医療
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39 巻, 6 号
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  • 宇都 宮利善, 別所 隆, 近藤 喬, 高浪 巌, 篠原 央, 大西 英胤
    1985 年 39 巻 6 号 p. 491-494
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    癌患者の免疫不全の検索として従来DNCB反応が広く用いられてきた. DNCB反応は刺激性皮膚炎が生じやすいことや, 持ち運びにくいなどの不都合な点があつた. 著者はDNCB反応より優れたcostus root oil反応を開発した. このcostus root oil反応を用いて肺癌, 胃癌と良性疾患を比較検討した. 癌患者のcostus root oil反応陽性率は良性疾患に比し有意の低下を示した. 肺癌, 胃癌症例を病期別にみると病期が進むに従いcostus root oil反応陽性率の有意の低下が認められた. 6ヵ月目の予後を比較すると肺癌, 胃癌症例ともにcostus root oil反応陽性症例と陰性症例の間には明らかな差が認められた. Costus root oil反応は肺癌, 胃癌の病期ならびに予後に対する免疫学的指標としてきわめて有効と思われる. DNCBより利点のあるcostus root oil反応は細胞性免疫能を検索する新しい反応として使用することができるものと思われる
  • 渡辺 晃, 村上 穆, 柴崎 信悟, 俣野 一郎
    1985 年 39 巻 6 号 p. 495-499
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    過去20年間に手術した縦隔腫瘍症例は42例である. 性別は男24例, 女18例, 性比1.33, 年令は3才から75才にわたり, 平均年令40.3才である. 臨床診断は, 縦隔腫瘍26, 重症筋無力症11, 胸腺腫4, 傍心嚢嚢腫1例である. 組織学的診断では, 良性縦隔腫瘍9例で奇形腫3, 傍心嚢嚢腫2, 神経鞘腫2, リンパ嚢腫および食道平滑筋腫各1例である. 悪性縦隔腫瘍は11例で, 悪性リンパ腫4, 転移性腫瘍7例である. 胸腺由来の腫瘤は22例で, 実質性胸腺組織4, 胸腺肥大9, 嚢腫2, および胸腺腫7例である.
    右縦隔にみられた悪性リンパ腫の1症例は, 17才, 男子高校生で, 4才時虫垂炎として開腹時, 腹腔内リンパ節腫脹を指摘され, 悪性腫瘍を疑われた, 全身倦怠感, 咳嗽, 喀痰, 胸痛を主訴とし入院, 右上中肺葉合併切除により縦隔腫瘍を摘出した. 術後の検索で, 結節硬化型ホジキン病と判明した
  • 正木 英一
    1985 年 39 巻 6 号 p. 500-504
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    小児縦隔原発の非ホジキンリンパ腫は, リンパ芽球性リンパ腫といわれる予後不良の疾患である. 近年, 白血病の多剤併用療法がこの小児非ホジキンリンパ腫に取り入れられ, 生存率の向上がもたらされてきたが, 局所再発を防ぐために放射線療法が併用された. 2例の胸水を伴う縦隔腫瘍に対して全胸郭照射(10Gy)を施行し, 胸水の消失を認めた. その後mantle fieldに照射野を縮小して計30Gy照射し, 腫瘍の消失を認めた.
    縦隔腫瘍のみの症例1例にはmantle fieldにて計30Gy照射し, 化学療法を施行したがCNS再発をきたした. CNS予防治療も白血病のprotocolに従い施行してみる必要があると考える
  • 松岡 聡明, 岩瀬 弘明, 石川 恵, 加藤 喜久子, 木村 禧代二, 竹田 信彦, 戸田 信正, 吉田 雄一, 伊奈 研次, 寺嶋 洋子, ...
