医療
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31 巻, 8 号
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  • 斉藤 隆雄
    1977 年 31 巻 8 号 p. 747-753
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 原田 憲穂
    1977 年 31 巻 8 号 p. 754-758
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    臨床薬学の概念が日本に紹介されて, 10年の月日が経過した. この間, 数多くの知見や, 批判や, 憶測といつた情報が, 我々の目や耳に入つている. 本年に入り, 臨床薬学に関する単行本が出版きれるに及び, 最早, 好むと好まざるとにかかわらず, 臨床薬学の概念は, 我々の意識の中に, 何らかの形で, 根を下ろしたといつてよい. 概念としての導入はともかく, 実践への導入となると, なかなか至難なことである. 政治, 経済, 教育といつた社会的環境, 価値観, 民族意識など, 我が国のそれとは, かなり相違しているからである. しかし我々の職能のカテゴリーの中には, 幾多の近似点を見出すことが出来ることも事実である. 臨床薬学発展の歴史をたどり, 現状から将来への展望を予測することは, 意義あることである. そして, 日本では将来どのような形で, 定着され得るかについて考察することも, 興味深いと思い, 臨床薬学についての, 研究調査の一端を述べた.
  • 伊東 和人, 百瀬 隆
    1977 年 31 巻 8 号 p. 759-764
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々の“麻酔中循環動態判定における判別関数”を客観的尺度に用い, 救急手術の麻酔としてのGOPD法の評価を行つた. GOF及びN2O+筋弛緩剤法を対照として, 急性腹症の開腹術例について比較した.
    判別関数は次式により得られる.
    Z=4×R'SBP+6×RSBP+5×RPR
    (RSBP―経過中収縮期圧最大最小差, RR"SBP麻酔導―入後半でのR値, R踏―経過中心拍数の最大最小差)
    Z<527は安定, Z≧527ならば不安定である. 結果として, GOPD法にPancroniumを用いた群と, 対照群にAlcuronium, SCCを用いたものの比較となつた.
    GOPD群では安定, 不安定の比は, 18: 15, 対照群では12: 25であつた. 判別得点平均はGOPD540.00に対し, 対照群618. 38であつた. x2検定, t検定でともにP=0.07でGOPD群はより安定な傾向が見られた. GOPD法は救急手術の麻酔として用うべき方法の一つであると判断された.
  • ―90例の臨床的検討―
    木村 重雄, 井戸 幸男, 治部 哲哉
    1977 年 31 巻 8 号 p. 765-769
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1年9ヵ月の間に, 帯状庖疹90例を診察し, 罹患部の星状神経節プロツク, または硬膜外プロツクを局麻剤で繰り返し行つた. 2週間以内に来院した77例は, 治療によく反応したが, 高令者ほど, 多くのプロツク回数を必要とした. そして, 帯状萢疹後神経痛への移行は2例だけであり, 非プロツク群に比し著しく少なかつたが, 2週間を経過して来院した症例は, 約半数に痛みを残した. 12例 (約13%) が免疫抑髄療法を受けており, 罹患範囲も広く (1例は汎発性), 重篤で, 治療に抵抗した. 更に神経プロツク療法は, 単なる痛みの対症療法にとどまらず, 知覚障害, 所属りンパ節腫脹, 浮腫などの改善にも有効であると思われた。 以上により, 急性期の帯状庖疹に対しては, 発症後早期より, 交感神経節プロツクを行うことが最良と考え, 今後も実施していく方針であるが, 患者に恐怖心を与えることも多く, 手技の習熟と共に, 信頼関係の確立に努力したい.
  • 伊藤 宗元, 与那原 良夫, 川戸 正文, 福井谷 祐一, 剣持 諒, 田村 昇, 小野 増彦
    1977 年 31 巻 8 号 p. 770-774
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    白血病その他の悪性腫: 瘍治療時, グラム陰牲敗血症の発症が近時問題となつている. この場合には臨床的にシヨツク状態を呈することが多く, この原因がエンドトキシンによることが開らかとなつてきている. そこでわれわれは実験的に家兎にエンドトキシンを静注, 大腿骨骨髄より遊出する血球の変動について観察した. その結果, 骨髄からの遊出血球の大部分が明らかに減少すること, さらに骨髄より赤芽球, 幼若穎粒球が多数に遊出するなどを認め, これらの成因について考察した.
  • 武上 俊彦, 岡本 進
    1977 年 31 巻 8 号 p. 775-778
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症患者34例において, 筋無力症状に対する環境温度の影響牲を検討する目的で, アンケート調査, または面接法により, 環境温度の変化に伴う症状の変動性を調査し, 且つ2例において誘発筋電図検査による精査を行つた. 34例中30例 (88%) に環境温度の影響が認められ, すなわち筋脱力は, 高温環境下に増強し, 低温環境下に改善する傾向を示した. M波誘発筋電図によつても, 本症の神経筋伝達過程における局所的な温度変化の影響が認められ, すなわち筋肉内温度の上昇に従い, 低頻度反復刺激法にてMyasthenic decreme就はより明らかになつた. その機構として, 加温により, 運動神経末端部におけるアセチルコリン遊離の減少, またはアセチルコリン受容器における感受性の低下が推定された. 重症筋無力症患者におけるこのような現象は, 本症患者の診断. 並びに看護上, 有意義な示唆を与えると考えられる.
