医療
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38 巻, 6 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 北川 達也
    1984 年 38 巻 6 号 p. 552-556
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    筆者がこれまで報告してきた論文にもとついて, てんかん患者における脳波の臨床的意義について以下の事項について述べた. (1)頭皮脳波でみる多棘徐波結合, 高振幅徐波, 3Hz棘徐波結合の脊髄単シナツプス反射(H波)に及ぼす影響, (2)重心計を使つて3Hz棘徐波出現時の体の動き, (3)てんかん患者の脳波上のmirrorfocusおよび多焦点棘波の問題, (4)てんかん患者の予後に対する脳波所見のもつ意味, (5)脳波強制正常化による精神症状, 自律神経症状, (6)棘波の頭皮上各点での時間的ずれを測定しての棘波の伝播について, (7)CTでの障害部位と脳波所見との対比, (8)14-6Hz陽性棘波, 6 Hz phantom棘徐波結合の臨床脳波学的意義, とくに自律神経発作, 感情発作との関係.
  • 西海 正彦
    1984 年 38 巻 6 号 p. 557-559
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    抗nRNP抗体を二重免疫拡散法にて測定する際の測定条件について検討した. 抗原の種類は仔牛胸腺または家兎胸腺が適していた. 抗原濃度は50~100mg/mlが適当と思われた. 反応時間は40Cで48時間で十分であつた. ゲル濃度は0.6%前後がよかつた. 抗原量は50mg/mlの100μl以上が望ましかつた. 抗原活性は抗原作製後-20℃で3年間保存しても低下していなかつた.
  • 近藤 忠亮, 杉原 荘介, 小 板愿, 中元 紀克, 稲垣 功恵, 坂田 尚子, 石部 悦子, 藤田 貴子
    1984 年 38 巻 6 号 p. 560-563
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    CEAのサンドイツチ法による基準値は2.5ng/mlとされている. 臼井らの異常値を含むデータより基準値を求める対数近似法で, 261例より算出された基準値上限は3.6ng/mlであつた. CEA濃度を1.9ng/ml, 2.0~2.5ng/ml, 2.6~3.6ng/mlの3群にわけ,良性と悪性疾患の比率をみたところ有意の差はなかつた. CEA濃度が基準値以上を示す異常率は, 直腸癌と肺癌は66.7%, 胃癌38.2%, 乳癌36.4%, 甲状腺癌33.3%であつた. CEA異常を示す良性疾患のうち, 肝疾患183例についてみた異常率は急性肝炎0%, 慢性肝炎12.1%, 肝硬変症32.7%であつた. 原発性肝癌では21.9%を示した.
  • 山下 恵一, 東 伊佐男, 佐々木 寛, 久保 惣平, 小島 修
    1984 年 38 巻 6 号 p. 564-569
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1981年10月から1983年9月までに経験した, High Risk Pregnancy(HRP)症例のうちNon-stress testを施行した60症例を対象とし, KrebsらのScoring systemを用い, そのNST moniteringの臨床評価と合わせて児の予後との関係を検討した.
    1. NST score 9点以上の高値群49例, 8点以下の低値群11例で, そのPerinatall morbidity は前者で69%, 後者で91%であつた.
    2. NSTscoreと生化学的情報との相関は高率に認められたが, 一方では相関不一致例が尿中E3単独群で21%, 血中HPL単独群で27%, 併用群で18%認められた.
    3. SFD(-)群及びhigh Apgar score群はともに高率にNST高値群に偏在した.
    4. 一方NST低値群に注目すると91%のPerinatal morbidityのうち, いわゆるfalse positiveは9%と低率であり, HRP症例におけるNST低値群は十分に予測される児のpoor prognosisに対し厳重なる胎児管理の必要性がうかがえた.
  • 第3報 糞便細菌叢の生態学的検討と糞便短鎖脂肪酸
    鈴木 紘一, 北洞 哲治, 横田 曄, 森 忠敬, 宇都宮 利善
    1984 年 38 巻 6 号 p. 570-576
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    主に合成ペニシリン内服後にみられる急性出血性大腸炎の成因を明らかにする目的で, 自験例13例の糞便細菌叢の検討を行つた. 細菌培養は好気性菌および嫌気性菌の定量培養を行いSpecies(種)のレベルで同定し, 13例中6例は血性下痢便及び回復期固型便で検索を行い, 細菌叢の生態学的検討を行つた.
    血性下痢便では従来より本症の糞便培養上問題となつているKlebsiella oxytocaの増殖している頻度は高かつたが, 同菌が他菌に比し優勢ではない例, 検出されない例あるいは回復期に増殖する例もみられ, その意義については単なる菌交代現象と考えられる成績をえた.
