医療
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34 巻, 12 号
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  • 山田 満, 友成 正路, 小林 明子, 鶴岡 一美
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1073-1079
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は過去6年間に全身麻酔を対象にランダムに心電図記録を行つたもの1397例である. 年令は20才より80才までの各年令層にわたり, そのうち男性482例, 女性915例である.
    心電図記録は麻酔開始前より麻酔覚醒までオシロスコープにて連続監視を行い, 原則として麻酔前, 麻酔中に行い, そのほか異常が認められた場合にはその都度記録を行つた.
    検討を行つた麻酔法はGOF, GOP, NLA-originalおよびNLA-modifyの4種類で, それらについて筋弛緩薬の非使用群と使用群があり, 使用群ではDNT, PBおよびSCCの3群に別れている.
    維持麻酔中の不整脈発生率について最高値を示したものはGOF+SCCで137例中37例27%で, 他の群に比べて有意差を示した. GOPおよびNLAがGOFに比べて特に不整脈発生率が低いようなことはなかつた
  • 塚本 澄雄, 竹村 潔, 堀 浩, 堀池 信雄, 京井 喜久男, 内海 庄三郎
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1080-1085
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    徐拍性不整脈により, めまい, 失神発作などの脳虚血症状を示した狭義のStokes-Adams症候群患者8例にpacemakerの植込みをおこない, 全例に臨床症状の著しい改善を認めた. 一方, 脳波的にもpacemakerの植込み前に比べ, 主として基礎波の律動性に変化のあることが認められた.
    脳循環はautoregulation mechanismにより心拍出量のかなりの減少に対しても一定を保つよう守られ, 脳機能の恒常性が保証されているのではあるが, それを上まわる送血量の低下に対してはautoregulationも作動しきれず中枢神経症状がひきおこされる. この際, 脳活動の低下が脳波にも反映されるわけで, この観察は臨床上大切なことと思われるが, pacing患者の脳波についての報告は少ない. 著者らはpacing前後の脳波を対比し, 心調律の正常化により脳波がどのような変化を示したか, 症例をあげて報告する
  • 吉武 克宏, 永沼 万寿喜, 小池 一行, 高良 吉広, 河野 三郎, 松永 貞一, 橋本 文久, 飯倉 洋治, 永倉 俊和
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1086-1089
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    MCLSにおける心電図変化の頻度は相当高く, その経時的変化の観察は臨床上重要である. 著者らはMCLSと診断され, 心電図検査が比較的頻回に行われた24例を対象に心電図の経時的変化を中心に検討した. 心電図異常の判定は1)PQ時間0.16 sec以上, 2)QTc 0.42以上, 3)0.2mV以上のSTの変化, 4)V5でR波が0.5mV以上, 5)T波が0.2mV以上変化したもの, などとした.
    24例中23例(96%)に何らかの異常心電図所見が認められた. QTc増大(88%), PQ延長(54%), R波増高(38%), R波の減高(21%)などが高頻度に見られた. 経時的に見るとQTc増大は病初期から数病週にかけて広い範囲で見られ, PQ延長, R低下, T平低下は病初期から第2病週の早い時期に出現した. 浅井らのスコアと心電図変化の間には相関性がなかつた. いずれの所見も1枚の心電図の上だけではさほど異常と見えず, 経時的な比較で始めて異常と分かる所見である
  • 市村 格, 井上 昭一, 酒井 正生, 中根 正夫, 星野 元昭, 山口 和男, 杉田 洋一
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1090-1095
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    開心術後の不整脈は, 術後合併症の中でも最も重要な問題と考えられる. 我々は今回弁置換症例における術後の一過性不整脈及び加療を必要とした不整脈出現症例を分析, 検討を加えたので報告する.
    1)術後不整脈の種類, 時間的因子について検討し, 術後6~8時間までに不整脈の発生頻度が高いため, 特に注意して術後管理にあたることが必要である.
