医療
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43 巻, 1 号
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  • ―X線CT並びに脳血管造影との比較―
    仙田 宏平, 伊藤 茂樹, 中条 正雄, 嶋田 博, 安江 森祐, 辻 明
    1989 年 43 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    虚血性脳血管障害51症例に99mTc-HM-PAO約15mCiを用い, 脳血流エミツシヨンCT(ECT)に先立ち脳RIアンギオグラフィー(RNA)を施行した. これら所見を相互並びにほぼ同時期に行つたX線CT, 脳血管造影など他の画像所見と比較検討し, 本疾患の診断に対する本検査の臨床的意義を評価した.
    RNAは, 内頸動脈と大脳動脈の血流減少など脳血管造影所見をよく反映し, 脳虚血の機序または病態を診断する上で効果を認めた. しかし99mTc-DTPAを用いた従来のRNAと比べ, 側副灌流の検出能が低い欠点を示した. ECTは, 123I-IMPによるECTと比べ, 画質が劣り, 虚血病巣を狭く描画する傾向を示した. しかし, 検査の即応性および迅速性で123I-IMPによるECTより優れ, また脳血流異常をより正確に診断できる点でX線CTより優れていた. 本検査法は, 患者への負担を増ますことなく, 脳血流異常をRNAとECTで補完的に診断できる効果を認めた.
  • ―刺激処理系と運動処理系の立場から―
    大沼 歩, 関 晴朗, 藤井 俊勝, 小川 達次, 木村 格, 大槻 泰介, 笹生 俊一
    1989 年 43 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    脳血管性痴呆11名に対して, 聴覚弁別作業時における事象関連電位と反応時間を同時に記録し, 以下の結果を得た.
    (1) 脳血管性痴呆群では正常群に比し, P300潜時と反応時間が有意に延長しており, P300潜時の方が著しい遅延を示した. P300振幅も低下する傾向がみられた.
    (2) 一施行毎の検討で, P300潜時と反応時間との間には正常群にみられたような強い相関関係はみられなかつた.
    以上の結果より, ヒトの認知行動過程をP300潜時が反映する刺激処理系と, 反応時間を指標とする反応処理系から成り立つと仮定すると, 脳血管性痴呆者にみられる変化は刺激処理系の障害が主体をなし, 反応時間の延長は識別処理過程早期における並列作動の障害に加え, 識別過程から行動に変換するまでの対応障害を表したものと考えられた. 一施行毎による分析が, 認知行動様式内における選択的障害の解明に有用な方法と思われた.
  • ―脳波変化の定量的分析―
    勝川 和彦
    1989 年 43 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立療養所北陸病院老人デイケア通所中の痴呆老人8名を対象に, モーツアルト作曲アイネクライネナハトムジイクを食事への導入音楽として昼食前に土曜, 日曜を除く毎日3カ月間にわたつてBGMとして流した. その後無音響閉眼安静時脳波と音楽を流している間の閉眼安静時脳波を記録しFFTによる解析をおこなつた. 脳波はδ波(2~3.8Hz), θ波(4~7.8Hz), α波(8~12.8Hz), β1波(13~19.8Hz), β2波(20~25.8Hz)に分類し前頭部, 中心部, 後頭部, 右側, 左側において比較した. 対照音楽としてサラサーテ作曲チゴイネルワイゼンを同様の方法で比較した.食事時導入音楽ではθ波が全領域平均で有意に減少し(P<0.05), 特に右側θ波に有意な減少(P<0.05)がみられた. 対照音楽では反対に全領域平均でθ波が有意に増加し(P<0.05)特に後頭部のθ波が有意に増加(P<0.05)していた.