    1985 年 39 巻 6 号 p. 505-509
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    6種の5-FU関連物質について, 胃癌患者における5-FUの血中動態・癌組織内濃度を検討し, 臨床効果との相関を検討した. その結果腫瘍内5-FU濃度と臨床効果との間に関連のあることが明らかになつた. 5-FUが腫瘍組織内に比較的低濃度有効量長時間維持されることが臨床効果の発現に有利であることがわかつた. さらに5-FU関連物質中UFTとmitomycin Cの併用によるUFTM療法により胃癌に対して優れた治療成績がえられた
  • 安原 高士, 尾上 公昭, 河野 宏, 杉山 明, 荒木 文雄, 川口 憲二, 小長 英二, 榎本 正満, 三宅 周
    1985 年 39 巻 6 号 p. 510-514
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    今回の集計は, 昭和55~58年に経験された早期胃癌(以下「EGC」)60例を対象とした. 60例の年令は平均59才で, 男49例, 女11例と男性が優位を占めた. 家族歴では, 消化管癌ありが34%と高率であつた. 病変数は62ヵ所で, 8%に他臓器癌の合併をみた. 肉眼型はIIc型が74%と最多で, 大きさは平均2.8cmであつた. 最大径10mm以下の微小GCは7例にみられた. 占居部位は, Mが59%と多かつた. 生検では, 平均1.7回目に癌が陽性に出た. 発見のきつかけとなつた自覚症は心窩部痛が43%を占め, 胃透視と胃内視鏡は約半々に有用であつた. 術式は亜全摘が81%を占め, リンパ節郭清はR2が77%であつた. リンパ管と静脈侵襲は各々51, 0%であつた. 組織型は分化型管状腺癌が59%と最多を占めた.
    以上より, EGCの発見に対する胃内視鏡検査の重要性が示唆された. また, リンパ管侵襲が大なので, R2以上の郭清と術後の化学療法の必要性が再確認された
  • ―特に早期大腸癌および大腸pm癌について―
    稲垣 宏, 菅野 康吉, 遠山 隆夫, 影山 隆久, 田村 洋一郎, 斉藤 英夫
    1985 年 39 巻 6 号 p. 515-519
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1973年より1982年までの10年間に当院外科で手術あるいは内視鏡的ポリペクトミーか施行された大腸癌症例211例を対象に5年生存率を求めると, 全症例の通算では5生率は45.1%で, stage I, 87.8%, stageII, 64.1%, stageIII, 46.5%, stageIV, 0%, stageV, 2.7%であつた. リンパ節転移陰性例の5生率は70.4%であるのに対し, リンパ節転移陽性例では20.2%と有意に低下していた. 組織学的壁深達度pm以下の症例の5生率79.2%に対し, ss, a1以上の症例では37.7%と有意に低下しており, 結局リンパ節転移と固有筋層を超える浸潤の有無が重要な予後因子と考えられた. また大腸pm癌の5生率は84.8%と良好で予後の面からは早期大腸癌に近似するものと考えられた
  • 池野 暢子, 島 功, 遠藤 紘, 高橋 克幸, 渡辺 正昭
    1985 年 39 巻 6 号 p. 520-526
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    妊娠合併子宮筋腫および卵巣腫瘍は, 妊娠継続と分娩機転に多大の影響を, また腫瘍自身にも妊娠性変化や退行変性などを来すため, その臨床的意義は大きい.
    最近における超音波診断は, 機器の改良と診断技術の向上とにより, 子宮筋腫と卵巣腫瘍の鑑別を確実なものにしたため, 従来より頻度的には少ないとされてきた腫瘍合併妊娠における由来臓器の同定において, 治療方針決定上不可欠の診断方法となつた. すなわち, 一般的に妊娠合併子宮筋腫では, 待機療法が主体であるのに対し, 妊娠合併卵巣腫瘍では卵巣嚢胞との鑑別のみならず, 良性悪性の予知診断の下における腫瘍の早期摘出が治療の要点であり, 治療の適否が予後を大きく左右するからである.
