医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
32 巻, 12 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 冨 徹
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1445
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 古澤 元之助
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1446-1451
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    九州がんセンターで手術された胃癌患者のうち, 70才以上の高令者96例を, 69才以下の360例と, 胃癌手術に関して比較検討した.
    70才以上の高令者は, 69才以下の患者に比べ, 術後に肺, 循環器の合併症を高率に惹起する傾向にあり, 特に胃全摘, 噴切では肺合併症を高率に生じていた. 高令者の手術直接死亡率は5%で, 69才以下の0.7%よりも高く, 胃全摘では15.4%と高かつた.
    血清蛋白量, 血清コレステロール, 体重などからみた術後遠隔時の消化吸収は, 高令者でも胃切除例では良好であつたが, 胃全摘ではやや低下していた.しかし, 治癒手術例の5年生存率は高令者でも69才以下のものに比べて劣つておらず, 非治癒切除例ではむしろ高令者の方が良い成績を示していた. 従つて, 高令者の胃全摘は必要かつ最小限度に止めるべきであるが, 癌に対しては患者のriskに無理がなければ, 積極的に手術を行うべきで, それによつて老人の余命を延長させ得るであろう.
  • 沢村 献児, 長岡 豊, 近森 淳二, 森 隆, 飯岡 壮吾, 南城 悟, 中村 憲二, 高尾 哲人
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1452-1461
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    老人の胸部手術の問題点は, 術前併発症が高く, 術後合併症も高頻度にみられ, 特に呼吸, 循環器系合併症の頻度が高い点にある. その背景因子としては, 男性, 重喫煙者そして手術侵襲が大きい程, これらの合併症が高頻度に現れ, しかもこれが加令と共に増加するばかりでなく, 多臓器の重複合併症もこれと平行して増加することを, 過去10年間の自験例107例の分析から述べた.
    特に循環器合併症については, 低肺機能例について分析し, また, 血液ガス, 血糖値の所見から, 糖質代謝に対する老人胸部手術の問題にも触れ, 老人に対する胸部外科における合併症の予防対策についても言及した.
  • 荻野 幹夫
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1461-1468
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    近年我が国の諸医療機関整形外科部門を訪れる老人患者は増加しつつある. これら老人患者には, 幾つかの特有の整形外科的問題がある. 本文では, その中で4つの問題をとりあげ検討してみた. それらは, オステオポローゼ, 大腿骨頸部骨折, 膝及び股関節変形性関節症と神経症状を伴う変形性脊椎症である.
    オステオポローゼについては, 成因には種々の説があり, それらに従つた治療法が提唱されているが, そのいずれも, ある程度の効果がある. その中でオステオポローゼ発症の最も重要な因子は, 老人の身体運動量の減少であろう. オステオポローゼ発症の予防には, 適度の運動が重要であることを強調したい.
    大腿骨頸部骨折の発症の最も重要な因子はオステオポローゼである. 本症の治療については, 種々の人工置換物が用いられることがあるが, 十分慎重な考慮が望まれる.
    膝及び股の変形性関節症は, 動的な病態生理学的見地より再分類されるべきである. 通常のX線像のみよりなされる分類は, 必ずしも適切な治療法の選択には適していない.
    神経症状及びまたは間けつ的破行症状を伴う変形性脊椎症例には, 広範囲椎弓切除を含む積極的な外科的治療法がすすめられる.
  • 田口 裕功, 福岡 洋, 山田 哲夫, 臼田 和正
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1468-1474
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症の手術経験をもとに, 私達の老人外科に対する考え方と, 増加しつつある老人医療に対する問題点を述べた. 対象は過去5年9ヵ月間に前立腺手術を施行した55例(全手術708例の7.7%)である. 年令は70才以上が58%を占めた. 術前合併症は高血圧と心筋障害が多かつた. 手術の適応として, 腎の予備能力を示すPSPテスト値などを参考とし, 術式や麻酔を選択した. このうち9例は粘膜麻酔下に凍結手術を行つた. 46例が内腺摘出術(恥骨上式, 後式と, 私達の工夫した併用術式)で, うち28例が全麻, 残りは腰麻か硬膜外であつた. 手術や麻酔による死亡はなかつた.
