1974~1979年間の国療16施設の慢性膿胸765例を, 治癒, 軽快などの治療成績判定基準を明確にした上で分析した.
男性が80%を占め, 50才以上は60.3%, 60才以上は24.5%と高令者層が多く, 全膿胸は49.3%, 内瘻ありが53.5%を占めていた. 喀痰中結核菌は20.8%, 膿胸腔内結核菌は22.2%に陽性で, 化膿菌はグラム陽性球菌20%, グラム陰性桿菌21%, 結核菌とグラム陽性球菌の混合感染4.3%, グラム陰性桿菌との混合感染3.5%, 無菌性は31.6%であつた.
内科的治療は24.3%に施行され, 治癒30.1%, 成功65.1%, 死亡12.4%とかなり良好な成績を示したが, 有瘻, 耐性例の治癒は4.5%, 成功22.7%, 死亡45.5%と悪かつた.
外科的治療(無瘻例)は30.1%に施行され, 治癒87%, 成功93.5%, 死亡2.6%, 一期的手術成功率67.8%を示し, 有瘻例(41.8%)では, 治癒67.2%, 成功82.2%, 死亡5.9%, 一期的手術成功率41.6%を示した.
術式別では骨膜外Air plombage法が剥皮術単独に遜色ない成績を示したのみでなく, 肺機能の改善度では, 剥皮術に優る良好な成績であつたが, 術前のrisk度により更に分析した上で最終的な術式別評価を行いたい.
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