医療
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44 巻, 4 号
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  • 春見 建一, 矢加部 茂, 竹尾 貞徳, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 337-345
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    体表面心臓電位図は, 胸部の多数点から心電図を同時記録し, computerを用いQRSは1~2msec毎に, ST. Tは数十msec毎に瞬時の体表面電位分布図を作成し, 分析するものである. 体表面心臓電位図は, 等電位線図により診断するのみでなく, 数理統計的計算をすることにより, 体表面電位図から, 心臓の電気現象を表示することが行われている. 後者は逆方向問題解といわれている. 逆方向問題解の一つに心臓の電気現象を双極子として表示し, 解析する方向がある. 従来, 我々が得てきた結果の一部をまとめた. (1)正常QRSでは2つの時間点で多双極子を示すが, T波はほとんど単一双極子であつた. QRSの主双極子の時間軌跡は, おおむね実心臓の位置内にあり, 正面・水平面で時計回転を示した. (2)WPW症候群のδ波の体表面電位図から計算された双極子の位置は, 従来12誘導心電図で推定された部位とおおむね一致した. (2)心筋梗塞は小さいと多双極子を, 大きいと単一双極子を示す傾向があつた.
  • 小島 昌治, 野間 重孝, 勝本 慶一郎, 新堀 立, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 346-351
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和63年8月から平成元年7月の1年間に70症例において上腕動脈穿刺による左心カテーテル検査, 冠動脈造影および左室造影を施行した. 33例では左上腕動脈を穿刺し5F Judkinsカテーテルおよびpig tailカテーテルを用いた. 37例では右上腕動脈を穿刺し主に5Fまたは6F Sones typeカテーテルあるいは5F左Judkinsカテーテルを用いた. カテーテルの操作性および造影能力は良好で重篤な合併症は認められなかつた. この方法は検査に伴う患者の身体的負担を軽減し有用な手技であると考えられた.
  • 安部 明郎, 渡部 幸夫, 村瀬 永策, 井出 哲, 浅尾 武士, 成田 幸一
    1990 年 44 巻 4 号 p. 352-358
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    一般にB型慢性肝炎のHBe抗原がHBe抗体へ転化すなわちseroconversionすると肝機能および肝組織所見も改善するといわれている. しかし, HBe抗原がHBe抗体へ転化した後も血清トランスアミナーゼ値が100以上の高値を示す症例にしばしば遭遇する. そこで, このような症例の臨床および肝の組織学的特徴について検討した. HBe抗体陽性でトランスアミナーゼ値の異常値を示した症例で肝生検を施行できた症例について免疫組織学的検索PAP法(peroxidase-anti-peroxidase)を用い肝組織内のHBs, HBc抗原の局在性とトランスアミナーゼ異常との関連について検討した.
  • ―全国アンケート調査より―
    斎間 恵樹, 吉本 恵子, 中村 雄二, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 359-364
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立病院療養所における高令者(65才以上)透析の現況および問題点につきアンケート調査し検討を加えた.
    1. 全国の国立病院療養所における高令透析患者は全透析患者の27%でこの半数が入院透析患者である.
    2. 過去9年間の新規高令透析導入患者は主として慢性腎不全を原因として実数, 比率とも増加している.
    3. 高令透析患者は導入3ヵ月以内の死亡が多く, 反対に同3ヵ月以内に外来透析に移行可能なものは40%のみであつた.
    4. 自己管理不能な老人性痴呆を伴う透析患者は約4割の施設で認められた.
    5. 高令入院透析患者は60%の施設で増加しており, その対策として周辺施設との協力, 透析台数の増加, 合併症の予防などがあげられた.
    6. 高令者の透析導入に際し適応の問題について老人性痴呆, 悪性腫瘍, 非常な高令などの理由で導入を断念することもありうると約半数の施設で回答された.
  • 山崎 正人, 内藤 博之, 澤田 益臣, 橋本 一昌, 熊谷 正俊, 岡本 悦治, 占部 武, 光藤 努, 石本 三洋
    1990 年 44 巻 4 号 p. 365-370
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    婦人科手術において輸血が必要な場合は, 同種血輸血が用いられる. 同種血輸血に伴う肝炎, AIDS, ATLなどの感染症が問題になり, 術前に自己血貯血を行い, 術中または術後にもどし輸血をする自己血輸血が注目されてきた.
    当科で1987年4月から1989年4月までに, 婦人科手術のために400mlの術前自己血貯血をおこなつた症例は19例で, 内訳は一般手術(単摘または附摘)4例, 準広汎性子宮全摘術7例, 広汎性子宮全摘術8例であつた.