  • 山上 龍太郎, 早川 達郎
    1989 年 43 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    われわれは, 下総療養所に入所中である難治性女子長期在院分裂病群48例に対しSBSスケールによる, その社会性の評価を行い, 次のような結論に達したので報告する. われわれは, スケールをさらにA. 社会的交流, B. 情緒の障害, C. 奇妙な行動, D. 問題行動, E. 能動性の障害, F. 合計点, の5つのカテゴリーに分け, そのプロフィールを作成し適応困難例の類型化を試みた. 高度の落ち込みを大文字, 軽い落ち込みを小文字で示すと, 12の類型が得られた. しかし大文字の入るものが極めて高率にみられ, 院外生活の不可能例が多いことが暗示された. AE型, aE型の百分率が最も高く, それぞれ22.9および20.8であつた. 彼らは, 分裂病母集団の中では難治性の少数例に過ぎないにせよ, その生活の質的充実をはかり, 生き甲斐ある人生の道を与えてゆくことは, 精神科医の責務であろう.
  • 横尾 賢乗, 上野 篤司, 古川 正人
    1989 年 43 巻 1 号 p. 43-46
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸の際, PTCDによつて取り出した胆汁を, その患者自身に還元することは臨床上大変重要である. しかし, 胆汁は特有の臭気と苦味をもつているので, 患者に直接服用させることは困難である. そこで, 胆汁をロータリーエバポレーターで減圧濃縮し, デンプンを加え乾燥させ, 粉末としてオブラートに包んで服用させたところ, 臭いや苦味などの服用時の問題を解決することができ患者に苦痛を与えることがなくなつた. そして, それによつて臨床症状の改善, 肝機能値の改善など良好な臨床効果をあげることができた.
  • 矢倉 道泰, 坂西 康志, 上司 裕史, 原田 英治, 大林 明, 中田 章
    1989 年 43 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    Chinese Hamster Ovary細胞を宿主とする遣伝子組換えHBワクチンを, HBVに未感染の52名(男性10名, 女性42名, 平均年令35.2±9.4才)に投与し, その効果と安全性について検討した. 本ワクチン10μgを1回量とし, 初回, 1ヵ月後, 6カ月後の計3回, 皮下注群と筋注群の2群に分けて接種した. 初回接種から28週目のHBs抗体陽転率は92%(幾何平均値202mIU/ml)であつた. 皮下注群と筋注群の2群間には有意差はみられなかつた. 副反応は全接種回数159回中30件(15.4%)にみられたが, すべて軽度であつた.
    以上より, 本ワクチンは従来の血漿由来のワクチンと比べて効果・安全性とも遜色がないものと考えられた.
  • “肝癌の診断・治療に対する役割”
    古川 勇一, 岡崎 通
    1989 年 43 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    経上腕動脈性下に選択的超選択的カテーテル操作を行い, DSAで撮影することを原則とする血管造影法(TB-SDSA)を29例の肝癌患者に80回(28回は外来で, 52回は入院下で)試み, 肝癌の診断・治療における役割について検討した. 選択的超選択的カテーテル操作はガイドワイヤーを併用することによつて97.5%に目的の達成が得られた. 手技に基づく多大な副作用は全例に認められず, また同検査に強い苦痛不満を訴えた患者も皆無であつた. 全例(27例)に肝癌巣が顕著な腫瘍濃染像として検知し得た. 特に11例(40.7%)では1cm径以下の微小な肝癌巣が単発性または多発性に検知し得た. そのうちの9例は肝内転移巣で, 2例は早期肝癌であつた. この早期肝癌は外来で検知し得た. 治療的応用も従来法と同様に可能であつた. TB-SDSAは今後肝癌の早期診断や治療に新たな臨床検査法になり得ると考えられた.
  • 井田 時雄, 志村 英俊
    1989 年 43 巻 1 号 p. 59-63
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和50年より昭和61年までの11年間に, 病理組織学的に腎細胞癌と診断された症例は23例である. これら23症例を対象として, 宿主側および腫瘍側より予後を規制する各因子について検討を加えた.
    全症例の生存率は1年生存率90.7%, 3年生存率78.9%, 5年生存率70.2%であつた.
    宿主側因子として性差, 臨床症状, 血沈, α2-globulinおよびCRPの検討を行い, 血沈とα2-globulinに有意差を認めた. しかし統計学的に有意差はみられなかつたものの, 女子の5年生存率は男子に比べて高く, 明らかに予後は良好であつた.