    Clostridium difficileは1例も検出されず, 糞便中細菌毒素の検定も9例に行つたが, すべて陰性を示した. 嫌気性菌を主とする総菌数の著減が共通してみられ, 抗生物質投与動物における糞便短鎖脂肪酸の減少と併せ考え, 下痢発症と細菌代謝との関連性を考察した.
  • 藤村 政樹, 黒木 五郎, 橋場 義則, 林 代四男
    1984 年 38 巻 6 号 p. 577-581
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肺結核の活動性を評価することを目的として, 肺結核患者22名および正常者3名について気管支肺胞洗浄(BAL)を試みた.
    従来の喀痰や胃液培養などの方法では, 菌が検出されなかつた5例において, BAL液より結核菌が検出された. 結核菌が検出されたBAL液では好中球実数の増加がみられた. 胸部X線所見の活動性が高い群ほど, BAL液から結核菌が検出される率は高かつたが, 非活動性を示すX線所見でもBAL液より菌が検出される例が存在した. いずれのX線所見においても, 結核菌が証明されたBAL液では, 好中球実数および比率の増加がみられた.
    以上より, BALは感度の高い結核菌検索法として有用であることが示された. また, 結核菌が検出され得る病巣では主要な炎症細胞は好中球であることが示唆された.
  • 北原 義也, 西 文明, 田中 靖, 原田 泰子, 高瀬 朝雄, 石橋 凡雄, 篠田 厚, 高本 正祇
    1984 年 38 巻 6 号 p. 582-587
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肺結核症の血流および換気からみた機能障害の遺残を知るため, 40名の肺結核症患者(学研C, D, F型)と10名の過去に胸郭成形術を受けた患者を対象として, 全例に99mTcシンチを, 14名には81mKrシンチを行い, 定量的にレ線障害度とシンチの関係をみた.
    その結果, 1)特に肺血流シンチでは肺結核症の遺残をよく証明した. 2)血流シンチの障害程度は病初期の病巣の程度をよく反映した. 3)胸成者や荒蕪肺の, 呼吸不全あるいはその予備状態の理解や, 遺残巣での繰り返し感染部の説明にも有用であつた. 4)重症例については換気血流共に欠損を示したが, 軽度ないし中等度のものは血流障害の方が強いものが多かつた.
  • 上田 英之助, 富野 郁子, 前倉 亮治
    1984 年 38 巻 6 号 p. 588-592
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたアンジオテンシン変換酵素(ACE)活性測定キツトを, 血清及び精製したACEを用いて検討した. 本法はACE活性の高いサルコイドーシス患者血清でも, 2時間以上反応は直線性を有し, 又, 精製酵素を用いた場合, 血清の20倍以上の酵素活性まで反応は直線性を示していた. 同一検体を従来のCushman法と比較した場合, Y=0.84X+1.4, r=0.933と非常に良い相関を示した(Y: 本法によるACE値, X: Cushman法によるACR値).
    本法は以下の点で従来の方法より非常にすぐれている. (1)操作過程が少なく, 且つ簡単で短時間で測定が終了する. 従来のCushman法に比して所要時間は4分の1ですむ. (2)誤差が少なく, 且つ再現性に富む. (3)同一キツトであるので, 全国共通の値が得られる. (4)従来の方法で測定した値と十分換算出来る.
    以上本法は非常にすぐれた方法で, Cushman法に代わり用いられる方法と考える.
  • 山本 祐子, 井上 太郎, 大谷 良樹, 横田 曄
    1984 年 38 巻 6 号 p. 593-596
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Touster回路の中間代謝産物の一つであるXylitolに着目し, ガスクロマトグラフイーにより, 血液中のXylitolを2.5μg/mlの低濃度まで検出できる方法を確立した. この方法は従来の定量法と比較して, キヤピラリーカラムを使用することにより特異性に優れ, 試料の前処理も極めて簡易であり, 再現精度も良好である. この方法によつて, 糖アルコール代謝に関する生理化学的情報も得られやすくなり, 非解糖系の動態解明に寄与することが出来るものと考えている.
  • 中川原 寛一, 酒井 京子, 国分 正一, 瀬上 正仁
    1984 年 38 巻 6 号 p. 597-600
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Larsen症候群は鼻根部扁平, 両眼のあいだが広いなどの特有の顔ぼうを呈し, 先天性股関節脱臼, 頸椎の後彎奇形などを伴う疾患である. 本疾患1症例について細胞遺伝学的に検討を行つた.
    本症例の染色体に脆弱な部位があり, その頻度は2%以上で, 特に16q 22 or 23に2%, D群染色体の13番染色体動原体付近に10%の頻度である. Larsen症候群患者にfragile siteのみられたことは, 本疾患に変異遺伝子のある可能性を示すものと推察される.