    広汎性子宮全摘術では術中出血量を減少させる目的で低血圧麻酔を8例中6例に併用した. 術中出血量は一般手術で231±95ml, 準広汎性子宮全摘術で314±102ml, 広汎性子宮全摘術で低血圧麻酔併用群では463±152ml, 非併用群では950±777mlで, この非併用群2例中1例のみに同種血輸血の追加が行われた. 自己血輸血に低血圧麻酔を併用することにより, 同種血輸血の減少は可能である.
  • ―ヌードマウス移植系を用いた検討―
    澤田 益臣, 山崎 正人, 占部 武, 岡本 悦治, 内藤 博之, 熊谷 正俊, 橋本 一昌, 栗村 統
    1990 年 44 巻 4 号 p. 371-378
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    卵巣癌の臨床治療において問題となつている諸点について検討すべく, ヌードマウスに移植継代されているヒト卵巣癌株を用いて制癌剤投与実験を行つた.
    その結果, (1)各腫瘍毎に同一の制癌剤に対する感受性が異なることがわかり, 腫瘍組織のタイプにより薬剤を選択して治療を行うことが必要であると考えられた. (2)薬剤の投与量を減ずることにより明らかな抗腫瘍効果の低下がみられたことより, 臨床治療において現在用いている薬剤の投与量をさらに増加する試みによつて, より一層の抗腫瘍効果が期待できることが示唆された. (3)副作用の問題を考慮外におくと, 実験系においては作用の発現が認められる薬剤の1剤による大量投与が多剤併用に比べてよりよい抗腫瘍効果が得られるものとおもわれた. (4)卵巣癌手術後に5FU製剤を用いる維持化学療法は再発防止においてその意義が明示された.
  • 細谷 比左志, 矢加部 茂, 竹尾 貞徳, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 379-384
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和60年11月から昭和61年10月までの1年間に外来通院の形で施行した白内障手術(人工水晶体挿入術を含む), 109例119眼について報告した. 術後成績には, 入院と外来通院とでは差はなかつた. また外来通院によると考えられる合併症はなかつた. 最近, 我が国では白内障の外来通院手術がマスコミを通じて盛んに喧伝されているが, 社会学的・経済学的見地からは, まだまだ多くの問題をはらんでおり, 慎重に構えるべきである. 日本の現状では, 白内障外来通院手術は患者の全身状態に問題がなく, 患者に強い希望があつて, 通院できる距離に住んでいるか近くに宿を確保できる患者に限定すべきである.
  • ―プライマリーケアに向けての一助として―
    浅本 仁, 故倉 恵, 川上 明, 藤井 秀俊, 小沢 佳広, 四方 弘美, 山田 敦子, 安部 文子
    1990 年 44 巻 4 号 p. 385-390
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    気管支喘息, COPD, 過換気症候群, 胸痛または胸部圧迫感及び原因不明の呼吸困難を呈する患者総計120名にCMI, MAS及びSDSの心理テストを行い分析した. CMIで神経症傾向の強いIII領域とIV領:域の合計の割合ば, 気管支喘息(61.0%)が胸痛または胸部圧迫感(34.4%)の患者に比して有意に高い. SDSでは, うつ傾向の強い50以上は各疾患群で有意差はなかつた. また, MASで高不安群の25以上は, COPD(46.2%)が胸痛または胸部圧迫感(10.3%)の患者に比して有意に高率であつた. 向精神薬として投与したtofisopamは, 過換気症候群の80%に有効であるのに対し, COPD(28.6%)や気管支喘息(3.8%)では無効のことが多く, 心理テストの結果としての関連では, SDSで49以下, MASで24以下, CMIのI群に対し他の群より有効率が高かつた. 向精神薬が無効の場合, カウンセリングや一般心理療法が有用のことがあつた. 我が国におけるプライマリーケアにも言及した.
  • 岡島 幸代, 山田 武敏, 竹尾 貞徳, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 391-394
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    重度発達障害児(重障児)の骨年令発達に関する報告はほとんどみられないので, 当院における調査を報告した. 方法は杉浦-中沢の方法によつた. 健康対象として杉浦-中沢の値を用いた. その結果, 重障児の骨年令は幼児期から前思春期に向けて遅れが大きくなり, 前思春期から中思春期に最大の遅れ(3~5年)を示し, 21才ころに成熟点に達することがわかつた. この発達パターンは当院の重障児ゴナドトロピンの発達パターンとよく一致した. somatomedin-Cとの関係はほとんどないとおもわれた. 抗痙攣剤服用群と非服用群との差もあまり明らかではなかつた.