    腫瘍側因子としては摘出腎重量, stage, gradeおよび細胞型に検討を加えた. 予後規制因子として有意差が認められたものは摘出腎重量とstageで, grade分類および細胞型と予後との間には相関は認められなかつた.
  • 石田 数逸, 高嶋 成光, 村上 正和, 大田 垣純, 棚田 稔, 曽我 浩之, 栗田 啓, 多幾 山渉, 佐伯 英行, 土井原 博義, 森 ...
    1989 年 43 巻 1 号 p. 64-69
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1967年より1986年までの20年間に, 当院で手術を施行した原発性乳癌1051例のうち, 乳癌予後因子(組織学的リンパ節転移と腫瘍の大きさ)と臨床経過不一致例を対象に, 他の予後因子との関連について検討した.
    予後良好と推測される組織学的リンパ節転移陰性(n0)症例(ただしT4症例を除く)508例中再発した60例をn0再発群とし, n0非再発群448例と比較する一方, 予後不良と推測されるリンパ節転移高度の症例(腋窩リンパ節転移個数8個以上, または鎖骨下リンパ節転移陽性), およびT4症例194例中3年以上再発を認めない61例を進行癌非再発群とし, 進行癌再発群133例と比較検討した.
    n0再発群は非再発群に比し, 病理組織学的予後因子(組織型, 波及度, 異型度, 浸潤増殖様式, リンパ管侵襲度)で悪性度の高いものが多く, n0でもこのような症例には術後補助療法を行う必要があると考えられた.
    進行癌症例では, n0症例ほど明確な差が認められなかつた.これは術前局所動注を含めた積極的な術前術後療法による効果と思われた.
  • 齋藤 弥章, 木田 寛, 宇野 伝治, 木部 佳紀, 杉岡 五郎
    1989 年 43 巻 1 号 p. 70-74
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    糖尿病性腎症における結節性病変の形成過程におけるmesangiolysisの関与について検討した. 糖尿病患者より得られた355腎組織標本について光顕観察した. mesangiolysisは小葉を中心とした係蹄内部構造の崩壊像であり, メサンギウム基質の断裂を主病変とするものから, 結節を形成しつつあると思われるものまで幅広い像を示した. mesangiolysisおよび結節性病変は, びまん性病変あるいは細動脈硬化症の程度が強いほど出現頻度は高かつた. また両者が同時にみられた群では, mesangiolysisのみがみられた群に比べ, びまん性病変の程度は高度であつたが, 細動脈硬化症の程度は両群ともに高度であり, 2群間に差はなかつた.
    以上の成績より, 以下の結論を得た. 1) 結節性病変はmesangiolysisから連続的に移行する. 2) 移行には高度のびまん性病変の存在が必要条件である. 3) mesangiolysisの形成に細動脈硬化症による糸球体の虚血が関与している可能性がある.
  • 「社会復帰を指向したストーマとストーマケアに関する
    1989 年 43 巻 1 号 p. 75-78
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    近年大腸癌手術症例の増加に伴い, 人工肛門造設患者も増えつつある. 私どもはアンケートを用い, 国立病院における1975年から1986年までの人工肛門の現状について調査したので報告する. 全手術症例は236451件であり, 大腸癌手術症例は12767件であつた. 人工肛門造設術は6135件であつた. 造設腸管では結腸人工肛門が96. 7%を占めた. 構造により分類すると単孔式人工肛門が66.3%を占めた. 永久的人工肛門は89.0%であり, 退院後のアフターケアが重要であることがわかる. 人工肛門造設術式としては大多数の施設で, 腹膜外ルートによる一次開放粘膜翻転法が行われていた. ETを採用したリストーマ外来を行つている施設は全体の約30%であつた. 人工肛門造設術に関しては標準的な方法がとられているが, 退院後の患者管理の面ではまだ不十分と思われた.
