医療
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51 巻, 3 号
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  • ―20年の経験から―
    八木 和一
    1997 年 51 巻 3 号 p. 101-105
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    入院した難治てんかん300例を国際分類に基づき分類すると局在関連性てんかんでは側頭葉てんかん, 前頭葉てんかん, 潜因性あるいは症候性全般てんかんではLennox-Gastaut症候群, 症候性全般てんかんでは非特異病因性のその他の症候性全般てんかん, 焦点性か全般性か決定できないてんかんでは乳児重症ミオクロニーてんかんが多くみられた. 難治てんかんに関わる臨床的要因は1)治療抵抗性の強い発作反復傾向, 2)脳器質性障害, 3)てんかん治療を困難にする, 精神医学的問題, 抗てんかん薬に対する不耐性, 社会環境の問題, 自己誘発性などの併有, 4)不適確な診断と治療であった. Lennox-Gastaut症候群について臨床的経過と成因から, また側頭葉てんかんについては外科切除標本の神経病理から難治化する機序について考察した. 難治てんかんに関する治療上の問題点と外科治療について述べ, 包括的治療の必要性を強調した.
  • 原 喜与一, 扇谷 茂樹
    1997 年 51 巻 3 号 p. 106-110
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    現在, 梅毒血清反応ではTreponema Pallidum に対する特異抗体検査としてTPHA法やFTA-ABS法が広く用いられているが, これらの方法により得られる結果は半定量値であり, 再現性や多数検体の処理, 検査所要時間に難点があった. 我々は免疫比ろう法に基づく自動免疫分析装置にラテックス凝集法を応用し, 梅毒 Treponema Pallidum抗体測定の自動化を試みた. その結果, 直線性は少なくとも560 Titer Unitまで認められ, 同時・日差再現性の変動係数は8.7%以下を示した. また, TPHA法との相関係数は0.85(P<0.001)となり, 良好な相関関係が認められ, さらにTPHA法との陽性一致率は91%を示した. 本法は半定量法であるTPHA法と比べ, 定量的に抗体価を得ることができ, さらに反応時間は12分と迅速性に優れ, 多数検体処理が十分可能でスクリーニング法としても有用と考えられた.
  • 相澤 仁志, 森田 一豊, 山口 修二, 南 宏明, 佐々木 信博, 飛世 克之
    1997 年 51 巻 3 号 p. 111-115
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    慢性期脳血栓症における血管内皮障害指標におよぼす抗血小板薬の効果を検討した. 対象は慢性期脳血栓症患者で, 抗血小板薬未投与時とアスピリン81mg/日またはチクロピジン200mg/日を4週間投与後に, 血管内皮障害の指標の一つである血漿von Willebrand factor活性(vWF)を固定血小板凝集法で測定した.
    血漿vWFは抗血小板薬未投与の脳血栓症でコントロールに比べ高値を示し, 血管内皮障害の存在が示唆された. この血漿vWFの上昇はアスピリン81mg/日またはチクロピジン200mg/日の投与により抑制された. したがって抗血小板薬は脳血栓症患者における血管内皮障害の進展を抑制する可能性が示唆された.
  • ―第2報―
    矢加部 茂, 木下 義晶, 吉田 晃治, 敏郎 本名
    1997 年 51 巻 3 号 p. 116-118
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    新生児期とくに産科入院中の新生児早期においてCBAのハイリスクスクリーニングとして肉眼的黄疸あるいは淡黄色便のみられる症例に直接ビリルビンを測定することが簡単かっ有力な方法であることが判明した. その際の直接ビリルビンの値は1mg/dl以上が異常値とみなしてよいのではないかと考えられた. また経過観察中に直接ビリルビンの数値が低下したからといってCBAを否定する決定的な要因にはならないことも注意すべきである.
