人口1, 000人に対し4名という高率である. 昭和16年以来34年間の疫学的状況を検討すると, 近年減少傾向にはあるが, 昭和45年より昭和50年の5年間でもまだ罹患率は1.74‰, L型罹患率0.64‰, L型比36.4%, 小児らい比9.1%と石垣市平均を上回り, グラフで分析しても決して鎮静期にあるどはいえない. この状況をふまえ昭和47年7月にらい疫学的調査として当部落の住民検診, 学童検診を実施したが, 発見率は住民検診で4.93‰, 学童検診で2.29%と高率であつた. 今後も当部落からの発生が予想され, 積極的ならい対策が望まれる. なお当部落に限つてらいの多発している原因の一つは歴史的に古い港として, 中国, 台湾及び南方諸島との交流があつたことが考えられる.
  • 肝腫瘍―ホジキン病
    与那原 良夫, 佐々木 由三, 高原 淑子, 福井 谷祐一
    1977 年 31 巻 7 号 p. 720-721
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 31 巻 7 号 p. 722-723
    発行日: 1977/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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