    術後合併症は63%に認められ, 1例を除いてすべて自然排尿を認めた. 以上老人の手術は, 術前に十分な観察と検査を行い, 合併症の治療や, 体力気力の充実を計り, 厳密に手術適応を決定すべきである.
  • 川添 太郎
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1474-1480
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    最近の人口の高令化に伴い, 手術患者の中で高年者の占める割合が増加し, それにつれて手術適応も拡大されてきている. 高令者では術前の全身状態, 手術方法, 麻酔方法が術後に与える影響は大きく, より密接に関係してくるものと考えられる. 本稿では麻酔科領域に関係のある術後管理の面, すなわち術後の鎮痛, 高令者に多い術後肺合併症及び心筋梗塞との関係について述べる. 高令者では閉塞性肺疾患に罹患している者が多く, これに関連して術後の肺合併症は頻度が高い. 術前からの準備や術後の管理が大切である. 術後の創部痛は深呼吸や咳を弱はめ, 肺のコンプライアンスを低下させる大きな原因といわれ, 鎮痛法を種々考える必要がある. 老人の手術増加で, 心筋梗塞発作の既往歴をもつ患者も増え, その術後の死亡率は高く, 手術時期や術中, 術後の管理は重要である. 高令者は種々の予備力の低下があり, 術後の合併症, 死亡率も高く, 予防が特に大切である.
  • 三村 久, 大野 靖彦, 村山 正毅, 荒木 文雄
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1481-1485
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    出血傾向を主訴とし, 門脈圧亢進のない特発性門脈圧亢進症の1例を報告した. 症例は23才の男性で, 少年期より出血傾向が出没し, 17才のとき出血傾向と肝脾腫で入院, thromboastheniaと診断されたがステロイドが奏効した. 今回再び同症状で入院したが血球数に異常なく, 血小板数の軽度の減少と骨髄像の所見から血小板減少性紫斑病と診断され, 摘脾術が行われた. 術中の門脈圧は190cmH2Oと正常で胃大網静脈―左副腎静脈にシヤントがあつた. 組織学的には肝はfibrosis, 脾はfibroadenie, Gamma-Gandybodyがみられ特発性門脈圧亢進症と診断された. 手術後は経過良好で, 出血傾向は治癒した.
    “特発性門脈圧亢進症”は機能的診断名であるため, 自然のシヤントが形成されている場合には門脈圧亢進を呈さない場合もある.
  • 安部 明郎, 沓掛 伸二, 銭谷 幹男, 相沢 良夫, 島野毅 八郎
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1486-1489
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Kormed biopsy needleを用い肝疾患37例に肝生検を行つた. 得られた症例は急性肝炎6例, 慢性肝炎20例, 肝硬変2例, 肝内胆汁うつ滞1例, Fatty metamorphosisl例, Minimal change5例, 不成功2例であり, 成功率約95%であつた. 肝硬変例はFragmentationを起す傾向を示したが, 他の症例は使用ゲージに差なく, 辺縁も平滑で組織判定に十分な資料であつた. なお, 本法の最大の特徴は操作および術式が簡単で, 初心者でも容易に行えること, ならびに肝内刺入時間が瞬時であることである.
  • 大木 箭洋, 伊藤 一郎, 武井 八重子, 二宮 光子, 斉藤 昭三
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1490-1493
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    吐血を主訴とした65才の女性で, 胃X線検査の結果, 噴門部に憩室と潰瘍が隣接して存在した1例を経験した.
    一般に, 胃憩室は消化管憩室のうちでもまれである. しかし, X線診断上潰瘍と鑑別しなければならない点で注目される. 憩室のX線学的特徴は噴門部小轡に近い後壁にみられ, その辺縁が平滑で伸展性に富み, 液性鏡面像を認め, 憩室内に粘膜皺襞が入り込んでいる.それに対し, 潰瘍は噴門部に発生することは比較的少なく, 潰瘍底は不整で, 潰瘍辺縁に向う粘膜皺襞の集中をみるが, 潰瘍内に入り込むことはない. このような所見を得るために, 胃X線検査のさい造影法を十分工夫しなければならない.
    著者らは胃X線検査にて通常の方法に加えて腹臥位二重造影法を丹念に行い, 噴門剖に憩室と潰瘍の両者の存在を明らかにすることができた.