  • 八野 芳己, 古川 佳也, 竹尾 貞徳, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 395-399
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    トロンビンの経口投与の簡易使用を目的に以前よりその製錠化を手がけ, 改善を図つてきた. そして今回はさらにヒトおよびウシ由来のトロンビンを用い, 製錠化におけるトロンビン活性に影響する諸因子を薬剤学的に検討した. その結果, 調製時に加わる打錠圧および冷所保存下での長期保存により影響されることがわかつた.
    800~2, 600kgの任意の打錠圧で調製したとき, トロンビン活性は1, 000kgで10%, 2, 000kgで約20%, また2, 500kgでは23%失活した. そして冷所保存下で44週追跡した結果, 10, 000単位錠は経時的な活性の低下が認められたが, トロンビン-A錠およびB錠はともに長期的に安定であり, 44週目での残存活性は各々33%, 87.1%, 75.9%であつた.
  • 大八木 保政, 石本 進士, 竹尾 貞徳, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 400-402
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は27才イスラエル人女性. 東南アジア旅行後, 日本に入国した. 入国2ヵ月後に頭痛, 発熱および悪寒・戦慄をきたした. 末梢血塗抹検査にて, 三日熱マラリアと診断された. 抗マラリア剤にて症状は軽快した. 2ヵ月以上と比較的長い潜伏期, および三日熱マラリアとしては非典型的な熱型は, 予防薬服用による修飾のためと考えられた. また, 本例のようなマラリア患者の病態の指標として, 血小板数の変化が重要と考えられた.
  • 高畠 裕司, 平井 忠和, 塩谷 謙二, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 403-406
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は, 41才男性. 25才のときより, 心拡大心電図異常を指摘されていたが, 自覚症状はなかつた. 入院時胸部写真でCTR78%, 心電図上I度のAVプロツク, 心室内伝導障害, 心エコー図で大量の心嚢水, タリウム心筋シンチグラムで前壁のタリウム欠損像がそれぞれ認められた. 心膜生検では, 非特異性活動性心膜炎であつた. 心臓カテーテル検査で左室拡張末期容積125ml/m2, 左室拡張末期圧24mmHg, 駆出分画30%と心機能低下が認められたが, 冠動脈狭窄はなかつた. 心筋生検では, 心筋の線維化が著しかつたが心筋炎の所見はなかつた. 以上より, 本症例は長期にわたる心筋心外膜炎により, 心筋障害が進行し拡張型心筋症に移行したものと考えられた.
  • 中山 勝, 福原 正代, 木元 克治, 伊東 靖夫, 菊池 正統, 徳山 隆, 上野 道雄, 吉住 孝之
    1990 年 44 巻 4 号 p. 407-411
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例1は24才女性, 症例2は45才女性. 2症例とも糖尿病の家族歴がないこと, 抗ランゲルハンス島抗体(ICA)陽性, 内因性インスリン分泌能低下などよりインスリン依存性糖尿病(IDDM)と診断. 2症例ともバセドウ病を合併しNeufeldらが提唱するpolyglandular endocrinopathy typeIII-aに相当すると考えた. IDDMおよびバセドウ病の成因としてHLA class II抗原の関与が注目されているが, 本症例でもHLA DRwg(症例1), DR4, (症例2)が検出された. さらにICA陽性であることからもIDDMおよびバセドウ病発症の基盤に免疫学的機序の存在が示唆された.
  • 野中 道泰, 吉田 晃治, 原口 周一, 杉山 俊治, 鈴大 稔, 中尾 哲二, 才津 秀樹, 日高 令一郎, 有高 知樹, 杉原 茂孝
    1990 年 44 巻 4 号 p. 412-415
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    今回われわれは腸管嚢腫様気腫と胃多発癌の併発症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告した.
    症例: 74才, 女性, 主訴は体重減少, 心窩部不快感, 6ヵ月間に8kgの体重減少を認め, さらに心窩部不快感が出現したので, 当院消化器内科受診し, 精査の結果, 胃多発癌(前庭部大変Borrmann II型, 体中小弯 II-C)の診断で当科紹介され胃亜全摘術施行. 術中腹腔内精査で上行結腸に多数の緊満した腫瘤を触知し, 術中内視鏡及び術前の腹部単純撮影の再検討にて大腸腸管嚢腫様気腫と診断し, 上行結腸部分切除術を施行した. 自験例は術中に偶然発見された例であるが, 術前の腹部単純撮影での多数のブドウの房状のガス透亮像は, 本症診断の重要な手掛りとなるので術前の注意深い観察が必要であつたとおもわれた.
