行動医学の視点から患者コンプライアンスの研究を概観し, 行動療法によるコンプライアンス研究の実例を示し, コンプライアンス改善のための行動的教育モデルを提案した.
コンプライアンスは患者行動から健康行動までを対象としている.
多くのコンプライアンス研究の結果は, コンプライアンスの良否が実際の治療効果を左右すること, コンプライアンス改善のためには, 行動的方法が最も有効であること, を明らかにしている.
欧米では, コンプライアンスの確保が, 高血圧や冠疾患の危険因子対策では重要な目標となっており, また, そのための合意された方法がある. 著者らは, 教育によって患者に生じるプロセスを行動連鎖とみなすことによって, コンプライアンス改善の方法を包括することができる, 新しい行動的教育モデルを提案した. そして実際の臨床では, 医師がそれを意識して治療を組み立てることが重要である, と結論した.
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