    2)右室ペーシングに加えて, 心房ペーシングを植え込み, ここに競合刺激を数秒行い, 頻脈を阻止することが可能であり, 術後上室性不整脈のコントロールが容易となつた
    3)弁置換症例術後の不整脈の原因の1つに, 低K+血症が考えられた. 同時に術直後数日, 血中ジゴキシン濃度が高値を保つ傾向が認められた. これらのことより, 術後はもち論のこと. 術前よりGIK療法などでカリウムの補正が必要であり, 術後のジゴキシン投与も, 慎重に行う必要がある
  • 乃木 道男, 横須賀 達也, 多田 隈理, 森田 敬知, 大野 敏己, 渡辺 哲
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1096-1099
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1971年6月より1980年4月まで, 当院においてペースメーカー植込み手術を行つた症例は32例である. このうち最近の症例2例を除き, 30症例(使用したペースメーカー40個)につき予後を検討した.
    患者は9才から81才まで(平均61.8才)であり, いずれもAdams-Stokes症候群を伴つており, 心電図上の診断は, 完全房室ブロツク10例, II度房室ブロツク6例, 洞機能不全症候群(SSS)7例, 徐脈性心房細動など7例, 計30例である.
    死亡例は6例あり, 死因は直腸癌, 乳癌, 老衰など, ペースメーカー植込みと直接関係のない原因によるものと考えられた.
    合併症としては, ペースメーカー本体によるもの2例(2/40, 5%), カテーテル電極の移動2例(2/26, 7%), 心筋電極の破損1例(1/4, 25%)であつた.
    生存例23例(76.6%)の予後は良好である
  • 宮沢 総介, 林辺 良人, 山田 学, 安西 信行
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1100-1104
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1967年, Lownによつて命名された, Sick Sinus Syndromeは, 近年, その病態に関する知識も高まり, ペースメーカー治療の対象として関心を集めている.
    我々は, ペースメーカー植込みを行つた8例に対し, 洞結節回復時間, ヒス束心電図, そして術後遠隔期における心電図の基調の変化などについて検討を加えた.
    洞結節回復時間の延長は, 3例においてのみ認められた. 12ヵ月から77ヵ月の観察期間の後, 術前から症状が残つていたものが2例あり, ペースメーカー植込み前にくらべて, 自己リズムの増加がみられたものが4例あつた. 以上のことから, Sick Sinus Syndromeのペースメーカー治療の適応は, 単純には決められない面があるので, 補助的検査法よりも臨床症状と心電図所見を重要視すべきであるという結論に至つた
  • 内田 象之, 馬場 尚道, 松尾 和彦, 岩本 勲, 藤富 豊, 小野 彰夫
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1105-1110
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1972年7月から, 1979年9月までの間に, 国立長崎中央病院を受診し, ペースメーカー植込みを受けた患者は40名であつた. これらの患者の性別は男21名, 女19名で性差はなく, 年令は28才から84才に及び, 平均年令は64.8才と高令である. これら40人のうち33人が大きな合併症もなく生存中である.
    我々の少数例による経験からでも, この治療法が延命と生活の質の向上に対する寄与は大きいと思われる
  • 馬場 尚道, 内田 象之, 松尾 和彦, 岩本 勲, 藤富 豊, 森永 敏行, 今村 甲
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1111-1115
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1972年4月から1979年3月までに行われた15才以下の小児心臓手術症例は254例で, そのうち生後4日目から15才に及ぶ148例(58%)に完全無輸血手術が行われた.
    開心術177例中117例に単純超低体温法を用い, そのうち88例(75%)に自家血輸血と代用血漿法により無輸血開心術を施行した. 最近では年令で1才~12才の症例が多く, 無輸血開心術の達成率も90%近くになつている.
    非開心術77症例中55例(71%)に無輸血手術を施行し, 最少年令は生後4日目の三尖弁閉鎖症の患児であつた.
    無輸血症例に肝炎は1例もなく, 輸血症例でも最近は輸血量が1000cc以下では肝炎の発生をみていない.
    単純な先天性心疾患を有する小児に対し, 単純超低体温法による無輸血開心術は有用であると考えている
  • ―昭和53・54年の手術統計を中心に―
    国立療養所循環器研究会 , 小林 君美, 中納 誠也, 井上 律子, 山中 晃, 住友 伸一, 森 厚, 黒田 良三, 上村 博幸
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1117-1123
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立療養所循環器研究会参加施設において, 昭和53年1月より昭和54年12月末までに施行された心臓血管手術症例は1041例で, 先天性のもの526例, 後天性のもの515例である.