  • 「血液製剤による効率的な治療方針に関する研究」班
    1989 年 43 巻 1 号 p. 79-83
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    この2年間(1985~1986), われわれの班では班員所属病院において血液製剤で治療した343例について臨床的解析および検討を行つてきた. この臨床的解析と検討結果を考慮して血漿製剤の適正な使用法のマニユアル案を作成した.
  • 沢口 潔, 石塚 巌, 山田 志郎
    1989 年 43 巻 1 号 p. 84-87
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    63才男性の進行胃癌(Borrmann 2型)にOK-432の内視鏡的局注を行つた. 症例は陳旧性肺結核による高度の呼吸不全を合併しており, 手術不能であつた. OK-432(10KE)を毎週または2週に1回腫瘍内に局注した. 6ヵ月後には隆起, 陥凹は消失し, また生検でも癌細胞は証明できなくなつた. しかし, 超音波内視鏡により粘膜下残存腫瘍が示唆きれた. そこで, 引き続きOK-432局注をさらに6ヵ月間継続したところ, 粘膜下残存腫瘍も消失した. その後1年間OK-432の投与をつづけ, 計75回(750KE)の局注で治療を終了した, 治療開始3年以上を経過した現在も, 患者は再発, 転移の徴候はなく. 健在である.
  • 刑部 東治, 秋山 憲義, 加藤 康行, 箕浦 広彦, 塚本 秀人, 八十川 要平, 大宮 東生, 浅尾 武士
    1989 年 43 巻 1 号 p. 88-91
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    大腸びまん浸潤型大腸癌の大部分は転移性で, 原発性はまれであり, その発生, 進展形式, 術前診断, 予後などの点において問題の多い疾患である. 最近, S状結腸原発と考えられるびまん浸潤型大腸癌を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.
    症例は43才, 男性で約1ヵ月半前より発症した腹部膨満, 下腹部痛, 便通異常, および下血を主訴に来院. 注腸検査でS状結腸を主体に, 上行結腸にわたる約16cmの壁進展不良と壁硬化不整狭窄像, さらに粘膜の一部に粗大敷石状の変化を認めた. 内視鏡検査では肛門縁より約50cmの部に全周性の狭窄を認め, 狭窄部の辺縁よりの生検で癌細胞は認められなかつたが, 同部の癌を疑い左半結腸切除術を施行した.
    病理組織診断でBorrmann IV型の拡がり方を呈する低分化腺癌を主とした, 印環細胞癌, 粘液癌など多彩な組織像を示すびまん性浸潤癌と診断された.
  • 伊藤 日女, 中村 博, 浅尾 武士
    1989 年 43 巻 1 号 p. 92-96
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    56才, 男性, 20才台より1日5合以上の酒客, 7年前急性肝炎, 61年糖尿病と診断され経口糖尿剤を投与, 外来加療するも, 神経炎の合併症が著明となる. 1年後, IRIの低値よりインスリン自己注射に変更した.
    62年2月, 全身浮腫, 腹水で入院, 左背部の激痛が持続した. 4月に黄疽, 白色便, 胆道系酵素の上昇をみとめ, MOFの状態で, 24日, 吐血・下血で死亡した.
    剖検では, 膵体部・尾部は癌におきかえられ, 頭部に浸潤して閉塞性黄疽を呈していた. 腹水は門脈内に腫瘍塞栓があり, そのためであつた.
    中年以後発症した糖尿病は, CA19-9, DUPAN2などtumor makerの検索, エコー, CTの検査など, 膵癌の検索が必要である.
  • 深水 良, 土橋 清高, 久原 敏夫, 藤瀬 嘉則, 井上 純一, 辻 秀雄, 原口 正道
    1989 年 43 巻 1 号 p. 97-99
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    患者は62才女性. 特有なHowship-Romberg徴候を有する左閉鎖孔ヘルニアを経験した. ただちに緊急手術を施行し, 嵌屯した腸管を徒手整復し, その後, ヘルニア嚢を翻転切除し, ヘルニア門を結節縫合し閉鎖した. 患者は術後経過良好で, 軽快退院し, 術後1年の現在, 再発を認めていない. 高令化社会を迎えるにあたつて, 今後この疾患はますます増加するものと考えられる. 早期診断, 早期治療が肝要であると考えられる.
