Borrmann IV型胃癌(Borr. IV)は発見時, すでに進行したものが多く, 予後も悪い. しかし, 治癒手術を行つた中には長期生存を得た例もあり, 治癒手術への期待がある.
そこで, 昭和43年8月から49年12月までの37自験例の手術例から治療内容を検討した.
Borr. IVの絶対治癒手術率は低く, 絶対治癒手術例の5年生存率(5生率)も低い. se例では極端に予後は悪かつた. リンパ節郭清による5生率は, ss例では郭清することによる効果はあり, さらに, 10, 11番リンパ節転移例には, 膵脾合併切除の延命効果はあつた. se, n
3 (+)でR
3手術を行い, 術中, 術後に強力な化学療法を行つて長期生存例を経験した. se例には手術に加え, 化学療法の工夫, とくに腹膜再発に対する治療が必要である.
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