    先天性心臓血管疾患症例では, ここ数年間症例数においては著明な変動はない. ただ, 重症な複雑心奇形に対する根治手術が行われるようになつているのが目をひく.
    後天性心臓血管疾患症例では, 弁膜疾患に対する開心術がその主流となつている. ことに, 弁置換術が増加しており, その成績も良好である. 一方, ここ数年, 虚血性心疾患に対するバイパス手術やペースメーカー植え込み例が増加している. その手術成績もすぐれており, 今後はこのような高年令者に対する手術が増加してくるものと思われる
  • 原口 義邦, 右山 尚文, 藤岡 俊宏, 井関 隆
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1125-1129
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    恒久性心房停止は心房が持続的に電気的, 機械的にSilentな状態をいい, 希な疾患であり, 我が国では現在までに18例の報告がみられる. 症例は22才男子で, 集検で不整脈を指摘され精査のために受診した. 家族歴, 既往歴に特記すべき事項はなく, 12誘導心電図及び食道誘導心電図, 右心房内心電図でP波を認めず, 房室結節リズムであり心拍数毎分48, 房室性期外収縮が頻発, 不完全右脚ブロツクがみられた. 運動負荷で心拍は増加せず, アトロピン投与で50/分から78/分までわずかに増加した. 右房内圧曲線ではα波が得られず, 心房ペーシングでも心房は反応しなかつた. ベクトル心電図でもP環は得られず, 以上のことから恒久性心房停止と診断した. 基礎疾患として筋ジストロフィー, アミロイドージス, 心筋症, 心筋梗塞その外が報告されているが本例では筋萎縮はみられず筋ジストロフィーは否定した. 心筋の生検は行つていないので成因に関しては現在のところ不明である
  • 西崎 進, 時岡 正明, 三河 内弘, 西崎 良知, 村上 元正
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1130-1133
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    産褥性心筋症は欧米では相当数報告されているが, 我が国では36例余りが報告されているのみである.
    今回我々が経験した症例は, 29才の会社員であり, 以前心疾患を指摘されたことはなかつた. 満期安産にて第1子出産後3日目に心不全状態が出現し, 次第に悪化したため産後6日目に当院に救急入院した.
    心エコー図による産褥性心筋症の診断のもとに, 利尿剤, ジギタリスを投与したが反応しないため, ニトログリセリン, プラゾシンなどの血管拡張剤を投与した. しかし, この効果も一時的であり心不全状態が持続するため, ultrafiltration methodにて脱水を行つたが, 病状の悪化をくい止めることができず, 出産後23日目に死亡した.
    剖検では両心室腔の拡大が著明であり, 組織像では心筋線維の著明な変性萎縮像が認められた. また肺動脈内に大量の血栓塞栓が見られ, これが治療に不応性であつた原因の一つと考えられた.
    また, この患者は家族歴で母親が第2子(患者本人)を出産後40日程度で心疾患で死亡しており, 病因としての遺伝性の問題にも興味が持たれる
  • 宮沢 総介, 山田 学, 林辺 喜人, 安西 信行
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1134-1137
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    細菌性心内膜炎の活動期における大動脈弁閉鎖不全では, 心不全の進行が速く, 致死的心不全に発展することがある. 手術時期を逸し, 救命できなかつた1例を経験した.
    症例は46才男性, 労作時の息切れと発熱を訴え来院した. 血液培養は陰性であつたが, 臨床症状と他の検査所見は細菌性心内膜炎を疑わせた. 超音波断層検査にて, 大動脈弁右冠尖に明瞭な疣贅の付着を認めたので手術の予定としたが, その前日になり突然心不全が進行し, 緊急手術を試みたが救命し得なかつた. 反省すべき点について文献的考察を加え報告した
  • 12. 興味ある悪性胸腺腫の1症例
    朝倉 裕美, 松田 美彦, 平田 正信, 稲垣 敬三, 田島 洋, 大島 武雄, 飯野 行一
    1980 年 34 巻 12 号 p. 1138-1139
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 34 巻 12 号 p. 1140-1142
    発行日: 1980/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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