  • 第1編数計的考察
    蕪木 初枝
    1977 年 31 巻 8 号 p. 779-789
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    過去20年間に国立療養所村山病院で扱つた1337例の脊椎カリエスの治療方法, 社会状勢などの進歩, 発展によつて, 年次的に次第に臨床豫をかえて行く過程を数値的に述べた.
    入院期間が20年の間に半減してきている。 発病年令が若年者より高年者に移行している. 軽症例に対しては前方固定手術が入院後1-3週間ののちに行われる. 亀背矯正手術 (鋭性亀背に対しても) のために頭蓋骨盤牽引装置の併用を行う, などが過去と現在のカリエス臨床の著しいちがいである.
    一方, この間に不完全治療の遺物である脊椎カリエス陳旧慢性例に対しても, 前方直達掻爬骨移植術を行つて好成績を得ている.
    これらの各を集計して, 5年毎のプロツクとし, 各年代の臨床像, 治療法の特色などについて述べた.
  • 大隈 良貴, 広瀬 宣之, 畑瀬 哲郎
    1977 年 31 巻 8 号 p. 790-794
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々は, 過去3年間 (1973-1975) における経膣分娩2009例について, 出血量, Shockの頻度, 血管確保の頻度, 胎盤用手剥離の頻度について検討し, 次の結果を得た.
    1) 1000ml以上出血した症例の発生頻度は, 全経膣分娩の2.9%であつた。 2) Shockの頻度は1.1%であつた. 最高血圧80mmHg以下のみをShockとすると, その頻度は0.6%であつた. 3) 血管確傑については, 出血量501ml-1000mlの症例では54%と約半数に行い, 出血量1001ml以上では, 1例を除いて全例に行つた. 全経膣分娩に対しては22%と約4.5人に1人の割であつた. 4) 胎盤用手剥離と大量出血とは密接な関係にあつた. 5) 帰室後のShockが6例もあつた.6) 血管確: 保を分娩開始より全例行うこと, 胎盤用手剥離術の手技, 時機を適切にすること, 帰室後出血に対する予防, 管理を徹底することによつてShock症例を減少させることができると確信した.
  • 後藤 尚夫, 山田 耕三, 向井 康博, 吉野 信次, 桑原 貢, 柴田 一雄, 深水 明, 粟田 泰至, 勝間田 富士男, 米島 隆一, ...
    1977 年 31 巻 8 号 p. 795-830
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • ―医薬品の使用動向並びに処方内容調査―
    二宮 英
    1977 年 31 巻 8 号 p. 831-842
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    本研究班は常任幹事 (国立京都病院後藤尚夫) のもとに, 函館, 仙台, 高崎, 東二, 相模原, 熱海, 名古屋, 津, 山中, 京都, 大阪南, 泉北, 岡山, 善通寺, 小倉, 嬉野, 別府, 中津の18施設をもつて構成し, 昭和50年11月中における, 外来診療科別並びに入院患者の疾病別の医薬品使用動向を薬効別に調査. また処方せんにより, 剤型別, 診療科別にその使用頻度を調査すると共に, 処方医に対する疑義照会事項, 医薬品相互作用 (国立仙台病院のみ) についても調査した. その結果, 国立病院における医薬品の使用動向を把握することができ, また処方内容を分析検討することにより, 処方内容の実態を把握することができ且つ今後の薬剤業務を推進する上において多くの示唆にとむ資料をうることができた.
  • 岡田 弘, 徳永 進, 服部 譲
    1977 年 31 巻 8 号 p. 843-847
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    患者は34才男子で昭和47年10月に慢性骨髄性白血病 (以下「CML」) と診断され, Busulfanによる治療をうけていたが, 50年6月に骨髄中芽球96%を認め急性転化と診断された. VEMPとDCcMPによる治療を行い, 50年12月には完全寛解に達した。 51年2月に再燃し, 51年6月に肝障害を併発して死亡した.
    本症例の急性転化時の骨髄細胞染色体分析では, 低2倍性細胞が75%認められたが寛解とともに消失した. しかしPh1陽性細胞は寛解後も約90%認められ, CML急性転化の寛解時は慢性期の骨髄像にもどることを確認した. Ph1はt (9q+;22q-) であつた. 文献上CMLの急性転化に対して, 急性リンパ性白血病に適応のVincristine-prednisone, またはVEMPが比較的有効であつたとするものがみられる. また急牲転化時の芽球の形態的・細胞化学的特徴が再検討されているが, 本症例ではむしろリンパ芽球に類似していて, VEMPに対する反応と深い関連をもつと考えられる.