  • 水野 洋一, 岡田 雅之, 高野 邦雄, 榎本 眞
    1989 年 43 巻 1 号 p. 100-103
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々は近年胆嚢捻転症の完全型2例と不完全型1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告した.
    胆嚢捻転症は1898年Wendelの報告以来まれな疾患で, その術前診断も困難とされているが, やせ型で亀背を伴うこと, 高令者で特に女性であること, 急性胆嚢炎様の症状を呈することなどの条件がそろえば本症を充分疑い得る. また本症の診断に超音波検査が有用であることが示唆された.
  • 高橋 美登利, 難波 煙治, 坂本 泰雄
    1989 年 43 巻 1 号 p. 104-107
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    気管軟化症を合併した重症心身障害児(以後「重障児」と略す)の1例を報告する. 3才4ヵ月時に措置入所し12才過ぎから発作性無呼吸, 喘鳴が出現し,漸次増悪した.喉頭痙攣としていたが17才7ヵ月時に気管軟化症が確認された.
    気管開窓術, カニユーレ留置により発作は解消したが10ヵ月後気管出血を来し死亡した. 原因は反復する喉頭痙攣により気道内圧が急激に変動を繰り返したための脆弱化が示唆されたが, 喉頭痙攣の原因についても推測の域にとどまつた. 軟骨の組織所見は正常であつた. 急死の危険性があり, 留意すべき病態と考える.
  • 国立仙台病院整形外科の入院例を中心として
    千葉 武, 赤林 惇三, 土肥 千里, 磯崎 剛, 佐藤 正光, 登米 祐也
    1989 年 43 巻 1 号 p. 108-112
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    最近3年間に経験した脊椎カリエス3, 股関節結核2, 大転子部結核2, 中手指節関節結核1, の8症例について検討した. 患者年令は50才以上が多く, 高令化現象を示した. 大転子部, 指関節罹患例は診断に難渋し, 陳旧再発例で膿瘍が主症状の場合も腫瘍と誤診される傾向にあつた. 膿汁の結核菌培養は7例中4例が陽性であり, 組織検査は7例中5例が結核病変, 1例は結核を疑わせ, 他の1例は非特異的慢性炎症像であつた. 治療は抗結核剤投与下に徹底的な病巣郭清で治療期間を短縮できたが, 陳旧再発例では広範な郭清が困難なこともあり, 追加手術も必要であつた.
  • 津本 幸之助, 岩永 恭生, 種子島 岩男
    1989 年 43 巻 1 号 p. 113-115
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    砂糖とインスリンを主薬とするインスリン・シユガー軟膏(以下「ISO軟膏」と略す)を試作し, ハンセン病患者の穿孔性潰瘍および褥瘡への応用を試みた. 対象は昭和61年から62年までの穿孔性潰瘍あるいは褥瘡を生じた7症例である.
    結果は7症例中6例は著効ないし有効であつた. 外用1~2週間後には新たな肉芽形成がみられ, 4~6週間後には陥没部はすべて肉芽組織で埋められ, 周辺から表皮化が認められた. 8~12週間後には潰瘍は治療前の約半分まで縮小し, 4~5ヵ月後には治癒した.
    ISO軟膏は肉芽形成を促進し, 表皮化を早めるようにおもえた.
    本剤は調製が簡便でハンセン病患者の穿孔性潰瘍のみならず, 一般の褥瘡や糖尿病性皮膚潰瘍への適応も可能と考えられる.
  • 1.末梢静脈路の確保について
    永井 一成, 榎本 尚美
    1989 年 43 巻 1 号 p. 116-120
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 43 巻 1 号 p. 121
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 43 巻 1 号 p. 121a-122
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1989 年 43 巻 1 号 p. 122-123
    発行日: 1989/01/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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