  • 橘高 祥次, 徳江 幾郎, 中戸川 公治, 山口 巌
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1494-1496
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    2例の子宮破裂(ともに膀胱破裂を伴う)を経験し, 適切な治療の結果, 母子ともに救い得たので報告した.
  • ―国立別府病院における5年間の統計的観察―
    下川 浩, 森田 隆, 田辺 正直
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1497-1501
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和48年1月から, 昭和52年12月までに国立別府病院産婦人科にて分娩した既往帝切婦について, 今回の分娩様式を中心に検討した.
    総分娩数1629例中, 既往帝切妊婦は55例(33%)であつたが, その割合は年毎に増加してる. 既往帝切妊婦中, 反復帝切例は23例(41.8%)であつた.
    既往帝切妊婦の分娩に関係すると考えられる, 年令, 前回帝切より今回分娩までの期間, 前帝切適応, 既往帝切回数, 新生児体重について検討したが, 関係があると確認し得たのは, 前帝切適応のみであつた. 前回帝切適応が, 永続的適応では, 反復帝切率は, 63.6%であつたが一時的適応では, 27.3%であつた.
    経腟分娩例の分娩所要時間の平均は, 14時間56分であつた.
    母児への影響では, 分娩時出血量は, 経腟分娩, 370ml, 反復帝切, 807mlで, 反復帝切有意に多かつた. 母体死亡, 周産期死亡, 子宮破裂はなかつた.
  • ―主として呼吸不全の立場から―
    越山 健二郎, 桑原 修, 田中 英之, 中島 篤巳
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1502-1506
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和52年8月1日現在, 当院に10年以上の長期にわたり引続き入院している42例の患者に対し, 主として呼吸不全の立場から検討を加えた.
    これらの患者は比較的高年令のものが多く, ほとんどが空洞型肺結核で, 3分の2のものに持続的排菌を認める. また低肺機能のものが多く, ほとんどのものが呼吸器機能障害による身体障害者に該当する.
    動脈血ガス分析によると, Pao270 TORR以上, Paco2 35~45 TORRのものは16例(38%)に過ぎす, 一方Pao2 69 TORR以下またはPaco2 50 TORR以上のいわゆる呼吸不全のものは19例(45%)であつた. Paco2は%VC, 指数との間に明瞭な相関が認められた. またPao2低下の原因としては肺胞低換気が最も大きな問題となるように思われた. 酸塩基平衡動態をみると, ほとんどの例がEngelらのchronic stable hypelcapniaにおけるHCO3-, Paco2の間の回帰直線と比較して, 95%信頼限界内にある.
  • 浅野 安生, 森田 茂則, 榎本尚美 尚美
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1507-1511
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1958年, 中国において最初の鍼麻酔に成功をおさめた. 従来の鍼治療が術後の疹痛の緩和や術中の疼痛の軽減に役に立つということから, 鍼による麻酔が実用化出来るのではないかと研究され, その成果が得られた.
    初期のころは, 抜歯や扁桃の手術に用いられ, 1960年には胸部外科にも応用された. 文化大革命前には, これは非科学的で実用には供し難いとしたが, 革命後は認識を改められて発展し, 現在では約250種の手術に応用されている.
    私共の病院では, 約2年間に100例の鍼麻酔による抜歯を経験した. その成績は, 59例が鍼麻酔のみで抜歯可能であり, 完全無痛のものはそのうち30例であつた. 術後の葵痛を訴えたものは3例にすぎず, 術後出血の5分以内に止血したものは94例であつた.
  • 抗核抗体, 補体価, 腎生検を中心に
    橋本 博史
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1513-1528
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 博史, 山崎 昭
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1529
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 十字 猛夫
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1530-1534
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 横張 龍一
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1534-1539
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 輝彦
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1540-1546
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 赤澤 好温, 東 淑江, 小出 操子, 大石 まり子
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1546-1555
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
  • 猿田 栄助
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1556-1557
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 山崎 昭
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1557-1558
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 臼井 宏, 野末 洋, 岡田 菊三, 渡辺 憲一
    1978 年 32 巻 12 号 p. 1560-1561
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1978 年 32 巻 12 号 p. 1562-1564
    発行日: 1978/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top