  • 阿部 啓一, 青木 晃, 上野 真二, 杉山 誠, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 416-419
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    転移性脳腫瘍については, 肺癌, 乳癌の転移例を筆頭に多数の報告がある. 我々は60才, 男性が小脳, 脊髄症状で発症し, 試験別出を含む諸検査の結果でも原発部位を確定できず, 剖検により, ようやく膵体尾部を原発とする膵癌の, 小脳を主とする後頭蓋窩内並びに腰髄への転移性多発性癌であると判明した稀有な例を経験したので, これを報告し, 文献的考察を加えた. 今回, 確認し得た膵癌脳転移との報告は24903例あるが, 頭部検索をも含む全身剖検例は4913例のみにて, 膵癌との確認例は370例を算するに過ぎず, これらの症例中, さらに, 中枢神経系への転移の確認例は6例のみ, 0.016%(6/370)であつた.
  • 佐々木 俊輔, 小坂田 宗倫, 杉山 明, 川口 憲二, 尾上 公昭, 三宅 周, 河野 宏
    1990 年 44 巻 4 号 p. 420-424
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肝硬変症では肝内血管系の血流障害により, 門脈圧は上昇し, 門脈血はうつ滞する. この結果, 食道胃静脈瘤が発生し, 脾機能亢進による血小板数の減少, 肝での凝固因子の産生障害と重なつて大量出血をきたす. 近年, 食道胃静脈瘤に対し内視鏡的硬化療法が普及しているが, 門脈流出路の部分的閉塞をもたらし, 門脈圧を上昇する方向に作用し効果持続性が問題となる. 著者らは, 57才男性の肝硬変症による胃静脈瘤出血例に部分的脾動脈塞栓術を行い, 汎血球減少, T-リンパ球サブセツトの正常化, コリンェステラーゼ値, 総コレステロール値, 総蛋白の上昇が得られ, 胃粘膜は正常化し, 1年以上再出血をみていない. 本法は血液像の改善, 脾機能の残存, 門脈圧の減圧が同時に期待でき, 食道胃静脈瘤出血に対し考慮すべき一方法と考えられた.
  • 影山 洋, 中山 成一, 佐藤 美智子, 小松 崎修, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 425-429
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    多発性骨髄腫の患者でインターフエロンによる急性腎不全を合併した症例を報告する. 症例は63才の男性で, 2年前よりIgG-λ型の多発性骨髄腫として加療中であつたが腰痛が出現したため入院. 天然型αインターフエロン150万単位を7日間筋肉内投与したところ急性腎不全(血清クレアチニン4.7mg/dl, 尿素窒素99mg/dl)となつた. 保存的治療により腎機能は改善傾向にあつたが肺炎を併発し第25病日に死亡した. インターフエロン以外には発熱, 脱水, 感染症, 高尿酸血症, 高カルシウム血症などの急性腎不全の原因となるものは認められなかつた. インターフエロンによる急性腎不全は欧米では2例の報告があるが本邦では本症例が第1例である.
  • 桑原 英真, 増田 淳, 金丸 稔, 後藤 和弘, 植原 睦美, 植原 政弘, 千島 丈一, 久保田 鐘造, 斎藤 昭三
    1990 年 44 巻 4 号 p. 430-435
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    いわゆる薬疹を伴わない薬剤熱8例(男性3例, 女性5例)について検討し, その臨床的特徴を見いだそうと試みた. 原因薬剤は全例が抗生物質であつた. 8例のうち4例は誘発テストにて診断を確認した. アレルギー既往歴は3例のみ, 好酸球増多は2例のみに認めた. 熱型は微熱1例, 中等度発熱1例, 高熱6例であつた. 薬剤熱出現までの薬剤投与期間は5日から34日であつた. 血沈は1例を除き全例亢進. CRPは1例を除き全例+3以上. 末梢白血球数は全例が正常ないしやや減少. 核左方移動は5例に認めた. 皮内テストは全例陰性, パッチテストは施行した2例で陰性, 液性抗体は施行した2例で陽性, DLSTは5例中4例で陽性であつた. 薬剤中止後解熱するまでの期間は7例が3日以内であつたが1例は1週間以上を要した. 以上から感染症との鑑別診断の上で臨床的な特異的変化は見い出されず臨床経過の詳細な観察が最も大切であることが再確認された.
  • 4. 肝の特殊検査―これこそ確診の核心―
    安部 明郎, 矢加部 茂, 竹尾 貞徳, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 436-439
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 第131回関信地区国立病院療養所薬学集談会, 第418回千葉県下国立病院療養所定例連合研究会
    朔 元則, 矢加部 茂, 竹尾 貞徳, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    1990 年 44 巻 4 号 p. 440-443
    発行日: 1990/04/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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