昭和48年1月から, 昭和52年12月までに国立別府病院産婦人科にて分娩した既往帝切婦について, 今回の分娩様式を中心に検討した.
総分娩数1629例中, 既往帝切妊婦は55例(33%)であつたが, その割合は年毎に増加してる. 既往帝切妊婦中, 反復帝切例は23例(41.8%)であつた.
既往帝切妊婦の分娩に関係すると考えられる, 年令, 前回帝切より今回分娩までの期間, 前帝切適応, 既往帝切回数, 新生児体重について検討したが, 関係があると確認し得たのは, 前帝切適応のみであつた. 前回帝切適応が, 永続的適応では, 反復帝切率は, 63.6%であつたが一時的適応では, 27.3%であつた.
経腟分娩例の分娩所要時間の平均は, 14時間56分であつた.
母児への影響では, 分娩時出血量は, 経腟分娩, 370ml, 反復帝切, 807mlで, 反復帝切有意に多かつた. 母体死亡, 周産期死亡, 子宮破裂はなかつた.
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