    以上の観点より, 妊娠合併骨盤内腫瘤の臨床的意義, 当院における検討成績, 超音波断層所見, 治療方針, 手術の適応, 手術時期および手術手技の要点について解説を行つた
  • 土岐 博信, 高嶋 成光, 三角 俊毅, 佐伯 英行, 森脇 昭介
    1985 年 39 巻 6 号 p. 527-531
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1967年より1982年までの16年間に手術を施行した原発性乳癌794例中, 他臓器悪性腫瘍を合併した32例(40%)について, 主として第1癌に対する治療との関連を検討した. 異時性30例中, 乳癌先行例14例, 他臓器悪性腫瘍先行例16例で, 同時性は2例であつた. 合併悪性腫瘍では胃癌8例, 子宮癌7例が多く, これらで47%を占めた. 発生間隔は5年以内のものが半数を占め, この期間の注意深い経過観察の重要性が示唆された. 第1癌に対する補助療法の有無および治療法による検討では, 組み合わせ, 発生間隔, 予後に関しては明らかな差異はなかつたが, 乳癌術後の補助療法が他癌発生に影響をおよぼしたと考えられる4重複癌症例(乳癌, 悪性線維性組織球症, 子宮頸癌, 急性骨髄性白血病)が1例あり, さらに第1癌に対する補助化学療法が乳癌の進行度に影響する可能性を推測させる3例を経験した
  • 高田 格郎
    1985 年 39 巻 6 号 p. 532-534
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    49才男性に発生した同時性重複癌(睾丸セミノーマと腎腺癌)の1例を報告する. 当院泌尿器科における最近5年間の重複癌は, 悪性腫瘍71例中の4例(5.6%)に認め, 全例男性である. 重複癌の発生頻度は, 近年増加傾向にあるので注意を要する
  • 横田 博子, 安冨 徹, 前川 高天, 牧野 耕治, 粉川 皓仲, 岡田 弘, 浅本 仁, 小泉 欣也, 梶谷 幸夫, 沢野 哲重
    1985 年 39 巻 6 号 p. 535-537
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は59才女性, 5年前に右卵巣顆粒膜細胞腫(第1癌)の手術既往がある. 空腹時上腹部痛を主訴として胃透視を受け, 早期胃癌(第2癌)と診断された. 更に, 術前精査中偶然に, 早期肺癌(第3癌)を発見された. ともに観血的治療により軽快退院し, 外来経過観察中である. 現在では, 三重癌はまれではないが, 悪性度の低いホルモン産生腫瘍1/3と, 早期癌2/3の組み合わせはめずらしいと考えられたので, 若干の文献的考察を加え, ここに報告した
  • 藤田 博, 吉田 冲, 村上 剛, 高橋 敬治, 倉山 幸治, 矢毛石 陽三, 深田 義夫, 西本 哲雄
    1985 年 39 巻 6 号 p. 538-542
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    同一個体に2種類以上の悪性腫瘍が発生する, いわゆる重複癌で胃癌と白血病の合併例に胃切除を施行し, 術後2年1カ月経過した現在も健在な1例を報告する.
    症例は62才男性で主訴は腹痛. 入院精査にて急性骨髄性白血病(Smouldering leukemia)及びIIc様の早期胃癌と診断された. 昭和57年3月26日に胃切除術を施行し, 術前後にγ-globulin, 新鮮血, 保存血, 血小板, 白血球などの投与及び抗生物質の投与にて術後経過はほとんど順調であつた. 現在は白血病の治療のために内科入院中である.
    本邦では慢性骨髄性白血病と胃癌との合併は, 5例報告され, このうち4例に胃切除が行われ成功している. しかし急性骨髄性白血病と胃癌の合併例で手術に成功した例はみられてはいないようであるので報告した
  • 梶尾 克彦, 岡本 司
    1985 年 39 巻 6 号 p. 543-545
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    膀胱に原発した未分化肺癌に酷似するInvasive urothelial carcinomaの1例を報告した. 患者は78才の女性で血尿を主訴として来院し, 膀胱鏡検査にて右側壁より発生する拇指頭大非乳頭状腫瘍を認め. 表面に出血と壊死がみられたが著明に深部へ浸潤していた. 組織学的には未分化小細胞癌の像を示し, 腺化生がみられた. 又, 周囲に乳頭状の移行上皮癌の共存を認めた. 術後比較的急速に再発し, 8ヵ月で左鼠径部リンパ節への転移をみた
  • ―重症隔離病室における死について―
    藤本 芳子, 岡崎 伸生
    1985 年 39 巻 6 号 p. 546-548
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立がんセンター病院消化器内科病棟の個室を利用した患者39例について, 個室に移ることを患者にすすめた時の反応とその後の変化について観察した. 大部分の患者(25例, 64.1%)は個室を重症隔離病室と認識しており, 個室への移動を死期の切迫と了解したと推定される患者は12例30.8%であつた. この解決策として, 在宅ケアと病名告知の問題に言及した
  • I. 末梢血液 6. 好酸球
    青木 誠, 村山 直弘
    1985 年 39 巻 6 号 p. 549-552
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 39 巻 6 号 p. 553-555
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 39 巻 6 号 p. 555
    発行日: 1985/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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