  • 呂 俊彦, 小田 桐重遠, 村上 勝, 宇都宮 利善, 大西 英胤, 植村 剛, 北洞 哲治
    1977 年 31 巻 8 号 p. 848-851
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    腸間膜に原発する腫瘍は比較的まれな疾患である. 特に実質性腸間膜腫瘍は自覚症状に乏しく, 腫瘤が増大してきてはじめて発見されることが多い. 従つてその報告例は少ない.
    著者らは80才, 男性の小腸間膜に原発した重さ520gの線維腫の1例を経験し, これを摘出しえたので報告するとともに, 併せて若干の文献的考察を加えた.
  • 石山 和夫, 松本 重喜, 大山 廉平
    1977 年 31 巻 8 号 p. 852-855
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    胆嚢切除術を行う際に合併することがある副損傷のうち, 胆管損傷はその処置が適切でなかつた場合には胆管の狭窄を引き起し, 遂には胆汁の通過障害にまで及んでくる. 従つて患者は黄疽とそれに伴う愁訴に苦しみ, 根治的な胆汁通過障害改善がなされない限り, その愁訴は持続するのみならず, 胆管炎を合併した場合には重大な結果となる. これらの観点から術中胆管損傷に対し適切な修復を行つて予後良好であつた2例と, 不完全な処置により長期間の愁訴を認めた2例に胆道再建術を行うことで, 胆汁うつ滞を改善せしめ得た2例を経験した.
  • 船橋 渡, 向井 源太郎, 原 政孝, 大橋 満, 佐藤 博信, 太田 光
    1977 年 31 巻 8 号 p. 856-859
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    十二指腸潰傷の手術例のうち, 昭和47年4月より約3年間に当院で行つた, 選迷切+幽門洞切除例と同時期に行つた広範囲切除例の衛後成績について比較をこころみた.
    対象とした疲例は選迷切+幽門洞切除14例と, 広範囲切除16例であり, これらはすべて術後1年以上を経過した症例である.
    術後愁訴についてはアンケートによる成績をもとに比較を行つた. その結果両術式ともに日常生活に支障があるような重篤な症状を呈する例はみられなかつたが, 下痢, 胸やけなどの愁訴は選迷切+幽門洞切除例に多く認められた. 食欲, 米飯摂取量, 術後の就労状況については両術式の間に差はなかつた.
    手術直後の合餅症では, 選迷切+幽門洞切除例でGastric retentionが繁々みられた. 従つてこの衛式の方が, 術後入院日数も長期を要した. 以上, 我々の成績では, 選迷切+幽門洞切除術が, 特に優れている点を認め得なかつた.
  • 西沢 直, 福田 悦夫
    1977 年 31 巻 8 号 p. 860-863
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和49年1月1日より同51年4月30日の間に, 70才以上の高令者手術104例を行い, 入院手術件数の5.2%を占めている. 手術内容では消化器系68例(65.4%), 消化器官外が36例(34.6%)で, 消化器系疾患の約2/3が悪性疾患であつた. 手術死亡は6例(5.8%)で, 高令者になるに従つて死亡率は高く, 80才以上では25%(8例中2死亡)であつた. 消化器系悪性疾患の死亡率は8.5%(47例申4死亡), 良性では45%(22例中1死亡)であつた. 死亡原因は一般的術後合併症によるものが3例(各縫合不全・術後腸管麻痺・肝腎症候群の1例ずつ), 不慮の合併症による死亡3例(衛後老人性精神障害に続発した誤飲牲肺炎・心筋梗塞・急性心不全の各1例)であつた.
  • 梅田 定
    1977 年 31 巻 8 号 p. 864-867
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    直接の原因が, 外傷に起因したと考えられる, 3才および5ヵ月の男児の顔面に発生した, 単発性の化膿性肉芽腫の2例を経験したので報告した, 病理組織学的に定型的で, 切除によって治癒し得た, あわせて, 本症の成因・発生部位・年令・性別ならびに病理組織学的所見につ
    いて, 知り得た文献を参照して述べた.
  • 本間 弥三郎
    1977 年 31 巻 8 号 p. 868-872
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    第1例は, 気管枝喘息兼鼻アレルギー, 9才女児の扁別, アデノイド切除例で, 術後風邪の羅患率の減少と, 小児科が施行した減感作療法が相まつて喘息発作がやや減少した. 第2例はアレルギー体質の虚弱な7才女児の, 体質虚弱, 抵抗力低下による扁捌, アデノイド切除後の感染例であるが, この外の原因として夏かぜ潜伏期における手術施行, また軽症アンギーナ腎炎の存在を知らずに手術を施行したための反応的一時的増悪, 及び女子のため術後の膀胱炎併発も, 検尿成績より考えねばならない. 第3例は習慣性アンギーナ33才男子の扁捌後のASLO値観察例で, 正常値になるまで約3カ月を要し, 手術後のASLO値が正常値に復するまでには相当長期間を要するものがあることを知つた.
  • 甲状腺腫―亜急性甲状腺炎
    与那原 良夫, 佐々木 由三, 高原 淑子, 鈴木 民子
    1977 年 31 巻 8 号 p. 874-875
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 31 巻 8 号 p. 876-877
    発行日: 1977/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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