  • 吉田 途男, 泉 寛治, 吉田 和也, 上野 和行
    1984 年 38 巻 6 号 p. 601-602
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    ヒスタミンの皮内注射による発赤は, ノルアドレナリンで小さくなるが, 自律神経障害があると, この発赤の減少が認められず, 自律神経障害の指標になり得ると報告きれている. 今回, 33名の糖尿病患者に, このヒスタミン皮内注射を行い, 検討した. ヒスタミンによる発赤のノルアドレナリンでの減少は, 他の自律神経障害の指標である, ECG, R-R間隔のばらつきが, 小さいほど, 認められないという傾向を認めたが, 発赤の大きさの, 個人間のばらつきが大きいことや, 手技上に再現性に問題があることなどから, 本検査は, 簡便な方法ではあるが, 補助的な意味にしか用い得ないと考えられた.
  • ―自動解析とオーバー・リーディングの不一致―
    野元 域弘, 中村 貢, 川添 康郎, 原田 正気, 鳥居 博行, 秋田 八年
    1984 年 38 巻 6 号 p. 603-607
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    心電図自動解析・オーバー・リーディング・システムを用いて, 自動解析所見の不一致率について検討した.
    自動解析総数22, 525件のうち1, 157件(オーバー・リード率5.14%)がオーバー・リードに回された. オーバー・リード1, 157件のうち, 心筋梗塞, 心房粗・細動, 房室プロツク, 多発性又は連発性期外収縮, WPW症候群など臨床上許容出来ない不一致が184件(15.9%)に見られた.
    主な心電図自動解析のSensitivityは, 完全右脚ブロツク(99.4%), 心筋梗塞(90.8%)で高く, 3度房室プロツク(13.6%), WPW症候群(22.2%)で低かつた.
    Specificityは, 多くの心電図所見で95%以上であつた.
  • 佐藤 勇, 松井 史郎, 黒沼 忠由樹, 藤田 誠, 永田 紀四郎
    1984 年 38 巻 6 号 p. 608-611
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    健康人, 進行性筋ジストロフィー症, およびその類似疾患患者の血清m-GOTを免疫学的方法により分画測定し, 次のような成績を得た. 健康人50例の平均m-GOTは3.2±1.71U/L, ドウシヤンヌ型筋ジストロフィー症28例の平均は5.6±3.71U/L, 肢帯型筋ジストロフィー症11例の平均は5.3±2.41U/L, 先天性筋ジストロフィー症3例の平均は4.0±2.0IU/L, 筋緊張性ジストロフィー症5例の平均は13.6±11.41U/L, といずれも健康人平均より高値の成績を得た. total-GOTに対するm-GOTの比率を検討したが, 健康人では13.3%で, 各疾患でm-GOT/total-GOT比が健康人平均より高値のものを機能障害度と比較したが, 一部の症例を除きいずれも高度障害が認められ, m-GOT/total-GOT比の測定は機能障害を把握するのに有用な検査と思われた. 平行しなかつた症例については, さらに検討する必要があると思われた.
  • 菱田 広, 竹田 信也, 米島 隆一, 武田 明夫
    1984 年 38 巻 6 号 p. 612-615
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    抗てんかん薬血中薬物濃度測定機器として, 蛍光偏光免疫測定法を原理としたTDX analyzer ®(ABBOTT Lab.)が市販された. 今回著者らはその測定精度, 血液共存物質の測定への影響について検討を行つた. その結果, 測定の同時再現性および測定間再現性については, 非常に良好な結果を得た.初回に作成した検量線を用いた試料測定値が,2週間にわたり安定であつたことより, 測定の度毎に検量線を作成する必要がないことがわかつた. また血液共存物質による影響に関しては, カルバマゼピン測定に脂質による測定値低下を認めたが, 従来より利用されているEIA(EMIT®)との測定値の比較において, 高い相関を認めたことからも, この機器は, 精密性, 迅速性, 簡便性にすぐれた測定機器であることが認められた.
  • 西山 雅子, 西川 秀樹
    1984 年 38 巻 6 号 p. 616-619
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    血液検査室における自動化は, 多項目自動血球計数機に続いて, 最近では自動白血球分類装置の出現により, システム化されつつある.
    当院に導入された全自動白血球分類装置「ヘマログD」, (テクニコン社製)は, フローシステムにより白血球を細胞酵素学的に分類する機種である. この機種の特色は, 従来の顕微鏡下にて行われる形態学的検査とは異なつた, 新しい情報を得る点にある. 特殊疾患など異常例については目視法と異なる場合もあるが, 機械自身の特性を熟知して運用すれば, 異常検体のチエツク, 発見にもつながり, かつ, フローシステムによる毎時90検体の処理能力は, 血液検査室の自動化, 省力化に十分機能を果たすと考えられる.
  • 6. 麻酔中の患者管理
    川添 太郎
    1984 年 38 巻 6 号 p. 620-623
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1984 年 38 巻 6 号 p. 624-625
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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