  • 柏原 英彦, 中村 雄二, 堀尾 勝, 木田 寛, 田中 信一郎, 新藤 和彦, 名西 史夫, 河野 信一, 土田 弘基
    1997 年 51 巻 3 号 p. 119-124
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1994年末における, わが国の慢性透析患者は約14万人, 腎移植数約1万回である. 腎炎・ネフローゼに加えて, 糖尿病・腎硬化症によって透析患者は今後益々増加することが見込まれる. このような医療環境の中で, 研究参加施設は地域の中核施設的役割を担う国立病院として, 腎炎ならびに関連疾患の腎不全へ移行しないための積極的治療, 初回導入ならびに合併症のための透析療法(血液透析・CAPD)そして死体腎を主とした腎移植を行っている. 参加施設の腎不全医療状況をアンケート調査したところ, 中核病院として十分かっ高度な医療を提供するにはマンパワーと透析設備の不足が示され, 国の対応が求められる. また, 質の高い医療提供のたあには, 最新医療情報の提供, 診療支援, 教育研修に必要なプログラムを含有するネットワーク構築が必要である.
  • 西村 恵理, 山佐 稔彦, 川原 英資, 岩崎 格, 中村 孝一, 宮原 嘉之, 河野 茂
    1997 年 51 巻 3 号 p. 125-129
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は42歳の男性. 上腹部圧迫感. 嘔気, 嘔吐にて近医受診. 心電図上, 心室頻拍を呈しており, 体外式直流通電施行後, 洞調律に戻った. その後は無症状であったが, 精査目的で当科へ入院となった. 入院時の心電図は洞調律, 胸部X線ではCTR 48.2%, 血液生化学検査では異常を認めなかった. 心臓超音波検査では, 右室は拡大し, 右室内の心尖部寄りに隔壁を認めた. 右室造影で軽度の右室の拡大と心室壁運動低下がみられ, 胸部CT, MRIでは右室内の隔壁を確認した. 右室心内膜心筋生検で線維化と脂肪浸潤を認めARVDと診断した.
  • 矢野 健二, 松尾 由紀, 児玉 安紀, 堀田 卓宏, 河野 宏明, 細川 亙
    1997 年 51 巻 3 号 p. 130-133
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    脊髄髄膜瘤は, 放置すれば容易に感染を生じ, 残存している神経機能の悪化を招くため, 原則として24時間以内, 遅くとも48時間以内の閉鎖手術が行われるべきである. その際髄膜瘤還納術後に生じる皮膚欠損が小さければ, 皮下を広範囲に剥離することにより一期的縫縮が可能である. しかし, 欠損部が大きくなれば, 一期的縫縮は困難であり, 形成外科的手技が要求される. 局所皮弁による閉鎖法としては, 伸展皮弁, 双茎皮弁, 横転皮弁, 回転皮弁, 菱形皮弁などによる方法が報告されている. 今回われわれも一期的縫縮が困難な脊髄髄膜瘤を2症例経験し, 菱形および横転皮弁で修復することにより皮膚欠損部を完全に閉鎖し得た. とくに合併症もなく良好な結果が得られたことにより, これらの局所皮弁による再建は, 中等度から高度の脊髄髄膜瘤には有効な方法と思われた.
  • 杭ノ瀬 昌彦, 種本 和雄, 金岡 祐司, 村上 貴志, 大島 祐, 峰 良成, 竹内 仁司, 小林 元壮, 漆原 直人, 安井 義政, 真 ...
    1997 年 51 巻 3 号 p. 134-137
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    外傷性大動脈瘤のうち慢性期まで移行するものは比較的まれである. しかし, 近年の交通事故および労働災害の増加を反映して, 外傷性胸部大動脈瘤症例は増加することが予想される. 我々は, 過去6年間に慢性の外傷性解離性大動脈瘤2例と仮性大動脈瘤1例を経験した. 全例外科的治療を施行し良好な結果を得た. 文献的にも手術群と非手術群の生存率の比較では有意に手術群の方が良好であり, 慢性期においても積極的に外科治療を施行すべきであると考えられた.
  • 3. 肺気腫の画像診断
    長山 直弘
    1997 年 51 巻 3 号 p. 138-140
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 51 巻 3 号 p. 141-146
    発行日: 1997/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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